【完結】R18 オオカミ王子はウサギ姫をご所望です。

ユリーカ

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第二章 ウサギの教育編

第十九話 『挑む者に勝利あり』

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「アウル様酷いです!勝手にあんな返事して!どうするんですか?!」

 非公式お茶会を辞して部屋に戻ったアウル様の胸ぐらを思わず掴んでしまった。そんなアウル様は目を閉じて静かにため息をつく。

「あの展開では仕方がないだろう。遅かれ早かれお披露目は必要だ」
「せめて私の意思で行かせてくださいよ!!」

 王妃主催のお茶会の采配ホスト。失敗すれば王妃様の顔に泥を塗りかねない。凄いプレッシャーだよ!!
 私の苦情にアウル様はいつになくひたむきな表情だった。

「ここが行き所だ。茶会ならお前のフィールド。しかも王妃のハクがついている。このチャンスを最大限に生かすぞ。ここで一発ガツンとかませば誰も文句は言わないだろ?」
「采配したことないのに?何をガツンと?!意味がわかりません!!」

 そこでアウル様は胸ぐらを掴む私の手にそっと手を添えた。何かに追い詰められたように顔を顰めて見せる。

「‥‥すまない。怖いよな?だがここだけは堪えてくれ。お前が王太子妃になるためだ。お前を側妃や寵妃におとしめたくない」

 そしてするりとアウル様が私を抱きしめた。腕の中で聞くアウル様の言葉に私は目を見開いてしまった。

「アウル‥‥様?」
「ごめんな。これは俺のわがままだ。お前だけなんだよ」

 私を抱きしめるアウル様の手が震えていた。

「他の妻なんていらない。お前が王太子妃に、正妃にならないと俺はお前以外の妃を娶らなくちゃならないんだ。それは、それだけは耐えられない。もう俺たちは身動きできないところまで来ている。だからどうか‥‥」

 アウル様の掠れた声に私はその意味を理解した。

 私が王太子妃から逃げて側妃か寵妃になれば、別の誰かがアウル様の正妃になる。王妃様はあの時怯える私を正妃から外そうとしていたのだ。

 アウル様を誰かと共有するなんて。他の誰かにアウル様が触れるなんて。そんなの絶対嫌だ。そんなことになれば嫉妬で気が狂ってしまうだろう。

 この戦いは決まっていたことなんだ。
 アウル様の妻になると決めたあの時から。

 アウル様のその言葉に、私を抱きしめる暖かい腕の中でそっと目を閉じる。怯えていた心が嘘のように凪いだ。そしてアウル様を見上げそっと囁いた。

「私は何をすれば良いのでしょうか、教官?」

 アウル様がくしゃりと破顔した。
 大好きなあの笑顔だ。

「——それでこそ俺の愛しいウサギだ。『挑む者に勝利あり』。勝ちに行くぞ」

 目を細めるアウル様に私も微笑んで見せた。

 大丈夫、貴方のための戦いなら怖くない。
 あなたを手に入れるために勝ってみせる。必ず。





 お茶会の前にすべきことがあった。国王陛下、王妃殿下との謁見だ。
 先日の王妃様との面会は非公式。今回は公の場での公式行事だ。

 城にきて一ヶ月。やっと叶った謁見に噂が色々と飛び交ったが、内容はなぜか好感寄りだ。陛下の体調がすぐれなかったという内容がおおむねだったりする。
 よかったぁ、と呑気にそんな話をすればアウル様は事もなげに吐き捨てた。

「噂など情報操作だ。何も知りもしないで好き勝手ほざく奴にこの程度造作もない」

 唖然。情報操作って?
 あー、もう噂さえアウル様が掌握済みでしたか。この王太子に死角なしか。

 謁見でお会いした国王陛下は恐ろしくアルフォンス王子殿下にそっくりだった。アウル様は陛下とパーツが似てる?鼻とか?
 とても優しい穏やかな表情で私に歓迎のお言葉をくださった。陛下は以前よりお身体を壊されていて、現在はご公務の八割方をアウル様が担われているらしい。
 アルフォンス王子殿下はお手伝いという名目で王太子のお仕事をされているという。次期王太子の為の訓練も兼ねているのだろうが、兄思いの優しい殿下だ。



 そして謁見後にはアウル様とお茶会に向けて作戦会議。もう軍議のようです。

 参加予定者のプロフィールを集め好みを徹底的に解析。お茶会の出すメニューを絞り込む。そしてエキストラを集めお茶会の様子を再現しアウル様の前で私が采配ホストとして振る舞ってみせる。何だかお芝居をしているようだ。

「お前は現場への適応能力がいい。言葉で言うより体で覚えたほうがいいだろう。その方が不測の事態にも本能で反応できるだろうしな」
「本能?ですか?」
「お前の持ち味だ。格闘術でもそうだが、生命の危機時に動物的な勘が恐ろしく冴えている。生命維持のための本能だろう。茶会は貴族の皮を被った獣の群れだ。何か迷ったら本能で決めろ」

 わーい、私もとうとう野生動物扱いですか。
 まあ散々ウサギ扱いされてましたが、猛獣オオカミやんちゃ王子に言われるとなんとも複雑です。貴族の皮を被った獣っつーのも酷いディスりですね。

 そしてとうとう、王妃様主催のお茶会の日になりました。

 招待客は今回全員参加だそうだ。
 まあそうだろうね。事情はこうだ。



 私がファシアに到着して一ヶ月、アウル様が何もしていないはずはなかった。
 私の情報を国民と貴族の間に影を使ってばら撒いていたのだ。そんでもって私の姿絵を100枚作らせた。ウサギ耳の姿絵でシリアルナンバー刻印入りの100枚限定プレミアム仕様。それが秒で完売したらしい。

 その姿絵を見せてもらい私は絶句しましたよ。
まあ姿絵を盛るのはよくある話ですがね?なんだこの笑顔は?本人の許可なしに何をばら撒いちゃってるんですか!!

「誰ですかこれ?!詐欺はいけませんって!!」
「絵姿の補正はよくやる。これも全く嘘でもないぞ?お前は究極の時にこの顔をする」
「究極?」
「スイーツ食べて悶えてる時だ」

 げ?!こんな顔してる?!私はケーキ食べながらこんな幸せそうな顔なん?もうアホな子じゃん!!
 
 そしてこの策士王子は『天使の微笑み』というフザけた二つ名をつけて私の姿絵をばら撒きおった。もうね、恥ずかしすぎます。追加入荷は三ヶ月待ちという焦らし付きだ。
 姿絵が少ない、話題の姫を見たい、と人気に火がついたらしい。ウサギ耳というのも物珍しくてウケが良かったらしい。私のコンプレックスなのに、もう何がいいのか信じられないですが。

 そういうわけで、貴婦人の皆様は噂のウサギ姫に会える!と意気揚々でお茶会にお見えになるわけです。



 そして今朝、最後にアウル様の励ましのゲキが飛んだ。

「手は全て打った。あとはお前がぶちかますだけだ。己の力を信じて全力で行ってこい!お前なら出来る!!」
はい!教官サー、イエッサー!!!」

 この掛け声はアウル様から教えてもらった。上官に返事する時に使うらしい。何だかカッコよくて気に入っている。
 気合い十分の私にアウル様が嬉しそうな笑みをこぼす。

「まあ好きにやってこい。どんな結果でもどうにでもなるさ。最悪俺と駆け落ちすればいい」
「もう!ここに来て今さら甘やかしとかダメですよ!絶対勝ちます!むしろ駆け落ち狙ってません?」
「俺は別にお前とならどっちでもいいんだがな。気負うなよ」

 というわけでアウル様に闘魂注入頂き戦場にやって参りました!全員フルボッコで返り討ちにしてやる覚悟です!



 王妃様が満面の笑みでお茶会にお見えの皆様にお言葉を下さった。

「今日は皆さんご機嫌よう。お会いできて嬉しいわ。どうぞ楽しんでらして。今日はお楽しみがもう一つありますものね」

 そうして王妃様は扇の中でほくそ笑んで背後の私に視線を投げた。

「本日のお茶会の采配ホストをいたしますノワゼットです。どうぞ皆様宜しくお願い申し上げます」

 王妃様の背後で淑女に礼をとりながら私はおっとりと微笑んだ。もちろん話題の耳はちゃんと晒している。アウル様から男に絶対触らせるなと厳命は出たけどね。毎度の執着耳フェチ、ブレないなぁ。

 一時は私の劣等感コンプレックスだったのに、厄介ものだと思っていたウサギ耳がこんな武器になるなんてね。感慨ひとしおです。

 鬼教官アウル様からは初回の挨拶でぶっ飛ばせと言われてますが、こんなので効くんかいな?



 私は王太子の婚約者だがまだ王族ではない。そこら辺上げすぎず下げすぎずでも控えめに、それでいて愛らしく幸せそうに、と難しいラインコントロールをアウル様に要求された。

「む‥‥難しい」
「当日は直前に仕上げるから大丈夫だろう」
「直前?」
「当日差し入れるから必ず食えよ」

 そして先ほど大好物のダブルチーズケーキを頂きましたよ。

 もう至高!至福!ここは楽園?お茶会直前でこんなに幸せでいいのか!!このケーキ作った人はマジでカリスマパティシエだ!悶え死にそうだよ!!

 その幸せ余韻のまま挨拶をしたせいか、参加の貴婦人マダム方からは衝撃からの感嘆の声が漏れた。

「まぁあれが噂の『天使の微笑み』ですね。なんて愛らしい!」
「本当に。こちらまで幸せになりそうですわね」
「あの耳もなんて可愛らしいこと。癒されますわぁ‥‥」

 ‥‥ごめんなさい。ケーキ食べて昇天したただの食いしん坊なだけです。


 そしてお茶会スタートです。

 ケーキやお茶の様子に気を配りながら皆様にご挨拶をします。アウル様がばら撒いたおかげで私のプロフィールはほぼ知れ渡っていた。問題は私の黒歴史、引きこもり時代だ。そこを弄られると辛いのだが。

 アウル様はうまくやっといたと言っていたけどどういう意味だろう?

「ノワゼット王女殿下、本当にお辛かったでしょう?」

 ある貴婦人が心痛を表情にたたえて話しかけてきた。

 ん?なにが?

「ずっとアウレーリオ王子殿下をお慕いしていたのに途中お会いできない時期があって、辛い恋心から床に着いてらしたと伺いましたわ」
「そうそう!アウレーリオ王子殿下が王政代行なさっていらした時期ですわ。仕方がなかったとはいえ離れ離れはお辛かったでしょう?お察しいたしますわ」
「ありがとう‥ございます」

 私はそこで全てを理解し曖昧に微笑んで見せる。

 あンのエロ王太子!引きこもりを私がアウル様に恋焦がれてた設定にしやがったな!

 あの頃はさ、月に一度程度だったけどアウル様が会いに来てくださっていた頃でさ、王政代行でそれがなくなって当時しおらしかった私は随分と寂しい思いをしたもんだったけどさ。まあ‥‥寂しかったのは事実だ。だが恋焦がれてたのとは違う!
 時期もズレてるのに無理矢理ねじ込みやがったな!

 きっとあの男はデレた顔でこれを仕込んだに違いない。その様子を想像すればさらに腹が立った。立ったがね!

「私に出来たことは殿下を信じてお待ち申し上げるだけでした。お優しい殿下は迎えにいらして下さいました。お待ち申し上げて本当によかったです」

 涙を浮かべて微笑んで見せる。
 ここは全力で乗っかれと本能が囁いた。

 ご婦人たちは恋バナ大好き。悲恋ならば大好物だ。悲しそうに、でもとっても美味しそうに悲恋話をする。ここまで浸透してたら話合わすしかないじゃん!なんの嫌がらせよ?!屈辱だ!!

 だがこの悲恋話のウケが大変良く、後日歌劇になったとかならなかったとか。

 すべての事情をご存知の王妃様は扇の影で体を震わせて爆笑中だった。



 準備したケーキもお茶も大好評だった。

 ケーキは複数の種類を用意して小さく四角くカット。これで色々な種類をちょっとずつ食べられるというケーキ天国だ。スイーツ大好きな私が組み合わせ食べ合わせいろどりを厳選した渾身のケーキです。

 紅茶は二種類用意した。ミルクも合うダージリンに香り高いアールグレイ。アールグレイはドライフルーツ入りでフルーツフレーバープラスだ。ケーキを食べ終わってお喋りのお供にぴったりなお茶なのだ。

「今日はとても楽しかったわ。対応も危なげなかったし。また采配をお願いしようかしら?」
「ありがとうございます」
「‥‥どうやら吹っ切れたようね。よかったわ」

 王妃様はそれはとても嬉しそうに微笑まれた。

「出来る子でよかったわ。可愛いウサギ姫もいいけど可愛い嫁が欲しかったのよ。これであのバカ息子も喜ぶわね」

 というわけでお茶会は大成功で終えることができたのだった。何とかうまくいって私は内心安堵の息をついていた。

 このお茶会以降、私はその後王妃殿下主催の茶会の采配を任されるようになった。王妃様のお墨付きを得られたわけだ。私に後ろ盾がついたとも言える。



 しかし真の敵はまだ私の側に留まって静かに私の様子を窺っていたのだった。
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