復讐のはじまりは暗くて寒い

皐月亭 もっちりー

文字の大きさ
243 / 274

194.

しおりを挟む
その苛烈な光は閉じた瞼すら貫き視界を白く焼いた
耳は最初に聞こえた破裂音を最後にまるで綿でも詰められたように鈍く沈黙した

リザリディスは自身を包むように囲むヒヤリとした柔らかな感触を肌に感じていた
それは彼女を守る為の物だと肌で感じられ恐怖のような物はなかったが立て続けに起こる衝撃的な出来事にどうしても心は揺さぶられ不安はつのっていった

足と腰に感じる冷たい草の感触はいつの間にか自身が地面に座り込んでることを気づかせ
地面から響く振動が体を揺らす度に頭を振り目を瞬かせるがなかなか視界は戻らなかった

いつの間にか自分を包んでいた柔らかな何かは無くなり代わりに焚き火の後のような焦げた煙の匂いがした

何度か唾を飲み込み声を出そうとしたが震える唇は上手く動かせず荒い呼吸を何度か繰り返しただけだった

ゆっくりと視界が戻り始めた時、目の前には見慣れた庭園は無くなり代わりに所々抉られ無惨に焦げた芝生となぎ倒され吹き飛ばされた樹が散らばっていた

何かが詰め込めれた様に感じていた耳はまだどこか違和感があったが誰かの声のようなものが微かに聞こえた

「×…×……××××っ」

ぼんやりとした霞んだ視界でそちらに顔を向けると

思っていたより近くに人らしき物が見えた
何かを抱きかかえているようでしきりに何かを言っていた

「………×××…××…こえ……ひとくち………せめて…エメっ!」

リザリディスはぼんやりとした目でその様子を見ていたがふと目線を下げると自身の赤く染まったスカートが見えた

「…………」

良く見れば辺りには赤く染まった地面があり転々と続く赤い染みを辿ったその先には…

「あっ…」

その景色を目にしたリザリディスの頭のなかで何かがプツリと途切れた
意識と共に視界は暗く閉ざされ
震えていた体がぐらりと揺れて倒れた


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

処理中です...