お笑い芸人ランキング Sランク・Sランク+編

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お笑い芸人ランキング Sランク編 とんねるず 石橋貴明

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石橋貴明 Sランク

ボケ 76 Bランク
ツッコミ 84 Aランク
トーク 82 Aランク
コント 90 Sランク
エロ 95 Sランク
パロディー 100 Sランク+
エンターテイナー 100 Sランク+
ガラガラヘビ 100 Sランク+

【解説】
東京芸人の代表格、とんねるず石橋貴明の解説である。

ここ数日、筆者は食中毒で死んでいたため、更新を楽しみにされていた方には本当に申し訳ない。今日からまた頑張って更新していきたいと思う。

さて、採点であるが、とんねるずの評価には非常に苦慮する部分があった。それは、とんねるずというコンビはボケとツッコミの役割が曖昧で、非常にわかりにくい部分があるためだ。

石橋がボケて木梨がツッコんだかと思えば、木梨がボケて石橋がツッコんだりする。良く言えば何でも出来る芸達者で、笑い飯のようなダブルボケ、ダブルツッコミのようなスタイルだが、器用貧乏と言うか、逆にそれが各々の特徴を見えにくくしているというジレンマでもある。

更に、テレビでの華々しい活躍に目を奪われて中々気付きにくいが、とんねるずの本質は実はラーメンズやシソンヌのような『コント職人』タイプであるため、志村や浜田のような目の覚めるようなボケやツッコミといったものは存在しない。

各々の適性から言えば、木梨がボケで石橋がツッコミという認識で問題ないと思うが、以上のような観点から、石橋のボケはB、ツッコミはAランクとした。

トークは82のAランク。数々の冠番組で磨き上げてきた熟練の技術があり、とんねるずのトーク担当は主に石橋となる。

何故Aランクに留まったかと言えば、これは松本、さんま、紳助らトークの化け物達と比較したため。逆にこの三人が異常なのであって、石橋本人のトーク力は芸能界でも高いレベルにあると言える。

コントは90のSランク。92と非常に迷ったのだが、何故90に留まったかと言えば、とんねるずのコントは『パロディーコント』が主であるため。

『デビルマン』や『仮面ライダー』など、往年の名作アニメやドラマをパロディー化したコントは確かに笑える。確かに笑えるのだが、筆者としてはパロディーコントに関しては、評価を厳しめに付けざるを得ないのである。

筆者は個人的にはパロディーコントを評価しておらず、その理由としては主に次のような理由が挙げられる。

①設定を一から考えるオリジナルコントに比べ、名作の設定をそのまま流用できるため、頭を悩ませる必要がない。

②誰もが知っている設定(つまり常識)をずらせば簡単に笑いになるため、笑いを取るのが楽。笑いの取り方が安易。

③名作は既にキャラが出来上がっているため、キャラを一から作り上げていく必要がなく、役に入り込みやすい。

筆者がパロディーコントを評価しないのは、主にこのような理由からである。

誰も言わないので筆者が言ってしまおうと思うが、オリジナルコントに比べ、パロディーコントは作るのが楽なのだ。

ダウンタウンやウンナンのコント番組が次々とDVD化されているのに対し、『みなさんのおかげです』のコントは未だにDVD化が困難とされている。

それはパロディー元の著作権などが複雑に絡み合っているためらしいが、やはり大元の発想で楽をしてしまうと、半永久的に形になって残り続けるもの(文化財)は作れないのだろう。

まだテレビの規制が緩かった時代から現代に至り、徐々にとんねるずのようなパロディーコントが消えていったのは、主にこのような理由からではなかったか。

人が苦労して産み出した設定やキャラを流用して笑いを取る手法は、それがどんなに笑えるものであっても、あまり褒められたものではないように思う。

しかし、筆者がこれほど評価しないパロディーコントを主としながら、それでもSランクという高評価を付けたのは、とんねるずというコンビの素のコント能力の高さ故。

とんねるずの本来の実力であれば、パロディーなどに頼らなくとも面白いコントを産み出せたはずであり、筆者にはそれが残念でならない。

志村以来となる、エロは95のSランク。志村をエロコントの開祖とすると、とんねるずはそれを観て育ったエロコントの第二世代というところか。

全盛期のとんねるずは笑いの随所に、エロをエッセンスとして散りばめていた。

規制の厳しい昨今のテレビ業界では、エロとパロディーというとんねるずの二大武器は完全に封じられてしまう。

既にビッグになっているため、格別笑いを取る必要はないのかもしれないが、とんねるずにとって今の時代は凄まじい逆風が吹いていると言えるだろう。

以前エロの開祖志村に、畏敬の念も含め満点を付けたが、それと比較しての95点には、本人達も異論のないところだろう。

パロディーの最高評価は逆説的になるのだが、コントとしては高く評価は出来ないとしても、やはり笑えるパロディーコントという点に於いては、とんねるずの実力は抜きん出ているものがある。

何かを『茶化す』のが非常に上手いというか、パロディーはパロディーでも、『とんねるずでなければ出来ないパロディー』というものが確かにあり、コントとしての評価では減点となったが、そこに敬意を表しての最高評価であることを付け加えておきたい。

『エンターテイナー』最高評価に関しては、『野猿』や『矢島美容室』等の全盛期の歌やダンスを観てきた視聴者には、最早説明不要だろう。

とんねるずの残してきた輝かしい功績を振り返ると、『芸人』というよりも超一流の『パフォーマー』といった表現の方が近く、本人達も芸人としての活動より、表現者としての活動に軸足を置いていたように思える。

いずれにしてもそのパフォーマンス能力に疑いの余地はなく、漫才やコントといった芸以外でも観客を沸かせられる、芸人として非常に稀有な存在である。

最後の『ガラガラヘビ』最高評価について。

ガラガラヘビは凄まじい『猛毒』を持っており、それは全盛期のとんねるずの芸風に通ずるものがある。

これはあくまで『毒舌』ではなく『猛毒』である。

毒舌は『芸』を現すが、猛毒とはその『芸風』を現す。

リアルタイムでとんねるずの番組を観ていた幼い頃の筆者は、子供心にこう思っていた。

『面白いけどなんか怖い』

今思えば、その『なんか怖い』の部分が、とんねるずという芸人が本質的に持つ『猛毒』の部分であり、何故そう感じるのか理由はわからずとも、幼い筆者は本能的に感じていたのだろう。

とんねるず石橋の猛毒を語る上で代表的なエピソードと言えば、『木梨憲武追悼特番』であろう。

これは生きている木梨をあたかも死んだかのような体で、番組内で追悼する内容であるが、よくあるすぐに冗談だとわかる作りではなく、つい本物だと錯覚するような非常にリアルな作り込みをしてある内容だった。

このように、不謹慎なネタ(パロディー、エロ、猛毒)を徹底的に作り込むのが全盛期のとんねるずの芸風だったのであるが、当然局にはクレームの電話が鳴りやまなかったらしい。

筆者も当時木梨は本当に死んだと思っていたのだから、全国的に騙された方は大勢いたものと思うが、これを不謹慎だと怒るのは筋違いかと思う。何故なら、とんねるずはこれを不謹慎と分かった上でやっているのだから。

とんねるずの更なる猛毒については、次回、木梨憲武の項で語りたいと思うが、業界の規制と老いのためか、現在のとんねるずに以前のようなアグレッシブに笑いを取りに行く姿勢がなくなったことは、非常に残念である。

『みなさんのおかげでした』が打ち切り間近という話も聞こえる中、とんねるずがもう一度その強烈な『猛毒』を持って、テレビ業界を目茶苦茶に荒らし回る姿を見たいと願うのは、筆者だけだろうか(後に番組は正式に終了)。

筆者にただ一つだけ断言できるのは、全盛期の宮沢りえはとてつもなく可愛いということだけである(みなさんのおかげです、コントより)。
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