高塚くんと森くん

うりぼう

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番外編

森くん総受けの世界バレンタイン編

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「森くん総受けの世界へいらっしゃい」バレンタイン編

※もしも森くんが総受けだったらという世界観でのもしも話です。
※基本は高塚×森
※短め三編






佐木くん編

「もーり!今日何の日だ?」
「?バレンタインだろ?」
「チョコは?」
「は?」
「チョコ。ちょうだい」
「…………………は?」

え、何言っちゃってんのこいつチョコって何オレがあげるものなの、てかオレから貰ってどうするんだこいつ。

あ、腹が減ってるのかそうかそうに違いない。
だがあいにくチョコは持っていない。

「んー……あ、飴ならある。これじゃダメ?」
「なんで飴?」
「え?腹減ったんだろ?違うの?」
「……」

きょとんと聞くと、佐木は不満そうな顔。

「何、飴じゃ足りないって?しょうがねえなあ、じゃあ購買行こ」
「……チョコがいい」
「はいはい。じゃあチョコ買ってやるからジュース奢れよ」
「!うん!やった!」
「つーかチョコくらい自分で買えよなあ」
「こんな日に自分で買うなんて寂しいじゃん!」
「男に買わせるのもどうなんだよ」
「森が買うから意味あるんじゃん」
「?なんか言った?」
「んーん、なんも!ほら早く購買行こうぜ!」
「はいはい(どんだけ腹減ってんだか)」


気持ちが全く噛み合わないながらもちゃっかりとチョコを頂く佐木くんがいた。










石野くん編




「うわー、石野すげえな」

机の上に置かれた数個のチョコに声をあげる。
さすが、顔だけ自慢の変態なあいつとは違い性格もまともな石野だ。

いやあの変態も結構な数貰っていたけれど。

「まあね」
「くそー、オレなんか一個も貰えないってのに」
「欲しいの?」
「そりゃあ男だもん、一個くらいはさー」

まああいつに付き纏われている時点で望みなんて全くないけれど。
溜め息を吐き出し、いいないいなと石野が貰った可愛らしいラッピングの数々を指先で弄っていると。

「森」
「へ?え……!?」

するりとその指を絡め取られる。
びくりと震え身を引こうとしたが逆に強く引き寄せられてしまった。

「なっ、何!?」
「チョコ、あげようか?」
「は!?」

耳元で囁かれる。
甘く低く響く声に背筋がぞわりとする。
いや、欲しいのは女の子からであって男からじゃないんだけど、ていうか何でオレは石野に手を繋がれてるのかな!?

「あ、あああああの石野!?」
「ほら、あーん」
「んっ」

いつの間に取り出したのか一口サイズのチョコを口に突っ込まれる。
反射的に閉じてしまったそこから指を引き抜いた石野は、なんと、

「……ふっ、甘い」
「―――…っ!?!?!?」

ぺろりと。
その指を舐め色気いっぱいに微笑んだのだった。

誰この人おおおおお!?
いつもの石野カムバアアアアアック!!!!











高塚くん編



「高塚、これやる」
「え?これ……」

手渡したのは何のことはない普通の板チョコ。

「朝佐木にねだられて買ったんだけど、まあ仕方ねえからついでに……」
「っっ、森ちゃあああああん!!!」
「!だからいちいち抱き付くなああああ!!!」

じっと手元を凝視していたと思ったら感無量と言わんばかりの表情を浮かべ勢い良く抱き付いてきた。

「だ、だってだって超嬉しい!初めてだよ森ちゃんがオレに何かくれるの!しかもバレンタインに!どうしようオレこれ一生食べれないかも……!」
「いや普通に食えよ!つーか、ついでだって言ってるだろ!」
「ついででも森ちゃんが自分からくれたっていうのが嬉しいの!」
「……大袈裟なやつ」
「ね、ね、オレも森ちゃんにあるんだ!貰ってくれる?」
「……」
「一生懸命作ったんだ!あんまり美味しくないかもしれないけど」
「って、手作り!?」
「うん!母さんに手伝ってもらった」
「……(マジかよ)」
「……食べてくれない?」
「うっ」

出た、久々の子犬のような目。
だからこれには逆らえないっつーのに……!

オレがいらないと突っぱねたら折角作ったものはこいつが一人寂しく食べるのだろうか。
それともごみ箱行き?
それはもったいない。

「……し、しょうがねえから、貰ってやる」
「!」

視線を逸らしつつ呟くと、高塚の目がきらきらと輝きを増すのが視界の端からでもわかった。

「森ちゃん大好きいいいい!バレンタインにお互い贈り合うっていいね!両想い!?やだもー!よし、じゃあとりあえず音楽室行こうか早速このチョコ使ってしっぽりまったりねっとり濃厚な一時を過ごそうか?大丈夫チョコと一緒にどろっどろに溶かしてあげ」
「自重しろ変態いいいい!!!」
「ぐはあ……っ!」

子供のように破顔したのにはうっかり一瞬目を奪われてしまったが、やはりこいつは変態だ。
調子に乗らせてはならない。

肩をがしりと掴み目に怪しげな何かを光らせはあはあする高塚の顎に、繰り出したアッパーが見事に入った瞬間だった。






終わり!
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感想 8

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