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信長編
完成! 炎属性魔法
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「ッ!――」
体の中に流れる魔力、それを感じ、手に集中させるのが魔法の第1歩らしく、魔力を感じるために神経を研ぎ澄ませていた。
すると、白く微かに光る右手を見て驚いたが、恐らく、ここで集中を途切らせるとダメだろうと思い、更に深く集中する。
「はい、OKです。凄いですねこんなにも早くできるなんて」
そんなシエルの一言で集中は途切れ、右手の光は無くなっていた。
集中しただけでこんなにも疲れたのは人生で初めてだった。
「次は、何をすればいい?」
上がった心拍数を整えながらシエルに尋ねる。
「次はですね、イメージです」
「イメージ?」
「はい、魔法において重要なのは最初にどれだけのイメージができるかです」
シエル曰く、初めに魔法を完成させる際に、イメージが必要らしく、そのイメージの強さ、大きさで魔法の威力、規模が変わってくるらしい。
「燃える……イメージ」
今一度集中するためにそっと目を閉じる。
しかし、あまり集中せずともそのイメージは自然と頭の中に湧いてきた――と言うより、甦ってきた。
兵士達の断末魔、火の粉が爆ぜる音、外の廊下を慌ただしく走る音、寺に放たれた火はあっという間に寺全体を包み、俺を火の中へと飲み込んだ。
――本能寺の変。
俺がイメージしたのはそれだった。
さらに深く、さらに鮮明に想像する。
「……さん、ノ……さん、ノブナガさん! 大丈夫ですか?」
そんな声が俺の記憶をかき消した。
どうやら顔色が悪く変な汗をかいていたようで心配したシエルが声をかけてくれたらしい。
「どうですか、イメージは固まりました
か?」
「あぁ」
短く返事をする。
「では、先ほどのイメージを元に魔力を手に集中させて下さい」
言われた通り掌に魔力を集中させる。
掌が白く光りだす。
しかし、今回はそれに加えあの忌まわしき記憶も甦らせる。
すると、手のひらの白い光は青白い炎の塊へと姿を変えた。
「おぉ、凄いですね。高温、高密度の炎ですよ! 試しにそれをあの木に向けて撃ってください」
無言で頷き、1本だけそびえ立つ木に成体し、撃ち方など分からなかったが、取り敢えず心の中で「放て!」と叫んで手を突き出す。
すると、青白い炎の塊は勢いよく飛んでいき標的の木に着弾すると青白い光を放ち爆発した。
地を揺らす衝撃と体全体を震わせる爆発音による空気の振動、数秒後に来る爆風、どれをとっても凄まじい威力だった。
「なっ――?!」
「こ……これは凄い威力ですね。こんなの初めて見ました。余程炎に強い思い入れがあるのですね」
流石のシエルもこの規模の魔法は初見らしく唖然とした顔でこちらを見て言った。
「この威力なら食人樹は倒せるか?」
「勿論です! それどころかそこら一体焼き払えそうですよ」
どうやら余裕で討伐が可能なようで、懐から地図を取り出し目的の食人樹の元へと向かった。
体の中に流れる魔力、それを感じ、手に集中させるのが魔法の第1歩らしく、魔力を感じるために神経を研ぎ澄ませていた。
すると、白く微かに光る右手を見て驚いたが、恐らく、ここで集中を途切らせるとダメだろうと思い、更に深く集中する。
「はい、OKです。凄いですねこんなにも早くできるなんて」
そんなシエルの一言で集中は途切れ、右手の光は無くなっていた。
集中しただけでこんなにも疲れたのは人生で初めてだった。
「次は、何をすればいい?」
上がった心拍数を整えながらシエルに尋ねる。
「次はですね、イメージです」
「イメージ?」
「はい、魔法において重要なのは最初にどれだけのイメージができるかです」
シエル曰く、初めに魔法を完成させる際に、イメージが必要らしく、そのイメージの強さ、大きさで魔法の威力、規模が変わってくるらしい。
「燃える……イメージ」
今一度集中するためにそっと目を閉じる。
しかし、あまり集中せずともそのイメージは自然と頭の中に湧いてきた――と言うより、甦ってきた。
兵士達の断末魔、火の粉が爆ぜる音、外の廊下を慌ただしく走る音、寺に放たれた火はあっという間に寺全体を包み、俺を火の中へと飲み込んだ。
――本能寺の変。
俺がイメージしたのはそれだった。
さらに深く、さらに鮮明に想像する。
「……さん、ノ……さん、ノブナガさん! 大丈夫ですか?」
そんな声が俺の記憶をかき消した。
どうやら顔色が悪く変な汗をかいていたようで心配したシエルが声をかけてくれたらしい。
「どうですか、イメージは固まりました
か?」
「あぁ」
短く返事をする。
「では、先ほどのイメージを元に魔力を手に集中させて下さい」
言われた通り掌に魔力を集中させる。
掌が白く光りだす。
しかし、今回はそれに加えあの忌まわしき記憶も甦らせる。
すると、手のひらの白い光は青白い炎の塊へと姿を変えた。
「おぉ、凄いですね。高温、高密度の炎ですよ! 試しにそれをあの木に向けて撃ってください」
無言で頷き、1本だけそびえ立つ木に成体し、撃ち方など分からなかったが、取り敢えず心の中で「放て!」と叫んで手を突き出す。
すると、青白い炎の塊は勢いよく飛んでいき標的の木に着弾すると青白い光を放ち爆発した。
地を揺らす衝撃と体全体を震わせる爆発音による空気の振動、数秒後に来る爆風、どれをとっても凄まじい威力だった。
「なっ――?!」
「こ……これは凄い威力ですね。こんなの初めて見ました。余程炎に強い思い入れがあるのですね」
流石のシエルもこの規模の魔法は初見らしく唖然とした顔でこちらを見て言った。
「この威力なら食人樹は倒せるか?」
「勿論です! それどころかそこら一体焼き払えそうですよ」
どうやら余裕で討伐が可能なようで、懐から地図を取り出し目的の食人樹の元へと向かった。
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