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3章 サバイバル林間学校編
国島と信
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「えっ!?国島さんって22歳なんですか?」
「何その反応ーわ、ちょっと老けて見えたのかい?」
信と国島は何気ない世間話をしていた。
国島は腕時計を見て時刻が22時半を過ぎていたことを確認する。
「おっとーー、これ以上信くん話してたら夜が明けちゃうな」
国島はベンチから立ち上がり、夜空を見上げる。
「そうそう、一応注意しておくけど、これからは感情オーラを不必要に出さないようにね」
「はい、すみません」
信は素直に謝った。
「それじゃあ、またどこかで」
国島は歩き始め、信も立ち上がった。
ーー満月があたりを照らし始め、月の光が国島に差しかかる。
「あ、そうそう信くんさーー」
国島が踵を返す。
その言葉を聞き終わる前に信の体は無意識に後ろへと下がらせていた。
「……どういうつもりですか?国島さん!」
足元付近の地面が深く鋭く横一線に薙ぎ払われていた。
「さっすがにそんだけ喰っていれば感情能力への対処は速いねぇ!」
国島はヘラヘラしながら感情武器を右肩に乗せる。それに信は目を向けた。
「日本刀!しかも最新式のイモーションウエポンかよ!」
信はすぐに身構えた。国島の斬撃を避けれたのは偶然だったからだ。
信は全身に力を込める。感情オーラを放出し、前方に集中させる。
「おっとっと……すぐさま対処について考えて実行する思考力、と言うか経験値までもあるのかい?」
国島は信のスムーズな対応を見て感嘆する。
「それじゃあ……」
国島はニヤリと笑い、姿勢を低くしながら刀身を鞘に納める。刀身が全て収まる音が聞こえると国島から感情オーラが漂い始める。
今の信に国島の斬撃を防ぐ術はない。
「国島……さん、貴方の先程の御身分を考えるとこんなことやっていいわけないですよね!?」
信の言葉に国島は即答する。
「何言ってるんだい君?そこらへんの感情犯罪者よりも悪魔色の感情オーラしてるくせにさぁ」
「っ!」
月の光が雲に遮られ、信の表情に影が落ちる。
「君、なんで感情能力は使おうとしないの?」
「……」
「答えない、答えられないってことは、使えないのかな?」
国島は言い終わると脚に力を込め地面を蹴った。
信の目の前まで近づく。
「っ!なんだ……それは」
国島は信の姿を見て動きを止めた。
信の背後から放たれていた感情オーラは影よりも黒い。そこから、無数の腕が出現しようとしていた。
「うわぁ……キッショいなぁこりゃ何十人って単位じゃないなぁ」
「……は何も」
「へ?何て?……ま、君は一回署に連行させてもらうとするよ」
国島は本部へ連絡するために胸ポケットに入っているスマートグラスを出そうと右手を入る。
「僕は、何もしてないっ!」
地面に信の感情オーラが滴り、いつのまにか国島の足元まで沼のようになっていた。
そこから、無数の腕が現れ始める。
小さい子どもの手から老人のようなシワのある手、ゴツゴツとした男性のような手などがその沼のような感情オーラから這い出る。
手が国島の足を掴む。
「ぐっう、うわあぁぁあ!体の力が、抜ける、」
国島は悲鳴を上げる。体から力が抜けていくのがわかった。
右手で刀を抜き、その掴んでいる腕を切る。
切った腕は信の感情オーラに吸い込まれていった。
途端、感情オーラの沼が空き地全体に広がる。腕が這い出ると同時にうめき声が聞こえだす。
国島はスマートグラスを慌てて取り出し、西国彩に通信する。
彩はワンコールで繋がった。
「はい、西国です。100%くらい事件かしら?」
「はい、西国先輩!緊急事態です悪魔色した感情能力者と戦闘中でして……ヘルプ頼みたいんです!」
「悪魔色?……ねぇ、あなたまさかだけど、刻国信って子どもとやりあってないわよね?」
「さすが先輩知っていましたか!?そいつです」
「……はぁーー、あなたその戦闘直ちに辞めなさい、ってか早く逃げないと国島くん、あなた死ぬわよ?」
「西国先輩!?助けてくれないんすか!」
「あなた、今超国家機密情報特定感情能力者を相手にしちゃってるのよ、私は100%動くことはできないわ」
その言葉を最後に彩は通信を切った。
「くそ!なんでこんな悪魔色のやつが逮捕してされてねーんだよ」
国島は嘆きながら無数の腕を薙ぎ払い、空き地から離れるのだった。
「何その反応ーわ、ちょっと老けて見えたのかい?」
信と国島は何気ない世間話をしていた。
国島は腕時計を見て時刻が22時半を過ぎていたことを確認する。
「おっとーー、これ以上信くん話してたら夜が明けちゃうな」
国島はベンチから立ち上がり、夜空を見上げる。
「そうそう、一応注意しておくけど、これからは感情オーラを不必要に出さないようにね」
「はい、すみません」
信は素直に謝った。
「それじゃあ、またどこかで」
国島は歩き始め、信も立ち上がった。
ーー満月があたりを照らし始め、月の光が国島に差しかかる。
「あ、そうそう信くんさーー」
国島が踵を返す。
その言葉を聞き終わる前に信の体は無意識に後ろへと下がらせていた。
「……どういうつもりですか?国島さん!」
足元付近の地面が深く鋭く横一線に薙ぎ払われていた。
「さっすがにそんだけ喰っていれば感情能力への対処は速いねぇ!」
国島はヘラヘラしながら感情武器を右肩に乗せる。それに信は目を向けた。
「日本刀!しかも最新式のイモーションウエポンかよ!」
信はすぐに身構えた。国島の斬撃を避けれたのは偶然だったからだ。
信は全身に力を込める。感情オーラを放出し、前方に集中させる。
「おっとっと……すぐさま対処について考えて実行する思考力、と言うか経験値までもあるのかい?」
国島は信のスムーズな対応を見て感嘆する。
「それじゃあ……」
国島はニヤリと笑い、姿勢を低くしながら刀身を鞘に納める。刀身が全て収まる音が聞こえると国島から感情オーラが漂い始める。
今の信に国島の斬撃を防ぐ術はない。
「国島……さん、貴方の先程の御身分を考えるとこんなことやっていいわけないですよね!?」
信の言葉に国島は即答する。
「何言ってるんだい君?そこらへんの感情犯罪者よりも悪魔色の感情オーラしてるくせにさぁ」
「っ!」
月の光が雲に遮られ、信の表情に影が落ちる。
「君、なんで感情能力は使おうとしないの?」
「……」
「答えない、答えられないってことは、使えないのかな?」
国島は言い終わると脚に力を込め地面を蹴った。
信の目の前まで近づく。
「っ!なんだ……それは」
国島は信の姿を見て動きを止めた。
信の背後から放たれていた感情オーラは影よりも黒い。そこから、無数の腕が出現しようとしていた。
「うわぁ……キッショいなぁこりゃ何十人って単位じゃないなぁ」
「……は何も」
「へ?何て?……ま、君は一回署に連行させてもらうとするよ」
国島は本部へ連絡するために胸ポケットに入っているスマートグラスを出そうと右手を入る。
「僕は、何もしてないっ!」
地面に信の感情オーラが滴り、いつのまにか国島の足元まで沼のようになっていた。
そこから、無数の腕が現れ始める。
小さい子どもの手から老人のようなシワのある手、ゴツゴツとした男性のような手などがその沼のような感情オーラから這い出る。
手が国島の足を掴む。
「ぐっう、うわあぁぁあ!体の力が、抜ける、」
国島は悲鳴を上げる。体から力が抜けていくのがわかった。
右手で刀を抜き、その掴んでいる腕を切る。
切った腕は信の感情オーラに吸い込まれていった。
途端、感情オーラの沼が空き地全体に広がる。腕が這い出ると同時にうめき声が聞こえだす。
国島はスマートグラスを慌てて取り出し、西国彩に通信する。
彩はワンコールで繋がった。
「はい、西国です。100%くらい事件かしら?」
「はい、西国先輩!緊急事態です悪魔色した感情能力者と戦闘中でして……ヘルプ頼みたいんです!」
「悪魔色?……ねぇ、あなたまさかだけど、刻国信って子どもとやりあってないわよね?」
「さすが先輩知っていましたか!?そいつです」
「……はぁーー、あなたその戦闘直ちに辞めなさい、ってか早く逃げないと国島くん、あなた死ぬわよ?」
「西国先輩!?助けてくれないんすか!」
「あなた、今超国家機密情報特定感情能力者を相手にしちゃってるのよ、私は100%動くことはできないわ」
その言葉を最後に彩は通信を切った。
「くそ!なんでこんな悪魔色のやつが逮捕してされてねーんだよ」
国島は嘆きながら無数の腕を薙ぎ払い、空き地から離れるのだった。
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