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第6説
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村の外に出るにあたって、僕が立てた当座の計画はこうだ。
自分が全く戦わずに世界を救うためには、まず何より『最強の仲間』を探し集めなくてはならない。
この村では人材に乏しくそれは叶わないため、最低でも冒険者が集まる規模の街、更に冒険者を広く無料で紹介してくれる、『冒険者酒場』が存在することが絶対条件だ。
この近辺でその条件に合致するのは、夢の中のお告げで精霊も語っていた『アリュール王国』しかない。
では、そのアリュール王国へはどうやって行くのかというと、途中でいくつかの村や街を経由して、モンスターが多数生息する長い街道を通っていかなければならない。
つまり、『最強の仲間』を探しに行くためには、まず僕が戦わなくてもそこまでの冒険に耐えうるだけの仲間を、最初にこの村で見つけなければならないということだ。
勿論、その仲間は強いには強いが『最強の仲間』ではないため、アリュール王国に到着次第別れてもらうということになるが、感覚的に言えば『レンタル』した強い仲間に、僕がアリュール王国まで『送ってもらう』という感覚だろうか。
そしてその、最強ではないものの、この村で『ある程度強いのは保証されている』仲間の目星は、既についている。
僕は村長の家を出ると、今度は村の道具屋に向かった。
「おお、フラジールじゃねえか、今日は何の用だ?」
「今日はまとめ買いに来たよ。おじさん、今日は商売のチャンスだよ」
道具屋に着くと、そこで両親に貰った軍資金の実に半分を消費して、薬草を100個大量購入した。(総額500ゴルドなり)
僕は回復魔法も攻撃魔法も何も使えないため、この薬草でその『ある程度強い仲間』を後ろからサポートするためだ。
なにしろ『自分が戦わない』のだから、装備品など何も購入する必要はないし、そんなお金も必要ない。その分のお金は全て仲間の回復手段に回せる。
計画の段階ではまだ気付いていなかったけど、自分が戦わない勇者というのは、『装備品にお金を使わなくて済む』というのが最大の利点のように思えた。
更に、こんなに一度に大量に購入するんだから、『おまけ』も付けてくれるよね?と、道具屋のオッサンに交渉して、薬草、そして毒消し草をプラスで10個つけてもらった。
このような、勇者なのにまるで商人のような交渉術、常にパーティーにとって『何らかのプラス』を目指していく戦術は、『戦わない勇者』を目指す上では絶対に欠かせない点だろう。
戦うこともできなければ口も下手というのであれば、存在意義がない、何のためにパーティーに存在しているのか全く分からないからだ。
戦いの部分で貢献できないからこそ、その分を僕は『世渡り』の技術でパーティーに貢献してみせる。
足手まといにはなりたくない。何もできないくせに、勇者というだけで強い仲間に寄生しているなどと思われることだけは、絶対に嫌だから。
バトル以外では常に真剣に、懸命に仲間をサポートする、パーティーにとって最良で最高の選択を指揮していく。
それが僕の思う『勇者』としての信念、誇りだ。
自分が全く戦わずに世界を救うためには、まず何より『最強の仲間』を探し集めなくてはならない。
この村では人材に乏しくそれは叶わないため、最低でも冒険者が集まる規模の街、更に冒険者を広く無料で紹介してくれる、『冒険者酒場』が存在することが絶対条件だ。
この近辺でその条件に合致するのは、夢の中のお告げで精霊も語っていた『アリュール王国』しかない。
では、そのアリュール王国へはどうやって行くのかというと、途中でいくつかの村や街を経由して、モンスターが多数生息する長い街道を通っていかなければならない。
つまり、『最強の仲間』を探しに行くためには、まず僕が戦わなくてもそこまでの冒険に耐えうるだけの仲間を、最初にこの村で見つけなければならないということだ。
勿論、その仲間は強いには強いが『最強の仲間』ではないため、アリュール王国に到着次第別れてもらうということになるが、感覚的に言えば『レンタル』した強い仲間に、僕がアリュール王国まで『送ってもらう』という感覚だろうか。
そしてその、最強ではないものの、この村で『ある程度強いのは保証されている』仲間の目星は、既についている。
僕は村長の家を出ると、今度は村の道具屋に向かった。
「おお、フラジールじゃねえか、今日は何の用だ?」
「今日はまとめ買いに来たよ。おじさん、今日は商売のチャンスだよ」
道具屋に着くと、そこで両親に貰った軍資金の実に半分を消費して、薬草を100個大量購入した。(総額500ゴルドなり)
僕は回復魔法も攻撃魔法も何も使えないため、この薬草でその『ある程度強い仲間』を後ろからサポートするためだ。
なにしろ『自分が戦わない』のだから、装備品など何も購入する必要はないし、そんなお金も必要ない。その分のお金は全て仲間の回復手段に回せる。
計画の段階ではまだ気付いていなかったけど、自分が戦わない勇者というのは、『装備品にお金を使わなくて済む』というのが最大の利点のように思えた。
更に、こんなに一度に大量に購入するんだから、『おまけ』も付けてくれるよね?と、道具屋のオッサンに交渉して、薬草、そして毒消し草をプラスで10個つけてもらった。
このような、勇者なのにまるで商人のような交渉術、常にパーティーにとって『何らかのプラス』を目指していく戦術は、『戦わない勇者』を目指す上では絶対に欠かせない点だろう。
戦うこともできなければ口も下手というのであれば、存在意義がない、何のためにパーティーに存在しているのか全く分からないからだ。
戦いの部分で貢献できないからこそ、その分を僕は『世渡り』の技術でパーティーに貢献してみせる。
足手まといにはなりたくない。何もできないくせに、勇者というだけで強い仲間に寄生しているなどと思われることだけは、絶対に嫌だから。
バトル以外では常に真剣に、懸命に仲間をサポートする、パーティーにとって最良で最高の選択を指揮していく。
それが僕の思う『勇者』としての信念、誇りだ。
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