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Ⅱ メガミ、俺。
011: 謎の胃痛(ハーレム?)
しおりを挟む俺はため息を落とし朝食を取るべくの着替えてポメと共に一階の食堂へ行く。朝の食堂はごった返していたが、俺の登場で一斉に客の視線が集まった。もうこれは仕方がない。可愛い俺が悪い。
フッ可愛いを極めるといっそ罪だな。
そうは言って色々と面倒くさくなってきた。観光地も温泉もあっていい街だったがそろそろ潮時か?
そんなことを考えていた俺に手を振るグループが目に留まった。
「ルキアスちゃーん、おはよー!こっちこっち!」
「あ!皆さんおはようございます♪」
俺はきゅるんと天使の笑顔で女性が集う席に駆け寄った。
なぜ男の俺がこんなに女性グループの席に自然に溶け込めているのか。
説明しよう!
この見た目のせいで俺は女の子に間違えられる。ズボン履いてても男装女子の扱いだ。温泉地ではもれなく女湯に誘導。流石にそれは勘弁してくれ!ということでポメがいるという言い訳で家族風呂を貸し切っている。そこでまあ思ったわけだ。
もう服装関係ないな。
こんなに間違われるならスカート履いてよくね?
女装ダメ!スカートは嫌だ!というプライドは俺にはない。だって俺、スカート似合うし。ルキアス(男)を探している英雄たちの追跡もごまかせるかもしれない。うん!きっとごまかせるに違いない!(願望)
つーわけで。
今俺はヒラヒラ青色のエプロンドレス風ワンピースを着用だ。控えめデザインでもいっそ上品で俺めっちゃ似合う!胸は当然絶壁ペッタンコだ。そこは期待するな。スカートの下はスパッツ装備。流石の俺も生足を晒す勇気はない。
おかげで食堂や店先で俺が男に絡まれそうになると近くにいる女性冒険者パーティが庇ってくれるようになった。ご飯にも呼んで貰えて俺はウハウハである。だがあくまでも俺は女子として参加している。故に男一人ハーレムではない。ハーレムと言うなら———
「ポメちゃん可愛い!抱っこしてもいいかしら?」
「キャーッ 私も抱っこしたい!」
ポメがモテモテである。
俺を差し置いてうらやまけしからんぞッ
僧侶と盗賊のお姉さん方にポメは大人しく抱かれているが実は心中汗ダラダラのガチガチである。女性といえども宿敵人族に魔狼が抱っこされてるからなぁ。とぉーってもキレイな金髪淑女風僧侶お姉さんに抱っこなでなでされていた。涙目ポメのヘイカタスケテ!オーラを俺は華麗に無視する。抱っこはアイドル犬の避けられないお仕事だ。
え?何が不満?むしろ喜べよ!羨ましいな!俺もキレイなお姉さんになでなで抱っこされたいなぁ
と、何故か急に胃のあたりがムカムカ。不快だ。
腹減りすぎて胃が荒れてる?早く何か食った方がいいな。
一昨日知り合った女性冒険者パーティのお姉さん方、英雄程ではないが相当に強いと見た。おそらくSランク。だが俺たちの正体には気がついていない。
「ルキアスちゃんは今日はどうするの?」
話しかけて来たのは魔導士でお色気美女のお姉さん。俺に最初に声をかけてくれた人だ。出るとこ出てるメリハリボディ!衣装も太ももスリットとか胸元チラリとか際どいし。健全な青少年の俺としては目のやり場に困りつつも色々目の保養!年上の女性はなんでこんなに色っぽいのかなー
って思ってたらなんか胃が?更にしくしく?
このお姉さん、俺の潜在魔力を見てあまりの強さに高位の魔導士と勘違いしたそうだ。スカウトしようと話しかけてみれば俺は非戦闘員だったと。俺の魔力を惜しまれて、もったいない!今からでも鍛えるべきだ!と強く勧められた。
今となっては俺も魔法ぐらい鍛えておいても良かったかなー、とも思うが。こんな展開予想してなかったし、これも結果論だ。
出てきたモーニングセットに上品に手を伸ばしつつ俺は令嬢スマイルだ。胃痛は食ったら治るかな?
「観光はし尽くしたのでお店を見て回ろうかなと思ってます」
「そうなんだ。気をつけてね。最近は物騒だから。ホントは女の子一人歩きも良くないんだよね」
「はい、気をつけますね。でも大丈夫です。ポメがいますし」
「やだ!ポメちゃん番犬?可愛すぎ~」
僧侶お姉さんから奪い取ったのか、ポメを抱っこしてる盗賊装備の黒髪ショートヘアお姉さんがケラケラ笑ってる。いやいや、お姉さんもすッごく可愛いです!マジ福眼だぁ!
そこでズンッと胃が決定的に重くなった。
ぐぅ?なんで?
「ウチら今日から討伐で森の奥に行くんだ。簡単な依頼だったら連れてってあげたんだけどね」
そう言うのはリーダーでイケメン剣士のお姉さん。赤い髪にやや地黒の肌が目を引く。こちらも美人でワイルド系。男相手でも押し強そうですね。是非奪われたい!俺を押し倒してくれ!
と、ここでキュゥッと胃が痛くなった。まるで内臓を鷲掴みにされたよう。イテテッ
なんだこれ?胃痛悪化してる。食べすぎてもたれたのか?この世界にも胃薬ってあるのかな?
メンバー全員美形。このパーティ、顔面レベルも高いな! まぁ顔だけならへなちょこ俺でも参加資格ありそう?
討伐っつーことは相手は魔族だろう。その討伐に魔王の俺が参加ってのも倫理に反するよな。キツい!怖い!危険!を避けるのも俺の信条なのでここは感謝の意を込めつつにっこり微笑んでスルーする。
「ありがとうございます。でも私では足手まといですし。どうぞお気をつけて行ってらしてください」
ここで胃の痛みがなぜかスッと消えた。
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