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1章 感情能力試験編
喫茶店での対談
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頭で考えたことが会話になるエリスの能力に新鮮であった鉄と花は楽しそうに話していた。その2人がエリスにたくさん話しかけているため、信が話に入る隙はなかった。
最初は花と鉄の勢いに押され気味のエリスであったが、すでに2人とは打ち解けている様子だった。
「さすがだよなぁ」
信は鉄と花に改めて感心していた。
花はクラスの中でもコミュニケーション能力がズバ抜けている。一方、鉄は妹がいる。年下女子の扱い、会話には慣れていそうだった。信の隣に座っていた花はいつの間にかエリスの横に座っていた。
「そうなんだ!その服駅前の店に売ってたんだ!かわいい!」
「結構いい値段するところだろ?すげぇな!」
花や鉄に話しかけられ、エリスは少し嬉しそうな顔になっていた。周囲の人から見たら4人の学生が座ってケーキを食べながら何も喋らず、にこやかに見つめ合っているという状況になっているだろう。
しかし、幸いなことに店に他の客はいなかったため、そのような懸念は必要ない。店に入ってからおそらく20分くらいは経っている。
……その間に信が聞けたことは歳が16歳で1個下ということくらいだ。
あとは鉄が好きなタイプだのどんな食べ物が好きだの、どうでもいいことを聞いていた。花は着ている服のブランドやよく行くお店について、聞きまくっている。
ーーそうえば、花には妹がいたと聞いたことがある。7年前の事件で亡くなってしまったらしいが。
……もし花の妹が生きていたとしたら自分たちに加わり、こうやってケーキを一緒に食べていたのかもしれないな、と信は思った。
2人がエリスにたくさん話しかけていたため、ふと自分は夢の事を思い出していた。いつも見る悲しげな表情をした少女、瓦礫と倒れている同級生、燃えた建物とそこから登る黒い煙、動くことのできない自分。
……あのいつも見る夢は一体何なのだろうか。そんな事を考えていた時、エリスがこちらを見ていることに気がつき、信もエリスを見た。
――「っ!?」
信はエリスの目を見て冷や汗が出始める。エリスの目は、先ほどまで2人と話していた時の目とはまるで違っていたからだ。顔も真顔になっておりただただ信の目を見つめており、まるで頭の中から今までの過去を直接覗かれているような感じがした。
その目を見て信は急に気分が悪くなり、咄嗟に微弱な感情オーラを全身に回らせる。そこで先ほどまで聞こえていた3人の声が聞こえなくなり、だいぶ気分が楽になってきた。
そんな信の様子に花は気がついた。
「信くん、大丈夫?ケーキ食べ過ぎた?」
こちらを見て話してくる。いや、俺はビターチョコレートケーキを2個しか食べていない。おそらくエリスが急に能力で干渉してきたのだろう。
「いや……そうかもしれないな、ちょっとトイレ行くわ」
そう3人に言って信は立ち上がり、トイレへと使った。
――「ふぅ……なんだったんだ?あの目は……」
信はトイレを済ませたあと軽く顔を洗い、ハンカチで顔を拭いていた。
ふぅ、ともう一度信はため息をする。
今思えば朝から色々なことがあり、体は疲れ切っていたことに気がつく。早く家に帰って風呂に入って寝たい、そう考え、トイレから出た。
扉を開けると目の前には花がいた。「あ!信くん、さっきエリスちゃんが用事を思い出したからって帰ってったよー私お手洗い行くからお店の前で待ってて~」
信にそう伝え、花はトイレに入る。店から出ると入口の横で鉄が待っていた。「エリス嬢ならお会計したあとすぐ帰ったぞ」
鉄が信に話しかけた。まだエリスには聞きたいことが山ほどあったが……なんだか体が気怠い。そのため、信はそうかと言い、花を待つことにした。
――カランコロン――
花が店から出てきたため、3人はそのまま自宅へと帰宅した。
最初は花と鉄の勢いに押され気味のエリスであったが、すでに2人とは打ち解けている様子だった。
「さすがだよなぁ」
信は鉄と花に改めて感心していた。
花はクラスの中でもコミュニケーション能力がズバ抜けている。一方、鉄は妹がいる。年下女子の扱い、会話には慣れていそうだった。信の隣に座っていた花はいつの間にかエリスの横に座っていた。
「そうなんだ!その服駅前の店に売ってたんだ!かわいい!」
「結構いい値段するところだろ?すげぇな!」
花や鉄に話しかけられ、エリスは少し嬉しそうな顔になっていた。周囲の人から見たら4人の学生が座ってケーキを食べながら何も喋らず、にこやかに見つめ合っているという状況になっているだろう。
しかし、幸いなことに店に他の客はいなかったため、そのような懸念は必要ない。店に入ってからおそらく20分くらいは経っている。
……その間に信が聞けたことは歳が16歳で1個下ということくらいだ。
あとは鉄が好きなタイプだのどんな食べ物が好きだの、どうでもいいことを聞いていた。花は着ている服のブランドやよく行くお店について、聞きまくっている。
ーーそうえば、花には妹がいたと聞いたことがある。7年前の事件で亡くなってしまったらしいが。
……もし花の妹が生きていたとしたら自分たちに加わり、こうやってケーキを一緒に食べていたのかもしれないな、と信は思った。
2人がエリスにたくさん話しかけていたため、ふと自分は夢の事を思い出していた。いつも見る悲しげな表情をした少女、瓦礫と倒れている同級生、燃えた建物とそこから登る黒い煙、動くことのできない自分。
……あのいつも見る夢は一体何なのだろうか。そんな事を考えていた時、エリスがこちらを見ていることに気がつき、信もエリスを見た。
――「っ!?」
信はエリスの目を見て冷や汗が出始める。エリスの目は、先ほどまで2人と話していた時の目とはまるで違っていたからだ。顔も真顔になっておりただただ信の目を見つめており、まるで頭の中から今までの過去を直接覗かれているような感じがした。
その目を見て信は急に気分が悪くなり、咄嗟に微弱な感情オーラを全身に回らせる。そこで先ほどまで聞こえていた3人の声が聞こえなくなり、だいぶ気分が楽になってきた。
そんな信の様子に花は気がついた。
「信くん、大丈夫?ケーキ食べ過ぎた?」
こちらを見て話してくる。いや、俺はビターチョコレートケーキを2個しか食べていない。おそらくエリスが急に能力で干渉してきたのだろう。
「いや……そうかもしれないな、ちょっとトイレ行くわ」
そう3人に言って信は立ち上がり、トイレへと使った。
――「ふぅ……なんだったんだ?あの目は……」
信はトイレを済ませたあと軽く顔を洗い、ハンカチで顔を拭いていた。
ふぅ、ともう一度信はため息をする。
今思えば朝から色々なことがあり、体は疲れ切っていたことに気がつく。早く家に帰って風呂に入って寝たい、そう考え、トイレから出た。
扉を開けると目の前には花がいた。「あ!信くん、さっきエリスちゃんが用事を思い出したからって帰ってったよー私お手洗い行くからお店の前で待ってて~」
信にそう伝え、花はトイレに入る。店から出ると入口の横で鉄が待っていた。「エリス嬢ならお会計したあとすぐ帰ったぞ」
鉄が信に話しかけた。まだエリスには聞きたいことが山ほどあったが……なんだか体が気怠い。そのため、信はそうかと言い、花を待つことにした。
――カランコロン――
花が店から出てきたため、3人はそのまま自宅へと帰宅した。
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