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異世界生活:王都レグナム編
プラントドラゴン①
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シュバルツと話して分かったことは、日本の学校のような場所はないということ。
そして4日後の朝には王都に向かうと言うこと。
蓮は用意した果物ポーションの受け渡しを済ませ、その後、グランに何点か確認。
さっそく大樹の家へ戻り、プラントドラゴンと調合師3人だけでポーション製造が可能なのかを確認することにした。
「それで。プラントドラゴンはどこにいるんですか?」
蓮は空を走りながら、ドラコが飛びながら持ち運ぶバスケットの中で機嫌良く向日葵を膝に乗せるユグドラシルに聞く。
昨晩の間に大樹の家の位置を共有し、来るように伝えているため、蓮達が帰宅するのと同じくらいには到着するそうだ。
「どんなドラゴンなんだろなぁ」
バスケットの中では女子会の様に、出店で買ってきた食べ物を広げて楽しそうに話をしている中、蓮は想像を膨らましていた。
蓮の知るドラゴンに植物系のドラゴンはいなかった。
ドラコと同じような硬い鱗に覆われた翼竜しか知らない。
想像していると、あっという間に大樹の家に到着。
「プラントドラゴンはどこから来るんですか?」
生息地は知られていないが、ランゲスト大陸の東部。
エルフの里があると言われている場所からさらに東側。
そこには世界樹と呼ばれる雲にかかるほど巨大な樹が存在し、その周辺にプラントドラゴンは生息している。
世界樹には、大樹の家とは比べ物にならないほど強力で巨大な結界魔法がかかっており、その周辺地域にはユグドラシルに認められた存在しか入ることができない。
大樹の家がある森の様に、人間だけが入れないのではなく、魔物も例外なく、ユグドラシルの眷属しか入ることはできないそうだ。
蓮がユグドラシルの話しに胸を躍らしていると、強い気配の接近を感じ取った。
「噂をすると来ましたね」
蓮が強い力の方向に視線を向けると、舞うように降り立ったのは、ユグドラシルの髪に似た新緑の葉で覆われた小さな竜。
体は樹の幹のようになっている。
小さいと言っても翼を広げれば3mほどあり、頭らか長く伸びた尾の先までも同じくらいはある。
ドラコやリルを見慣れているため小さく見えるが、元居た世界の感覚で言えば充分大きい。
「よくきましたね」
ユグドラシルがそう言うと、プラントドラゴンは『きゅるるる』と愛らしい鳴き声を発しながらユグドラシルに擦り寄った。
「ひぃちゃんもさわるぅ!」
怖いもの知らずの向日葵がユグドラシルの足元に駆け寄り、プラントドラゴンの葉を撫でる。
向日葵を溺愛するユグドラシルの眷属なだけあって、向日葵に対して敵を向けることはなく、自ら伏して撫でやすくした。
「あらあら」
ユグドラシルが蓮と桜を見た。
その表情に全てを察して蓮は顔を手で押さえた。
「え?どうしたの?」
「ひまちゃんが従魔にしちゃったみたい」
状況が読み込めない桜に、蓮は端的に答えた。
調合師の誰かに従魔術を覚えてもらい契約させる予定だったが、二重契約はできない。
街を出る前にグランに確認したところ、従魔は契約さえされていれば、契約者同伴でなくても、街に入ることができる。
ただし、問題を起こしたときは契約者に全責任がゆく。
「まぁ問題はないでしょう」
調合師と契約させたかった主な理由は、言うことを聞くのかどうかだ。
蓮が心配しているとユグドラシルが察したように言葉を続けた。
「この子はプラントドラゴンの中でも少し特殊な個体です」
プラントドラゴンは、世界樹の周辺にのみ生息する希少種。
その中でさらにステータスが高く、かつ身体操作というスキルで体を大きくしたり小さくしたりできる特殊な個体だそうだ。
「街に行く時への移動も、街の中での護衛もできます」
人語は話せないが、言葉を理解する知力と学習能力はある。
ステータスもドラコには届かないが、全体的に蓮と同等か、知力が1万を超えているため、それ以上と言える。
「私が言い聞かしておきますのでご安心を」
植物食で温厚な性格のため、危害を加えない限りは暴れることもないが、ユグドラシルが調合師3人の言うことを聞くように命令してくれるなら安心だ。
「ヒマワリ様。早速、名付けを」
「ひぃちゃん!」
腰に手を当ててプリプリと怒りながら向日葵がユグドラシルに呼び方を指摘した。
ユグドラシルは可愛さに悶えそうになりながら『ヒマちゃん様。名前をつけてください』と良くわからない呼称で言い直した。
「んー。はっぱ?ぷらぷら?」
葉で覆われているからといって葉っぱと呼ぶのは可哀想だ。
プラントドラゴンから取ってプラプラもまたしっくり来ない。
「葉の形が楓の葉に似てるからカエデはどうかな?」
見かねた桜が助け舟を出すと『かえでちゃん!』と言い気に入ったようだ。
青白い光がプラントドラゴンと向日葵を包み、名付けが完了。
「ひ、ヒマワリ様って……」
「う、うん。たぶん最強だよね」
「え、ええ。国……。いえ、世界を敵に回しても勝ててしまうでしょうね」
超生物に囲まれて楽しそうにはしゃぐ向日葵を見て、調合師の3人が言葉にした。
「過保護な兄と姉もお忘れなく」
蓮は冗談交じりに言うが、実際は冗談では済まない。
兄は、伝説級の魔物を単身討伐した人外級の戦闘能力を持つ蓮。
姉は、精霊ユグドラシルに成長すれば最強の魔法師とお墨付きの桜。
4歳児であるがため、成長や精神面での心配事は尽きないが、創造神の加護により怪我や事故などの安全面に関しては心配は要らない。
蓮の言葉に調合師3人は『そうですね』と笑みを浮かべ答えた。
「じゃあ早速やってみようか」
調合師に従魔術を覚えてもらう手間が省けたと思い、蓮はカエデと調合師だけで試すことにした。
そして4日後の朝には王都に向かうと言うこと。
蓮は用意した果物ポーションの受け渡しを済ませ、その後、グランに何点か確認。
さっそく大樹の家へ戻り、プラントドラゴンと調合師3人だけでポーション製造が可能なのかを確認することにした。
「それで。プラントドラゴンはどこにいるんですか?」
蓮は空を走りながら、ドラコが飛びながら持ち運ぶバスケットの中で機嫌良く向日葵を膝に乗せるユグドラシルに聞く。
昨晩の間に大樹の家の位置を共有し、来るように伝えているため、蓮達が帰宅するのと同じくらいには到着するそうだ。
「どんなドラゴンなんだろなぁ」
バスケットの中では女子会の様に、出店で買ってきた食べ物を広げて楽しそうに話をしている中、蓮は想像を膨らましていた。
蓮の知るドラゴンに植物系のドラゴンはいなかった。
ドラコと同じような硬い鱗に覆われた翼竜しか知らない。
想像していると、あっという間に大樹の家に到着。
「プラントドラゴンはどこから来るんですか?」
生息地は知られていないが、ランゲスト大陸の東部。
エルフの里があると言われている場所からさらに東側。
そこには世界樹と呼ばれる雲にかかるほど巨大な樹が存在し、その周辺にプラントドラゴンは生息している。
世界樹には、大樹の家とは比べ物にならないほど強力で巨大な結界魔法がかかっており、その周辺地域にはユグドラシルに認められた存在しか入ることができない。
大樹の家がある森の様に、人間だけが入れないのではなく、魔物も例外なく、ユグドラシルの眷属しか入ることはできないそうだ。
蓮がユグドラシルの話しに胸を躍らしていると、強い気配の接近を感じ取った。
「噂をすると来ましたね」
蓮が強い力の方向に視線を向けると、舞うように降り立ったのは、ユグドラシルの髪に似た新緑の葉で覆われた小さな竜。
体は樹の幹のようになっている。
小さいと言っても翼を広げれば3mほどあり、頭らか長く伸びた尾の先までも同じくらいはある。
ドラコやリルを見慣れているため小さく見えるが、元居た世界の感覚で言えば充分大きい。
「よくきましたね」
ユグドラシルがそう言うと、プラントドラゴンは『きゅるるる』と愛らしい鳴き声を発しながらユグドラシルに擦り寄った。
「ひぃちゃんもさわるぅ!」
怖いもの知らずの向日葵がユグドラシルの足元に駆け寄り、プラントドラゴンの葉を撫でる。
向日葵を溺愛するユグドラシルの眷属なだけあって、向日葵に対して敵を向けることはなく、自ら伏して撫でやすくした。
「あらあら」
ユグドラシルが蓮と桜を見た。
その表情に全てを察して蓮は顔を手で押さえた。
「え?どうしたの?」
「ひまちゃんが従魔にしちゃったみたい」
状況が読み込めない桜に、蓮は端的に答えた。
調合師の誰かに従魔術を覚えてもらい契約させる予定だったが、二重契約はできない。
街を出る前にグランに確認したところ、従魔は契約さえされていれば、契約者同伴でなくても、街に入ることができる。
ただし、問題を起こしたときは契約者に全責任がゆく。
「まぁ問題はないでしょう」
調合師と契約させたかった主な理由は、言うことを聞くのかどうかだ。
蓮が心配しているとユグドラシルが察したように言葉を続けた。
「この子はプラントドラゴンの中でも少し特殊な個体です」
プラントドラゴンは、世界樹の周辺にのみ生息する希少種。
その中でさらにステータスが高く、かつ身体操作というスキルで体を大きくしたり小さくしたりできる特殊な個体だそうだ。
「街に行く時への移動も、街の中での護衛もできます」
人語は話せないが、言葉を理解する知力と学習能力はある。
ステータスもドラコには届かないが、全体的に蓮と同等か、知力が1万を超えているため、それ以上と言える。
「私が言い聞かしておきますのでご安心を」
植物食で温厚な性格のため、危害を加えない限りは暴れることもないが、ユグドラシルが調合師3人の言うことを聞くように命令してくれるなら安心だ。
「ヒマワリ様。早速、名付けを」
「ひぃちゃん!」
腰に手を当ててプリプリと怒りながら向日葵がユグドラシルに呼び方を指摘した。
ユグドラシルは可愛さに悶えそうになりながら『ヒマちゃん様。名前をつけてください』と良くわからない呼称で言い直した。
「んー。はっぱ?ぷらぷら?」
葉で覆われているからといって葉っぱと呼ぶのは可哀想だ。
プラントドラゴンから取ってプラプラもまたしっくり来ない。
「葉の形が楓の葉に似てるからカエデはどうかな?」
見かねた桜が助け舟を出すと『かえでちゃん!』と言い気に入ったようだ。
青白い光がプラントドラゴンと向日葵を包み、名付けが完了。
「ひ、ヒマワリ様って……」
「う、うん。たぶん最強だよね」
「え、ええ。国……。いえ、世界を敵に回しても勝ててしまうでしょうね」
超生物に囲まれて楽しそうにはしゃぐ向日葵を見て、調合師の3人が言葉にした。
「過保護な兄と姉もお忘れなく」
蓮は冗談交じりに言うが、実際は冗談では済まない。
兄は、伝説級の魔物を単身討伐した人外級の戦闘能力を持つ蓮。
姉は、精霊ユグドラシルに成長すれば最強の魔法師とお墨付きの桜。
4歳児であるがため、成長や精神面での心配事は尽きないが、創造神の加護により怪我や事故などの安全面に関しては心配は要らない。
蓮の言葉に調合師3人は『そうですね』と笑みを浮かべ答えた。
「じゃあ早速やってみようか」
調合師に従魔術を覚えてもらう手間が省けたと思い、蓮はカエデと調合師だけで試すことにした。
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