ネガティヴ・カラーズ

マインドフルネスERA

文字の大きさ
20 / 28
2章 ショッピングモール占拠編

植物使いの女

しおりを挟む
冷華を加えた4人は3階は続く扉の前で立ち往生していた。
「これじゃ進めないよぅ」
3階の扉は草の根や茎が生い茂り、開くことができなくなっている。
「中の状況がこの植物で見えにくくなってる、さっきまでは犯人見えたけど今は確認できなくなってる」
エリスが3階を透視し、3人に伝えた。
「これは、感情能力により封鎖されたのね。でもこれくらいなら……信?
冷華が信に指示を出す。
「かしこまりました」
信は瞬時に応え、悪魔色の感情オーラが扉を包み込んだ。
緑だった植物がドス黒い色になり、床にぼたぼたと落ちる。
だか、おそらくこれに犯人たちは気がついたはずだ。
すぐに4人は戦闘態勢に入る。
ーー「あ、花さんって結構攻める下着つけてるんですね」
エリスがしゃがんでいた花のスカートの中を見てしまう。
思念で思考を繋いでいたため、それは全員に聞こえてしまう。
「は!へ?エリスちゃん!?こんな時に何言ってんだよぅ!?」
花が慌ててスカートで隠す。
そんなやりとりが信の頭に響いた。
無意識に信は後ろを見ようとしてしまう。
「伏せて!」
冷華が叫んだ。
扉の内側から銃弾の様な何が突き抜けてきた。
それを冷華の感情能力で全て凍結させる。
「これは……植物の種ね」
冷華は飛んできた種の一つを掴み、確認した。
信たちに向かって飛んできたのは鉄の扉をも貫く種子だった。その種子は後ろを向いた信の後頭部の直前で氷漬けとなっている。
「どうやら、もうバレているようね」
エリスがすぐに透視し、中を確認する。
犯人の輪郭が赤く見える。中には3人おり、こちらを向いていた。
「信?次は油断しないようにね」
鋭い目で冷華は信に警告した。
「申し訳有りません、男のさがっていう」
信が何か言いかけたところで犯人の声が聞こえて来る。
「くらえくらぇーー!!」
犯人の声と共にフラワーショップで売られていた植物が一斉に信たちの方向を向いた。
あらゆる植物の種子がものすごいスピードで飛び出る。信はすぐに冷華の前に立ち盾になろうとした。
ーーしかし、種子は信たちには当たることはなかった。
信たちの数メートル前方、種子は空中で動きを止めている。エリスの能力だ。
「私に飛び道具を使ったこと……それがあなたたちの終わらせる」
エリスは右手でパチン、と指を鳴らした。
その種子は犯人の方へ勢いよく飛んでいった。
「ぐはぁっ!」
「うわぁーー!」
犯人の叫び声が聞こえた。その声の方向に信たちは向かう。
犯人たちには無数の種が食い込み、倒れている。集合体恐怖症の人が見たら吐き気がしそうだった。
「うわぁ~敵さん蜂の巣だよぉ」
花が犯人をツンツン触りながら物騒なことを言った。
「1、2……!?」
冷華とエリスは犯人が2人しかいないことに気がついた。
突如、植物のツルが女子3人の全身に絡みつく。信は感情オーラで防ぐ。
「わぁ!これどんどんきつくなってくよぅ」
「このツル、感情能力をわ!」
ツルは徐々に女子3人を締め付けていく。
どうやら、感情能力を発動しようとするとツルに吸われてしまうようだ。エリスの思念が途切れている。
「フフフ、やっと捕まえたわ」
植物の影から声のがらついた、胸元が大胆に開いた赤いドレスを着た女性が現れる。顔は大きな葉っぱの仮面でわからない。
「どうやら、捕まらなかったのは君だけのようねボーイ、フフフ」
その女は信を見つめながら舌舐めずりする。
そんな中、信は後ろで捕まった花に話しかけた。
「とりあえず、花は自分で抜け出せるだろ?」
「うへへ、バレたよぅ」
花は自分を捕らえていたツルを掴み、ブチブチと音をたてながら引きちぎった。
「何!?その植物は感情を吸い取るのよ!」
犯人の女は花の姿を見て狼狽えた。
あっという間に花は全身のツルを千切った。
「ここは花にお任せだよぅ」
花が珍しくやる気になっていた。花は自分の胸に左手を入れ、感情武器イモーションウエポンを取り出す。それを犯人の女の方へ向ける。
国栄製の超小型リボルバーだ。
「段数は3発……その3発であなたは倒される」
花の態度や声音が急変する。花は戦闘時性格が変わるタイプなのだ。
「信は皆をお願い、ここは花が引き受けるわ」
「なぁ花、お前結構攻める下着付けてるって本当?」
信は全く空気の読まない事をほざいた。
「別に今日のはそこまで攻めていないわ……後で見てみる?」
「信、性格変わってる花さんに何言ってるの?」
冷華がゴミを見るような目で信を見つめた。
「それじゃ、任せたわ、信」
花は犯人に向かって走り出したのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません

藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。 ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。 「君は分かってくれると思っていた」 その一言で、リーシェは気づいてしまう。 私は、最初から選ばれていなかったのだと。 これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。 後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、 そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

居候と婚約者が手を組んでいた!

すみ 小桜(sumitan)
恋愛
 グリンマトル伯爵家の一人娘のレネットは、前世の記憶を持っていた。前世は体が弱く入院しそのまま亡くなった。その為、病気に苦しむ人を助けたいと思い薬師になる事に。幸いの事に、家業は薬師だったので、いざ学校へ。本来は17歳から通う学校へ7歳から行く事に。ほらそこは、転生者だから!  って、王都の学校だったので寮生活で、数年後に帰ってみると居候がいるではないですか!  父親の妹家族のウルミーシュ子爵家だった。同じ年の従姉妹アンナがこれまたわがまま。  アンアの母親で父親の妹のエルダがこれまたくせ者で。  最悪な事態が起き、レネットの思い描いていた未来は消え去った。家族と末永く幸せと願った未来が――。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

妹の仇 兄の復讐

MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。 僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。 その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

処理中です...