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第二部
第28話 ※
しおりを挟むそして不意に下からエルーシアの体ごと力強く突き上げた。その不安定な体位に悲鳴と共にエデルに縋りついた。
「あぁあッ待ってッまだ脱‥」
「‥座位もいいでしょう?ご褒美だからッ何度でもッイってッ」
「イッ深すぎッて奥ッ壊れちゃッああぁんッ」
「くッ‥イイッすごくッハァッ」
不安定な体位にエルーシアの下腹部が力んで中のエデルをぎゅうぎゅうに締め上げる。じゅぶじゅぶと響く水音に、奥を穿つ度にギシギシと軋むベッドの音に二人の荒い息が被さる。
もっと、もっとエルシャの奥に———
「アァんッアアアァんッエデッ」
「ハァ‥エル‥キスして‥」
両手を後ろ手について腰を振るエデルの首に縋りつき震えるエルーシアが唇を重ねる。荒い息の合間に深く口づけ舌を絡め合う。口内にお互いの呻き声と嬌声がのみ込まれた。狂おしいほどの急速な射精欲にエデルはエルーシアの揺れる体ごと抱きしめる。
「出すよ‥中で受け止めて‥」
「ひぃんッアッアアァッ」
囁きと同時に下腹部を擦りつけ触れる陰核を刺激した。
「ヤッそれイッアアァンッ」
「———くぅッ」
涙を流しガクガクと震え達したエルーシアの奥深くに一層膨らんだ肉杭をねじ込む。痙攣する膣襞に締められながらエデルも熱い劣情を吐き出した。腰を振り子宮にもれなく子種を送り込む。
エルシャ、僕だけのものだ。
ここは僕だけの場所。僕だけが入れる———
独占欲。支配欲。庇護欲。さらにもっとそこ昏い何か。蕩けような痺れるような法悦がエデルの思考を奪う。その多幸感に目が眩みそうだ。
「エル‥」
自分の腕の中でぐずぐずに泣き腫らしたエルーシアの顔が愛おしい。エデルがその顔にキスの雨を降らせる。
あの廃屋での逢瀬が重なる。人目を憚り服も脱がずに愛し合う。必死で劣情に耐えた日々。まだ三ヶ月程しか経ってないのに遥か昔に感じられた。
「やっとあの頃の昇華ができた気がする」
「昇華?」
「結婚する前はエルシャを抱きたくて堪らなかった。あの頃の僕の怨念?ああもう‥ホントに幸せだぁ」
「私も‥」
可愛らしく擦り寄る愛妻にほぅとため息が出る。同時に灯る熾火のような慾情に、未だ膣内に埋められた自身がびくりと反応した。
異常にエルーシアに焦がれ惹きつけられる。もはや馴染みのこの底なしの淫欲にかつて脳内で鳴っていた警報もだいぶ前に消えていた。こうなるとここで終われない。ドレスを脱がせて押し倒して散々イかせて夜通し哭かせる。あのドレス姿を見た時の最初の妄想が頭をよぎった。
ああ、これはもう仕方がないな。今日はとことん付き合ってもらおうか。
腹が決まってしまえばじゃあさっそく、とエデルはロングコートの袖から腕を抜いて投げ捨てた。
「じゃあエルシャは僕の服を脱がせて」
「じゃあ?だってもう‥」
「もうちょっと時間がかかるけどエルシャをイかせてる間に僕も復活するから。ほらばんざーい」
エルーシアが素直に両手を上げたところでシュミーズを頭から脱がせた。そこでエデルの真意に気がつきエルーシアが全身真っ赤に茹らせ胸を覆い隠した。
「もうこれ以上はムリ!ここだと声が‥家に帰りましょう?」
「ここで帰るの?馬車の中がいい?別に僕はそれでもいいけど」
「いや!馬車もダメ!」
「じゃあここでだね。僕がもたない。声は我慢して。さっきも出来ていたよ。また上手に出来たらご褒美をあげようね」
悲鳴のように散々哭いていたがエデルはなかったことにする。熱にうなされたエルーシアは声を出していたことに気がついていない。そしてエデルがさらに哭かせる気満々であることにも。だがエルーシアはまだ躊躇いを見せる。淫奔に耽ってはいけないという倫理観と快楽の間で揺れている。
淫奔は罪深いと思っているのか。通じる前の方がいっそ快楽に従順だったな。修道女のように慎み深く清らかなエルーシア、あと一歩踏み出せば、そこから堕ちればもっと善いのに。仕方がないなぁ、ちょっとだけ助けてあげようか。
純粋ゆえにエルーシアの心の動きが手に取るようにわかる。そうと悟り笑みを浮かべるエデルがエルーシアを囲い込み悪魔のように囁いた。
「早く子供が欲しい。エルシャに似てきっと可愛いだろうなぁ。親族のおじいちゃん連中からも嫡子を作れってうるさいんだよね」
「私だって‥エデルの赤ちゃん欲しいわ」
「そうなんだ?たくさん?」
「もちろんよ」
「そう?じゃあ僕たちはもっともっと励まないとね?そうでしょう?」
「え?」
目を瞠るエルーシアにエデルは優しく顔を綻ばせた。
「子供はそう簡単には授かれないからね。できるまでは毎日かな?気持ち良くなると授かりやすいんだって。感じることは悪いことじゃないんだよ?だから恥ずかしがらないでもっと僕で感じてたくさんイって中に出させてくれる?」
そう耳元で囁けばエルーシアは真っ赤になって俯きこくんと小さく頷いた。
家を継ぐ子供を作る。感じれば授かりやすい。その言い訳でエルーシアが快楽に堕ちた瞬間だった。すでに情欲に溺れたエデルはそっと目を細めた。
ああ、これで存分にエルシャを愛することができる。僕だけのエル‥‥もう誰にも渡さない
「じゃあたくさん感じて愛し合おうね?早く子供欲しいからね、僕もエルシャの中にいっぱい注いであげる。あ、僕一人だと大変だから頑張れるようにエルシャにも色々手伝ってもらうよ?」
「お‥お手伝い?私が?」
「うん、やり方は教えてあげるから」
「私に出来るかしら?」
「大丈夫、出来るよ。エルシャが助けてくれれば何度だってシてあげられるよ」
手伝いの意味がよくわかっていないのかおずおずと自分を見上げるエルーシアの唇をエデルはするりと撫でた。
うっすら開いたそこからピンクの舌が覗く。蜜口同様に小さな口元、そこに太く滾るエデルを頬張るエルーシアの苦悶の顔とその至極の淫悦を思い浮かべエデルは恍惚の笑みを浮かべる。その可愛い舌で熱く舐られれば口内で果ててしまいそうだ。
ああ本当に、堪らないな‥‥
「大丈夫、エルシャは何も気にせず僕だけを愛していればそれでいいんだよ」
さあ、無垢な君と共にどこまでも淫楽に堕ちよう
何も心配いらないよ
全て僕がうまくやるから———
これから行われる淫戯にエデルは黒い笑みを深めエルーシアを優しく押し倒した。
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