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マインドフルネスERA

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3章 サバイバル林間学校編

信の意外な特技

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信の部屋に朝の日差しが入り、部屋がポカポカと暖かくなる。
「ん、んぅーー」
信は目が覚め、左に寝返りを打つ。
「んーー、えっ?んん!?」
信の目と鼻の先にはエリスが眠っていた。
慌てて信は起き上がり、周りを見渡す。
確かにそこは自分の部屋で自分のベットだった。
「昨日は確か空き地に行ってから……あれ?」
昨日、空き地に行ったことは覚えているがどのように帰宅したのか……全く覚えていなかった。
現在信にわかることと言えば、エリスの寝顔がかわいい、という事だけだった。
「ふぁーー……あ、起きたのね」
寝ていたエリスも起き上がる。
信は慌てて目を逸らし、昨日のことを思い出そうとする。
「昨日、あなた近くの空き地でぶっ倒れてたのよ?それで私が持ってきたの」
エリスが昨日のことを説明する。
「エリス、昨日はありがとう」
「それで……何であんなところで倒れてたの?」
「うーん、それがあんまり思い出せないんだ……誰かと話していたような気がするんだけど」
信は昨日のことを思い出そうとするが空き地に入った後のことを思い出せなかった。
「それなら、私が……見てあげるわ」
エリスの顔が真顔になり、信の眼を見つめ始める。
まるで全てを見透かすような目だ。
「……いや、やめてくれ、エリスの真顔は怖いんだよ」
信はエリスの提案を拒否する。
「そ、まぁとりあえず、早く朝ごはん作ってよね」
エリスは端座位になり、背筋を伸ばした後立ち上がる。
「俺、大したもん作れねーんだけど」
「まぁ別に大した期待はしてないわ、冷蔵庫にあるやつで適当に作ってよね」
エリスはそう言うとリビングのソファに座り、テレビをつける。自宅に居るようなくつろぎ方に信は苦笑いし、簡単な朝ごはんを作ることにした。
「まぁ、ちょっと待ってろよ」
ーー「ちょっと何よこれ!?メッチャ美味しいじゃない!」
エリスは食卓に並べられた朝食に驚愕していた。
「このスクランブルエッグはふわふわとろっとろでスプーン止まんないし、このキュウリの浅漬けは噛むたびにお口をさっぱりとしていくわ!」
エリスは信が作った料理をガツガツと食う。
食べ終わった皿はサイコキネシスで流しへと運び、洗ってくれていた。
そんなエリスを見て信は便利だなぁ、と思いつつ、林間学校へ行く準備をする。
「なぁ、エリスもやっぱり林間学校に来るのか?」
「ええ、そうよ」
エリスは答えながらトーストに少量のバターを塗って頬張る。
口は食事をしているのに思念で脳内に声が聞こえてくると言う、不思議な感覚に信は味わう事になった。


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