19 / 22
後日談
3.
しおりを挟む「……てか、あんたフラれたの?」
ピスタチオを食いながら言う。
「だーかーらー、あたしがフッたんだってば!てゆうか年上に向かってあんたって…」
「浮気されたとか?」
「……なんでそう思うわけ?」
煙草に火をつけようとした女の手が止まる。
「当たりじゃん」
「……そうだけど。そうですけど、だから何よ」
女は憮然とした顔で言った。
「それで高校生の悩み相談なんか受けてるわけ、」
「どうせ暇ですからね!」
「じゃあさ、俺の悩みも聞いてくんね?」
「てかさっきからずっと聞いてんじゃん!」
「でさぁ、そいつがまた最低な奴で…」
三時間後、その変な女は焼酎のロックを片手に泥酔していた。
「……そこまでされてんのに、なんでつきあってたわけ?」
「好きだったから」
「つまりあんた、そういう最低な男がタイプってことか」
「んなわけないでしょ?!馬鹿じゃないのあんた」
うん、この女かなり面倒くせぇ。
……てゆうか、
「なんで俺があんたの話を聞いてんだよ…」
思わずそうボヤくと、それまで黙って話を聞いていた店主が吹き出した。
「そうよねぇ。ったく、この子はもう…」
呆れたような、でもすごく優しい表情を浮かべている。
「……この人いつもこうなんすか、」
そう言ってから普通に話し掛けてしまったことに気づいてはっとしたけど、その人は特に気にするでもなくそうねぇ、と言った。
「なんてゆうかこの子、いろいろ経験してるわりに純粋なのよね」
「純粋って…」
グラスを手に持ったまま、カウンターに突っ伏して眠りこけている女を見て彼女は笑う。
「いい大人のくせしてね。でもあたしはこの子のそういうところ、好きよ」
「………」
その時、女が不意に目を覚ました。
「……あれ、あたし今誰かに告られなかった?」
「可奈、あんた飲み過ぎ。ったく…、明日も仕事なんでしょ?」
「えー?全然平気だしぃ」
「最近二日酔いが酷いって言ってたじゃない。それに裕太くん、どうすんのよ」
「……あ、そうじゃん!」
あんたは帰んなきゃと言って、女はフラフラと立ちあがった。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる