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四章 家族一緒に
第11話 半年後
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あれから半年が過ぎた。
解体所では雑用から見習いにあがり、基本的な解体のやり方を教えてもらっている。
所長のアカさんからは、「シロは器用だ。真面目で伸びる。どうだ、危険な冒険者よりここで技術を磨かないか」と言われているが、母さんとリューを守るため、力をつけたい。
「まあ考えてくれ。冒険者は解体が下手な奴が多い。解体技術者の試験受けてみろ。5級を取れたら、解体中の冒険者を手伝って小遣い稼ぎくらいできるようになるぞ。俺らの仕事も楽になるし、処理が良い皮や肉は、買い取り金額も上がる。いいことづくめだ」
解体屋は街の人から嫌われている存在だ。だからこそ、仲間意識が強い。
職場の先輩たちは、ぶっきらぼうだったり迫力がありすぎたり、厳しかったりするけど、僕に対してみんな優しい。
※
レイクさんとの修行は続いている。最近は盾とナイフでの攻撃を教えてもらえるようになった。
「いい体になってるじゃねえか。これもマリーさんの料理のおかげと、ルーの頑張りの結果だな」
レイクさんは僕を認めてくれたのか、「ボウズ」じゃなくて「ルー」と呼んでくれるようになった。
最近、母さんにプロポーズをしている。
母さんは、「いやですわ、こんな年上をからかって」と相手にもしていない。
それでもめげずに、チャンスがあれば「好きだ」とか「結婚してくれ」とか、「見た目は俺より5歳も年下だからいいんだ」とか叫ぶように言ってくるのだけど、母さんに断られるか、ランゼさんから馬鹿にされながら止められている。
そんな母さんの料理は、ちょっとした評判になっている。
大規模遠征の時に銀杯の祝宴へ渡したお弁当、カレールゥを入れたおかげで回復力が異常なほど上がり、魔獣のクマを倒せたと、ギルド長から領主へ報告された。
領主様から呼び出されたが、母さんは領地に住むことができない、街の住人じゃないからと拒否した。
「いざとなれば他の街に行けばいいから。厄介なことに巻き込まれるくらいなら逃げるわよ」と僕たちに言ったんだ。
それでも領主様は怒りもせずに、僕たちの家に来て頭を下げた。
ギフト・ルゥは僕だけが持つギフトだから、母さんは誰にもギフトの事を教えないようにした。
「ポーションは秘伝のレシピで貴重な材料だから量産もできないのです」
と断って、代わりにスライム料理を食べさせた。
領主様は、「スライムが食料になれば、領民たちが飢えなくてすむ」と喜んだが、いざスライムを取ろうと冒険者に頼んでも、キラキラと消えてなくなる。
もう一度領主様が母さんを訪ねて、スライムの採り方を聞いた。
母さんは、「教えてもいいけど条件があるの」と領主に交渉を始めた。
「スライムは、従獣使いにしか体を残して採ることができないの。あなたたち街の人は、うちのルーベンスのような従獣使いやバイト先の解体業に従事する人、冒険者を差別しているわよね。みんないなくなったら、あなた達は暮らしていけない大切な仕事をしている人なのよ。すぐにとは言わないわ。だけど、同じ人間として暮らせるように法整備をしなさい。それが約束できるなら、スライムの取り方を教えてあげる」
領主様はなぜか感動したみたい。「必ずあなたの仰る通りになるように誓います」と母さんにひざまずいて、母さんの手のひらにキスをした。
それから、徐々にスライム料理は冒険者から人気が出た。
スライムを採ることができる従獣使いはまだ少ないからそんなに多くは回らないけど、「従獣使いに優しい街だと広まれば、この街に来る従獣使いも増えてくるはずだ」と領主様は言っている。
母さんも、スライム料理を冒険者ギルドで販売してもらうことにした。
母さんの噂は街に流れ、見た目の若さと不思議な料理を作るところ、魔女の家に住んでいるところから、「新しい魔女様」とか「ママ魔女様」などと呼ばれるようになった。
リューはカレーのおかげでかなり元気になった。天気のいい日はルナと一緒にお散歩したり、庭で花を摘んだり、母さんの手伝いをしている。
白銀のみんなは、しょっちゅう僕たちの家にご飯を食べに来る。
狩った動物のお肉や、珍しい食材があると真っ先に持ってきた。
そして、大変な戦いがある時だけ、母さんにお弁当を作ってもらうようになった。
暇がある時は、
ローディさんは、母さんに料理を習う。
ランゼさんは、お風呂がお気に入り。温かいお風呂は貴族であっても贅沢なんだって。
レイクさんは僕に稽古をつけてくれる。たまに母さんにプロポーズを始めるけど。
そしてみんな、リューと遊んでくれた。
※
森の中で、狩りの訓練をしている。
何回かレイクさんが引率してくれて、狩りのやり方を覚えさせてくれた。
ルナと一緒に行くけど基本的には僕の訓練だから見守るようにレイクさんに言われている。
一角ウサギ相手なら余裕で倒せる。
だけど赤目狐や二頭犬などの僕にとって強い魔獣と戦っている時は危険だと思うのかすぐに手伝ってくれる。そんなに頼りないかな?
魔物に止めを刺したのが僕なら、たまにカレールゥがドロップする。
ルナがとどめを刺すと、そのまま残る。
ルナが倒した魔獣は解体所まで運んで、僕が解体の練習材料にする。取れた皮と肉は売るけど、家族の分の肉は持ち帰るんだ。
母さんが、「頑張ってルーが取ってきたお肉だから、おいしく調理するわよ」と喜んでくれるから。
◇
満月の夜は、この家を中心に魔力が高まる。魔力を使いこなすルナが教えてくれた。
「月がレンズの様に魔力を集めるのかのう。我らには心地よいのだが、普通の人間には不安に感ずるのだろう。お主たちは不思議だ。我らに近き何かを持っているのかもしれんな」
だからなのか、満月の日はお父さんの夢を見る。僕もお母さんもリューも。
月に一度の大切な夜。
朝食をとりながら、どんな夢だったのか報告するのが、月に一度の家族の楽しみになっていた。
そして、今日は年に一度の月食の日だ。
街の人は闇を恐れて家に引き込もるらしい。
僕たちはどんな夢を見ることができるんだろうと、夕食を食べながら話していた。
解体所では雑用から見習いにあがり、基本的な解体のやり方を教えてもらっている。
所長のアカさんからは、「シロは器用だ。真面目で伸びる。どうだ、危険な冒険者よりここで技術を磨かないか」と言われているが、母さんとリューを守るため、力をつけたい。
「まあ考えてくれ。冒険者は解体が下手な奴が多い。解体技術者の試験受けてみろ。5級を取れたら、解体中の冒険者を手伝って小遣い稼ぎくらいできるようになるぞ。俺らの仕事も楽になるし、処理が良い皮や肉は、買い取り金額も上がる。いいことづくめだ」
解体屋は街の人から嫌われている存在だ。だからこそ、仲間意識が強い。
職場の先輩たちは、ぶっきらぼうだったり迫力がありすぎたり、厳しかったりするけど、僕に対してみんな優しい。
※
レイクさんとの修行は続いている。最近は盾とナイフでの攻撃を教えてもらえるようになった。
「いい体になってるじゃねえか。これもマリーさんの料理のおかげと、ルーの頑張りの結果だな」
レイクさんは僕を認めてくれたのか、「ボウズ」じゃなくて「ルー」と呼んでくれるようになった。
最近、母さんにプロポーズをしている。
母さんは、「いやですわ、こんな年上をからかって」と相手にもしていない。
それでもめげずに、チャンスがあれば「好きだ」とか「結婚してくれ」とか、「見た目は俺より5歳も年下だからいいんだ」とか叫ぶように言ってくるのだけど、母さんに断られるか、ランゼさんから馬鹿にされながら止められている。
そんな母さんの料理は、ちょっとした評判になっている。
大規模遠征の時に銀杯の祝宴へ渡したお弁当、カレールゥを入れたおかげで回復力が異常なほど上がり、魔獣のクマを倒せたと、ギルド長から領主へ報告された。
領主様から呼び出されたが、母さんは領地に住むことができない、街の住人じゃないからと拒否した。
「いざとなれば他の街に行けばいいから。厄介なことに巻き込まれるくらいなら逃げるわよ」と僕たちに言ったんだ。
それでも領主様は怒りもせずに、僕たちの家に来て頭を下げた。
ギフト・ルゥは僕だけが持つギフトだから、母さんは誰にもギフトの事を教えないようにした。
「ポーションは秘伝のレシピで貴重な材料だから量産もできないのです」
と断って、代わりにスライム料理を食べさせた。
領主様は、「スライムが食料になれば、領民たちが飢えなくてすむ」と喜んだが、いざスライムを取ろうと冒険者に頼んでも、キラキラと消えてなくなる。
もう一度領主様が母さんを訪ねて、スライムの採り方を聞いた。
母さんは、「教えてもいいけど条件があるの」と領主に交渉を始めた。
「スライムは、従獣使いにしか体を残して採ることができないの。あなたたち街の人は、うちのルーベンスのような従獣使いやバイト先の解体業に従事する人、冒険者を差別しているわよね。みんないなくなったら、あなた達は暮らしていけない大切な仕事をしている人なのよ。すぐにとは言わないわ。だけど、同じ人間として暮らせるように法整備をしなさい。それが約束できるなら、スライムの取り方を教えてあげる」
領主様はなぜか感動したみたい。「必ずあなたの仰る通りになるように誓います」と母さんにひざまずいて、母さんの手のひらにキスをした。
それから、徐々にスライム料理は冒険者から人気が出た。
スライムを採ることができる従獣使いはまだ少ないからそんなに多くは回らないけど、「従獣使いに優しい街だと広まれば、この街に来る従獣使いも増えてくるはずだ」と領主様は言っている。
母さんも、スライム料理を冒険者ギルドで販売してもらうことにした。
母さんの噂は街に流れ、見た目の若さと不思議な料理を作るところ、魔女の家に住んでいるところから、「新しい魔女様」とか「ママ魔女様」などと呼ばれるようになった。
リューはカレーのおかげでかなり元気になった。天気のいい日はルナと一緒にお散歩したり、庭で花を摘んだり、母さんの手伝いをしている。
白銀のみんなは、しょっちゅう僕たちの家にご飯を食べに来る。
狩った動物のお肉や、珍しい食材があると真っ先に持ってきた。
そして、大変な戦いがある時だけ、母さんにお弁当を作ってもらうようになった。
暇がある時は、
ローディさんは、母さんに料理を習う。
ランゼさんは、お風呂がお気に入り。温かいお風呂は貴族であっても贅沢なんだって。
レイクさんは僕に稽古をつけてくれる。たまに母さんにプロポーズを始めるけど。
そしてみんな、リューと遊んでくれた。
※
森の中で、狩りの訓練をしている。
何回かレイクさんが引率してくれて、狩りのやり方を覚えさせてくれた。
ルナと一緒に行くけど基本的には僕の訓練だから見守るようにレイクさんに言われている。
一角ウサギ相手なら余裕で倒せる。
だけど赤目狐や二頭犬などの僕にとって強い魔獣と戦っている時は危険だと思うのかすぐに手伝ってくれる。そんなに頼りないかな?
魔物に止めを刺したのが僕なら、たまにカレールゥがドロップする。
ルナがとどめを刺すと、そのまま残る。
ルナが倒した魔獣は解体所まで運んで、僕が解体の練習材料にする。取れた皮と肉は売るけど、家族の分の肉は持ち帰るんだ。
母さんが、「頑張ってルーが取ってきたお肉だから、おいしく調理するわよ」と喜んでくれるから。
◇
満月の夜は、この家を中心に魔力が高まる。魔力を使いこなすルナが教えてくれた。
「月がレンズの様に魔力を集めるのかのう。我らには心地よいのだが、普通の人間には不安に感ずるのだろう。お主たちは不思議だ。我らに近き何かを持っているのかもしれんな」
だからなのか、満月の日はお父さんの夢を見る。僕もお母さんもリューも。
月に一度の大切な夜。
朝食をとりながら、どんな夢だったのか報告するのが、月に一度の家族の楽しみになっていた。
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僕たちはどんな夢を見ることができるんだろうと、夕食を食べながら話していた。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/387029553/episode/10775138
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144
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