ネガティヴ・カラーズ

マインドフルネスERA

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プロローグ

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――これは、夢だ。
いつからか僕は同じ夢を見るようになった。もう幾度も同じ夢を見ているが不思議とうんざりしてこない。だが、その夢は心が落ちつけるようなようなものではない。
――夢の中で気がつくと僕は腰が抜けており、身動きが取れなくなっている。
周囲は沢山の瓦礫で埋め尽くされ、いつも通っていた高校は跡形もなく崩壊している。その瓦礫からは土埃と焼け焦げた臭いが漂い、息苦しさを感じさせる。
ふと、自分の手に生暖かい液体が触れ、確認する。両手には生暖かくて赤い液体がベッタリとついてしまっており、自分の脈が強く打ち始め、呼吸が乱れる。
その液体が流れ出した方を目で追う。液体の出どころと思われる場所には僕の同級生たちが倒れていた。
すぐに逃げよう、そう思い、辺りを見回す。
――しかし、四方八方には火柱が上がっており、逃げ道なんかなかった。僕はその場で体に力を込め、何とか動こうとする……が、手足には全く力が入らず、ただ周りを呆然と見渡すことしかできない。
そんな絶望的な状況の中、後ろに気配を感じ振り返る。
……瓦礫の上には中学生くらいの美しい少女が立っていた。着ている白いワンピースは返り血を浴びたのか、所々赤く染まっている。その中学生くらいの少女は艶やかな金髪をしており、きしゃな身体だった。少女は空を見つめ、僕にこう問いかける。
――「それでも……貴方は愛し続けられますか?」と。
少女は寂しそうな透き通った青色の目で僕の目を見つめてくる。
幾度も同じ言葉、同じ情景を見ている僕はこの夢の状況が理解できなくても不安や恐怖と言った感情は持たなくなっていた。
少女の問いに対し、「君はなんでそんな悲しそうなんだよ」と、いつも聞き返す。
少女に話しかけると殺伐とした風景が突如何もない白い空間へと変わる。
……この空間になる、ということはそろそろこの夢が覚め、現実へと戻ることだと僕は知っている。そして、僕の目の前には紫と黒を混ぜた合わせたような色の霧が突如として現れ、僕の身を包み、徐々に意識が薄れていった。
――「起きてください、朝です朝です、起きてください……」スマートグラスのAIが7時半になることを伝えている。
「ん?あーあ……今日もまた聞けなかったかぁ……」
信はは独り言をこぼし、寝返りを打つ。右手を伸ばしスマートグラスに触りアラームを止める。そのまま布団で横になり、考える。いつも見ている夢についてだ。
夢の少女はサラサラな金髪ヘアー、身長は150cmくらいだろうか。自分はその少女に全く見覚えがないのだが……なぜかその声はどこか懐かしく、誰かに似てるような気がしてならない。小さい頃から夢は見るタイプであったが、高校に入学してからはほぼ同じ夢ばかり見ている。この夢を見るようになってから、しっかりと寝られてないのかいくら寝たとしても眠気を感じ、体が少し重い。
自分が朝得意でないことも重なり、遅刻することも増えてしまった。そんなことを考えながらスマートグラスを左耳に装着する。
時刻は既に7時55分となっていた。高校に行くには8時前に身支度を済ませて出発しなければ門限には間に合わない。
「さて……今日はどうやってサボるかなあぁ」と、あくびをしながら独り言を呟き、部屋の天井を空虚に見つめながら二度寝するにした。
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