浮気の定義で揉めて、別の人を好きになってしまった

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「…楽しかった…!!」

雪村くんとレトロゲームショップに行った帰り道、僕は思わず笑みがこぼれ、スキップしたい気分だった。
こんなに心から笑ったのは久しぶりかもしれない。素直に楽しめた自分に気づく。

「おかえり。遅かったね。どこ行ってたの?」

晶は優しく出迎えてくれた。

「えっとね、友達と二人遊んでた!」

「そっか、それは良かったね。」

美しい顔に穏やかな微笑みを浮かべ、淡々とした声でそう答える。
本当に、優しい人だと思う。
怒らないし、疑わないし、束縛もしない。
あの日以来、女性と会うときも連絡をくれるようになった。けど――会うこと自体をやめるわけではない。

「仕事だから」――その一言で、いつも終わる。

正しいことだと分かっている。
でも胸の奥のどこかで、わずかに疼くものがある。
どうしようもなく、子どもみたいな感情。

――ほんの少しでいい。
「誰と遊んだ?」って聞いてくれたら。
「心配だ」って、眉をひそめてくれたら。

そんなわがままを、喉の奥で押し殺し、僕は笑った。

「…絶対、嫉妬してくれないよね…」

「うん?なんか言った?」

「ううん何でもない。」

僕ばっかり好きなのは今に始まった話じゃない。

「…そういえばさ、最近、距離取ってるよね?まだ怒ってる?」

晶は眉をひそめて、やさしく問いかけてきた。やっぱり気づいていたか。

「…ごめんね。怒ってるわけじゃなくて…。なんか、僕が晶に依存しすぎてたのかもって思ってさ。」

「依存なんて…そんなこと気にしなくていいよ。今回のことだって、学人は悪くない。俺が悪いんだから。君は自由に生きればいいんだから。」

本当に優しい。完璧すぎる。

「……実は裏方に回ろうかなって思ってるんだ。」

言わなければならないと思い、意を決して伝えた。

晶は一瞬驚いた表情を見せた後、柔らかな笑顔になった。

「そうなんだ。どんな判断をしても、俺は学人を応援してるから。」

――全てが、演技のように完璧で、美しい返答。
僕みたいな劣等感の塊には眩しすぎる。

「じゃあ俺、仕事で打ち上げがあるから行ってくるね。」

「うん、いってらっしゃい。」

ピタッ

ドアを開けようとした瞬間、彼は立ち止まった。

「……何も言わないの?」

「えっ、ああ。最近多いし。もういいかなって。」

嫉妬するのも疲れた。
売れっ子芸能人と付き合うって、想像以上に心を削られる。
打ち上げや飲み会で、彼を狙う人と出会う機会が多すぎる。
今の僕なら、女性と二人きりで密室になっても、怒れないかもしれない――そんな気さえする。

「そう。じゃあ行ってくるね。」

ドアが閉まった。

――さあ、雪村くんに連絡しよう。
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