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第2章
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眩しい太陽の光が瞼の奥に差し込む。
じぃじは目を開けた、辺りを見回すと周り一面草原だ。じぃじは呆気にとられたような表情をしている。ここは多目的ホールじゃなかったのかと言わんばかりであろう。
「あれ?夢か?ついにボケてしまったか?
そういえば、ばあさんはどこだ?」
少し離れた所に一人だれか女の子が倒れているように見える。
「おーい!なんでそんなとこに寝てるんだ。わしも近くで寝てたけど。」
倒れている人が目を覚ます。
ロングの綺麗な透き通った水色の髪の毛をしており白い肌が透き通るように眩しく、小花が散りばめられた白いワンピースを着ている。
「ん?ここはどこ?」
その子は不思議なものを見るように辺りをを見渡す。
「だ、だれ?あなたはだれ?」
「あらまぁ、なんて可愛い子だ。なんでこんなとこに倒れてたんだ?」
じぃじはその子の顔をのぞき込む。
「さっきまで多目的ホールにいてそれから………」
女の子は何か思い出せないかのように頭を抱えている。
「ん?どっかで見たことあるような顔……。」
じぃじはその子の顔をじっと見つめる。
するとじぃじは目を見開き驚いている。
それと同時に女の子も驚いている。
「ばぁさん!?」
「じぃさん!?」
二人同時に口を揃えて言った。
夫婦が出会った十八歳の頃の容姿に
なっていたのだ。
じぃじは優しそうで愛嬌のある顔立ちをしており、髪の毛は白銀に染まり肩に少しかかっている。黒系で統一されたラフな服装をしている。
「いや~、びっくりした。ばぁさんの若い頃だ!こんなに可愛かったんだ」
じぃじは驚いたようにばぁばの頬に触れる。
「じぃさんもこんな格好よかったかねぇ!なんか嬉しいねぇ!またあの頃のじぃさんに会えるとは!」
ばぁばも驚きを隠せない。
二人とも懐かしい容姿に感動していた。
シワもなく白い肌、足腰も痛くない、倦怠感すら感じない、綺麗な顔立ち、筋肉もついている。
「ばぁさん!見てみろ!」
じぃじはばぁばを呼ぶと見事な勢いで飛び跳ね、腕で円を描くように思いっきり振り回しながら走り回っている。
それを見たばぁばも楽しくなり二人で飛び跳ね草原を走り回っている。
若い頃のように。
「レクレーションってこの事やったんやねぇ!これは嬉しいねぇ!」
「これからレクレーションの時間が楽しみだ!こんな所におってもアレやからあそこに街が見えるからいってみよう!」
じぃじは建物が並ぶ方向に指を差す。
じぃじとばぁばは昔のように手をつなぎ、草原から見える街の方向へ歩いていく。
しばらく草原から歩いて行くと町が目の前に見えてきた。
「なんだここは!?」
じぃじは目を大きく開き口が半開きになっている。
そこは事務長が言っていた異世界だった。
草原生い茂るのどかな町だ、風車が町の奥に見える。木造建ての民家も露店もそこそこにある。
じぃじとばぁばの元へ、うさぎのような二本足の長いふわふわの耳を生やした少女が話し掛けてきた。
「こんにちは!どちらから?」
その少女は流暢な日本語を話しており、バニーガールのような黒い服に丸いふわふわの尻尾をつけている。まるで亜人のようだ。
「う、うさぎみたいな耳が生えている!」
じぃじはその少女の耳をひっぱった。その表情は驚愕している。
「ほ、本物だ!ひっついている!」
「そ、そうやねぇ!それにしても………可愛いねぇ!この耳の白い毛並みふわふわで!」
ばぁばは少女を頭をなでている。
うさぎは気持ち良さそうに頭をなでられている。
「私たちは老人ホームから来たんよ!あなたはここに住んでるの?」
ばぁばがうさぎに尋ねる。
「そうなんですね!そこらへんであなた達と同じ所からきた人達が買い物してますよ!僕はこの町に住んでるんですよ!みんなここにいる人は亜人なんです!まぁ、ゆっくりしていってくださいね!」
「ありがとう!可愛いうさぎちゃん」
「私はここの町、バーニアシルの町長なので何かあったら町役場にいるのでいつでもどうぞ!」
うさぎ少女は一礼をし、町の奥へ走り去った。
「わしらも散策してみようか」
「はい!いってみましょう」
じぃじとばぁばは露店が並ぶ方へと歩き始めた。
そこには元の世界と同じ物が売っていた。
よく見ると値段のところに1個1モカと書いてある。じぃじとばぁばは果物屋さんに入る。
「すみませーん!値段の所に1個1モカって書いてるんじゃがモカってなんだ?」
店主が出てきた。
この果物屋の店主はどうやら猿の様な長い尻尾を生やした男だ。
「なんだ?そんな事も知らずに入ってきたのか!」
店主の猿のような男はちょっと馬鹿にしたように鼻で笑う。
猿のような男が淡々と説明を始める。
「モカっていうのはこんなチケットのことだよ!あんたんところの事務長からもらわなかったのか?」
「わしらは今日初めて来たから!何にもわからずにこの世界にきたんだ!」
「ふっ!まぁ、この世界はなんも食わんでも腹は減らんからな!とりあえずりんご2つやるよ!」
店主はじぃじとばぁばにりんごを下投げで投げ渡す。
「おっと、そうなんか!まぁ、りんごありがとうな!」
じぃじとばぁばはりんごを受け取ると礼を言い店を後にする。
「……ばぁさん!いまは見た目も若いんやけさぁ…………フウコって呼んでいいか?」
じぃじは照れ臭そうに下を向く。
「そうね!いま私達は若いんだからね!じゃあ私もナオさんって呼んでいいかねぇ?」
ばぁばも顔を赤らめる。
「ええけど!なんか…照れるな……」
じぃじとばぁばは目を合わせながら笑っている。
「ハッ!あ~、うっとうしい!りんごあげるんじゃなかったぁ!」
それを見ていた店主の猿が呟いた。
そしてじぃじとばぁばは建ち並ぶ店を見て回り共に若くなっていた施設の人達にも会い、会話とこの世界を楽しんだ。
だんだんと辺りが暗くなってきた。
じぃじが腕につけた時計を見ると6時になる5分前を指している。
「楽しいとこだ!そういえば元の世界へはどうやって戻るんだ?」
じぃじは疑問に思っていた。
「楽しくて時間忘れてたわね!」
ばぁばもあせったような表情でじぃじを見る。
しばらくすると街に鐘の音が響き渡る。
ゴーンゴーンゴーン……………
更に暗くなり月が出てきた。
その月が完全に雲から出てくる時、凄まじい光が差しじぃじとばぁばは月明かりに照らされた瞬間、目の前が真っ暗になった。
「みなさーん!目が覚めた人から食事の席についてください!夕食の時間ですよー!」
じぃじとばぁばは事務長らしき人の声で目が覚める。
静かに目を開けると多目的ホールに戻ってきていた。
じぃじとばぁばはとても顔がスッキリしている、
だがやはり手を見るといつものシワシワの手に戻っていた。
「楽しかったですね!また行きたいですねぇ!」
ばぁばは満面の笑みでじぃじに話しかける。
「またいきたいのぉ、ばぁさん!」
「今度の開催日は来週の月曜日です!またおいでくださいね!では夕食をどうぞ召し上がりください」
じぃじとばぁばは事務長の所へ駆け寄る。
「事務長さんや!モカってなんじゃ?猿がチケットを事務長さんからもらいなさいって言ってたんじゃが!」
事務長は笑顔でじぃじ達にいった。
「ここの施設では毎日ミッションというのがあるんですよ!ミッションには色々あるんですけど毎日一人ひとりに朝食のあとに紙が配られます。一人ひとり内容は違います!1人に与えられるミッションは3つです!内容は色々とあるんですが例えば、今日1日で100歩歩きましょうとかエレベーターを使わずに階段を1階から3階まで上がりましょうなど内容は様々です。難しいことはないのでぜひリハビリとして頑張ってみてください!一つ達成毎に1枚モカチケットを差し上げます!」
「おぉ、そりゃ簡単そうじゃのう!次のレクレーションまでに1週間もあるんじゃから頑張ろうかのぉ!ゲームみたいで楽しそうじゃ!」
じぃじは張り切っている様子だ。
「リハビリとして頑張りましょうね、じぃさん!」
夕食を済ませ、二人は部屋に戻り今日あったことを楽しそうに話していた。
じぃじがテレビを付けると日付けがおかしい事に気がついた。
「確かわしらがこの施設にきたのは日曜日だったはずなのに水曜日になっておる」
じぃじは困惑している。
「バーニアシルにいってる間に三日も経っておったのか」
じぃじとばぁばは疑問を抱いたがまた楽しそうに話し出す。
「今日は疲れたから寝ようかね、ばぁさんや!」
「そうやねぇ!じゃあ床に付きましょうかね。」
じぃじとばぁばはベットに横になり眠りについた。
じぃじは目を開けた、辺りを見回すと周り一面草原だ。じぃじは呆気にとられたような表情をしている。ここは多目的ホールじゃなかったのかと言わんばかりであろう。
「あれ?夢か?ついにボケてしまったか?
そういえば、ばあさんはどこだ?」
少し離れた所に一人だれか女の子が倒れているように見える。
「おーい!なんでそんなとこに寝てるんだ。わしも近くで寝てたけど。」
倒れている人が目を覚ます。
ロングの綺麗な透き通った水色の髪の毛をしており白い肌が透き通るように眩しく、小花が散りばめられた白いワンピースを着ている。
「ん?ここはどこ?」
その子は不思議なものを見るように辺りをを見渡す。
「だ、だれ?あなたはだれ?」
「あらまぁ、なんて可愛い子だ。なんでこんなとこに倒れてたんだ?」
じぃじはその子の顔をのぞき込む。
「さっきまで多目的ホールにいてそれから………」
女の子は何か思い出せないかのように頭を抱えている。
「ん?どっかで見たことあるような顔……。」
じぃじはその子の顔をじっと見つめる。
するとじぃじは目を見開き驚いている。
それと同時に女の子も驚いている。
「ばぁさん!?」
「じぃさん!?」
二人同時に口を揃えて言った。
夫婦が出会った十八歳の頃の容姿に
なっていたのだ。
じぃじは優しそうで愛嬌のある顔立ちをしており、髪の毛は白銀に染まり肩に少しかかっている。黒系で統一されたラフな服装をしている。
「いや~、びっくりした。ばぁさんの若い頃だ!こんなに可愛かったんだ」
じぃじは驚いたようにばぁばの頬に触れる。
「じぃさんもこんな格好よかったかねぇ!なんか嬉しいねぇ!またあの頃のじぃさんに会えるとは!」
ばぁばも驚きを隠せない。
二人とも懐かしい容姿に感動していた。
シワもなく白い肌、足腰も痛くない、倦怠感すら感じない、綺麗な顔立ち、筋肉もついている。
「ばぁさん!見てみろ!」
じぃじはばぁばを呼ぶと見事な勢いで飛び跳ね、腕で円を描くように思いっきり振り回しながら走り回っている。
それを見たばぁばも楽しくなり二人で飛び跳ね草原を走り回っている。
若い頃のように。
「レクレーションってこの事やったんやねぇ!これは嬉しいねぇ!」
「これからレクレーションの時間が楽しみだ!こんな所におってもアレやからあそこに街が見えるからいってみよう!」
じぃじは建物が並ぶ方向に指を差す。
じぃじとばぁばは昔のように手をつなぎ、草原から見える街の方向へ歩いていく。
しばらく草原から歩いて行くと町が目の前に見えてきた。
「なんだここは!?」
じぃじは目を大きく開き口が半開きになっている。
そこは事務長が言っていた異世界だった。
草原生い茂るのどかな町だ、風車が町の奥に見える。木造建ての民家も露店もそこそこにある。
じぃじとばぁばの元へ、うさぎのような二本足の長いふわふわの耳を生やした少女が話し掛けてきた。
「こんにちは!どちらから?」
その少女は流暢な日本語を話しており、バニーガールのような黒い服に丸いふわふわの尻尾をつけている。まるで亜人のようだ。
「う、うさぎみたいな耳が生えている!」
じぃじはその少女の耳をひっぱった。その表情は驚愕している。
「ほ、本物だ!ひっついている!」
「そ、そうやねぇ!それにしても………可愛いねぇ!この耳の白い毛並みふわふわで!」
ばぁばは少女を頭をなでている。
うさぎは気持ち良さそうに頭をなでられている。
「私たちは老人ホームから来たんよ!あなたはここに住んでるの?」
ばぁばがうさぎに尋ねる。
「そうなんですね!そこらへんであなた達と同じ所からきた人達が買い物してますよ!僕はこの町に住んでるんですよ!みんなここにいる人は亜人なんです!まぁ、ゆっくりしていってくださいね!」
「ありがとう!可愛いうさぎちゃん」
「私はここの町、バーニアシルの町長なので何かあったら町役場にいるのでいつでもどうぞ!」
うさぎ少女は一礼をし、町の奥へ走り去った。
「わしらも散策してみようか」
「はい!いってみましょう」
じぃじとばぁばは露店が並ぶ方へと歩き始めた。
そこには元の世界と同じ物が売っていた。
よく見ると値段のところに1個1モカと書いてある。じぃじとばぁばは果物屋さんに入る。
「すみませーん!値段の所に1個1モカって書いてるんじゃがモカってなんだ?」
店主が出てきた。
この果物屋の店主はどうやら猿の様な長い尻尾を生やした男だ。
「なんだ?そんな事も知らずに入ってきたのか!」
店主の猿のような男はちょっと馬鹿にしたように鼻で笑う。
猿のような男が淡々と説明を始める。
「モカっていうのはこんなチケットのことだよ!あんたんところの事務長からもらわなかったのか?」
「わしらは今日初めて来たから!何にもわからずにこの世界にきたんだ!」
「ふっ!まぁ、この世界はなんも食わんでも腹は減らんからな!とりあえずりんご2つやるよ!」
店主はじぃじとばぁばにりんごを下投げで投げ渡す。
「おっと、そうなんか!まぁ、りんごありがとうな!」
じぃじとばぁばはりんごを受け取ると礼を言い店を後にする。
「……ばぁさん!いまは見た目も若いんやけさぁ…………フウコって呼んでいいか?」
じぃじは照れ臭そうに下を向く。
「そうね!いま私達は若いんだからね!じゃあ私もナオさんって呼んでいいかねぇ?」
ばぁばも顔を赤らめる。
「ええけど!なんか…照れるな……」
じぃじとばぁばは目を合わせながら笑っている。
「ハッ!あ~、うっとうしい!りんごあげるんじゃなかったぁ!」
それを見ていた店主の猿が呟いた。
そしてじぃじとばぁばは建ち並ぶ店を見て回り共に若くなっていた施設の人達にも会い、会話とこの世界を楽しんだ。
だんだんと辺りが暗くなってきた。
じぃじが腕につけた時計を見ると6時になる5分前を指している。
「楽しいとこだ!そういえば元の世界へはどうやって戻るんだ?」
じぃじは疑問に思っていた。
「楽しくて時間忘れてたわね!」
ばぁばもあせったような表情でじぃじを見る。
しばらくすると街に鐘の音が響き渡る。
ゴーンゴーンゴーン……………
更に暗くなり月が出てきた。
その月が完全に雲から出てくる時、凄まじい光が差しじぃじとばぁばは月明かりに照らされた瞬間、目の前が真っ暗になった。
「みなさーん!目が覚めた人から食事の席についてください!夕食の時間ですよー!」
じぃじとばぁばは事務長らしき人の声で目が覚める。
静かに目を開けると多目的ホールに戻ってきていた。
じぃじとばぁばはとても顔がスッキリしている、
だがやはり手を見るといつものシワシワの手に戻っていた。
「楽しかったですね!また行きたいですねぇ!」
ばぁばは満面の笑みでじぃじに話しかける。
「またいきたいのぉ、ばぁさん!」
「今度の開催日は来週の月曜日です!またおいでくださいね!では夕食をどうぞ召し上がりください」
じぃじとばぁばは事務長の所へ駆け寄る。
「事務長さんや!モカってなんじゃ?猿がチケットを事務長さんからもらいなさいって言ってたんじゃが!」
事務長は笑顔でじぃじ達にいった。
「ここの施設では毎日ミッションというのがあるんですよ!ミッションには色々あるんですけど毎日一人ひとりに朝食のあとに紙が配られます。一人ひとり内容は違います!1人に与えられるミッションは3つです!内容は色々とあるんですが例えば、今日1日で100歩歩きましょうとかエレベーターを使わずに階段を1階から3階まで上がりましょうなど内容は様々です。難しいことはないのでぜひリハビリとして頑張ってみてください!一つ達成毎に1枚モカチケットを差し上げます!」
「おぉ、そりゃ簡単そうじゃのう!次のレクレーションまでに1週間もあるんじゃから頑張ろうかのぉ!ゲームみたいで楽しそうじゃ!」
じぃじは張り切っている様子だ。
「リハビリとして頑張りましょうね、じぃさん!」
夕食を済ませ、二人は部屋に戻り今日あったことを楽しそうに話していた。
じぃじがテレビを付けると日付けがおかしい事に気がついた。
「確かわしらがこの施設にきたのは日曜日だったはずなのに水曜日になっておる」
じぃじは困惑している。
「バーニアシルにいってる間に三日も経っておったのか」
じぃじとばぁばは疑問を抱いたがまた楽しそうに話し出す。
「今日は疲れたから寝ようかね、ばぁさんや!」
「そうやねぇ!じゃあ床に付きましょうかね。」
じぃじとばぁばはベットに横になり眠りについた。
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