ネガティヴ・カラーズ
感情能力<イモーションアビリティ>に目覚めてしまった少年、刻国 信(コクグニ シン)。
ーー信の目的はただ一つ。
「感情能力をこの世から完全に消し去ること」
信が感情能力に目覚めたのは、「イモーション・インパクト事件」に巻き込まれた時、当時は7歳であった。
この事件により、信の生活は一変した。
感情能力事件史上、最も犠牲者が多かった事件だった。
信の友人達や実の母親はその事件の犠牲者となり、遺体すら残らなかった。
信と散歩していた父親の刻国零次(コクグニ レイジ)は信を庇ったことにより、負傷。
彼の父親は感情能力の扱いに長けており、その仲間達も優秀であったため、彼らが事件対応に尽力することになる。
イモーション・インパクト事件は数時間後に無事解決……したはずだった。
ーー事件から数日後、なぜか世間は信の父親をイモーション・インパクトを起こした張本人だと決めつけ、連日に渡り報道し、零次は証拠が無いまま逮捕されてしまった。
父親が逮捕後、信にとって最も辛い日々が始まる。
大好きだった父が帰ってくる日をいまか今かと待っている間、信は村八分の扱いを受けた。
周りからは「悪魔の子」、「犯罪者の息子」、「早く消えろ」などと言われ、家には張り紙がされる。町を歩いただけで生ゴミや石を投げつけられた。小学校に行くと誰からも話しかけられなくなった。
そんな中、零次の親しい知り合いだったという統國家に引き取られてからは転校し、感情能力に目覚めた青少年が通う保護学校で児童期間は過ごした。
その学校を卒業後、5年間も冤罪で囚われた父親はようやく無罪だと判決され、自宅に帰ってきた。
ーー帰ってきた父親はもうすでに信の知っている父ではなかった。
髪の毛はボサボサでほとんど白髪になり、身体の至る所にミミズ腫れがあった。引き締まっていた身体は痩せ細り、何か話しかけても表情を何一つ変えずに返事をし、昔のように遊んではくれなくなった。
また、感情能力の後遺症により、ほとんどの感情が消え去っていることに加え、5年間拷問を受けていた様子だったのだ。
「なんで自分の父はこんな目に遭わないと行けないのか」
「なんで自分は他の人たちのように普通に生活できなかったのか」
「なんでこんな能力のせいで自分たちがイジメられなきゃ行けないのか」
信の感情はドス黒く渦を巻き、自分の世界に感情能力を創った者への復讐を決意するのだった。
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