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5章、最終章
5.
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『勅命
[ 聖女は国の有益のためにその身を持ってつくすべし ]
のもとに置いて、聖女シェリルを要請する。
ついては、北の辺境伯、グレンディール・アルザイドとの婚姻を無効にする 』
グレンディールに届いた、国王からの手紙の内容だった。
シェリルは『離婚』と言う表現をしたが、実際は結婚自体を無かったものにするものだった。
「シェリル。従うのか?」
「従わなきゃ・・・」
シェリルの不自然なまでに目が泳いでいる。
「手紙を見せろ」
ずかずかと歩き、机の上に置いてある手紙を取ろうとする。
「ダメ!!」
小さなシェリルの手が届く前にグレンディールが、それを取り上げる。
中を見ると眉を寄せた。
そこには脅しとも取れる内容が書かれていた。
15歳と言う少女には酷な内容。
この北の辺境地を火の海ー戦場にするとも言えるもの。
シェリルの大事な物、人を不幸にしていいのか?と聞いている。
護りたいならば、『従え』と脅迫している。
「シェリル。大丈夫だ。俺が護る。この地も、シェリルの大事な物も人も全て。俺にはそれだけの力がある」
ブンブンと首を振る。
「無理だよ。あの男を侮っちゃ駄目。あの男はやるの」
涙が溢れ、ボロボロと流れて落ちる。
シェリルは首をよく見えるように晒した。
首輪のように真っ赤な線が刻まれいた。
それが、『血の盟約』を現しているのがわかった。
「わたしが拒否したら、わたしは死ぬし、グレン様も死ぬ。きっと、この城にはあの男の影が見張ってる。わたしたちには拒否権はないの」
「シェリル様。他にも影はいるのですか?」
「いるよ。いろんなところにひそましてるもの」
「わたしは・・・」
ついてきていたマクロンは歯軋りする。
「カモフラージュだよ。
真の影は昔からいるの。忍ばしているの。わたしたちは手のひらで遊ばされてるようなもの」
「これも?」
「きっと、お姉様たちの企みを知ってるから、急いだのかもしれない・・・」
くそっ・・・
小さなグレンディールの言葉が聞こえる。
「シェリル様は知っていて、何もしなかったのですか?」
首を振る。
「ニーナの時に解雇になって人たちの中にいたはずだから、今は一部だと思う・・・。それでも・・・、行かなきゃ・・・」
へらりと笑う。
全てを諦めているように。
グレンディールは抱きしめた。
諦め、全てを受け入れる!シェリルが可哀想だった。
護ると誓ったのに・・・。
シェリルの涙を見たくなかった。
笑う顔を護りたかった。
何もできない自分が、悔しくなる。
どんなに力があってもどうしようもできない、事が歯痒く思った。
[ 聖女は国の有益のためにその身を持ってつくすべし ]
のもとに置いて、聖女シェリルを要請する。
ついては、北の辺境伯、グレンディール・アルザイドとの婚姻を無効にする 』
グレンディールに届いた、国王からの手紙の内容だった。
シェリルは『離婚』と言う表現をしたが、実際は結婚自体を無かったものにするものだった。
「シェリル。従うのか?」
「従わなきゃ・・・」
シェリルの不自然なまでに目が泳いでいる。
「手紙を見せろ」
ずかずかと歩き、机の上に置いてある手紙を取ろうとする。
「ダメ!!」
小さなシェリルの手が届く前にグレンディールが、それを取り上げる。
中を見ると眉を寄せた。
そこには脅しとも取れる内容が書かれていた。
15歳と言う少女には酷な内容。
この北の辺境地を火の海ー戦場にするとも言えるもの。
シェリルの大事な物、人を不幸にしていいのか?と聞いている。
護りたいならば、『従え』と脅迫している。
「シェリル。大丈夫だ。俺が護る。この地も、シェリルの大事な物も人も全て。俺にはそれだけの力がある」
ブンブンと首を振る。
「無理だよ。あの男を侮っちゃ駄目。あの男はやるの」
涙が溢れ、ボロボロと流れて落ちる。
シェリルは首をよく見えるように晒した。
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それが、『血の盟約』を現しているのがわかった。
「わたしが拒否したら、わたしは死ぬし、グレン様も死ぬ。きっと、この城にはあの男の影が見張ってる。わたしたちには拒否権はないの」
「シェリル様。他にも影はいるのですか?」
「いるよ。いろんなところにひそましてるもの」
「わたしは・・・」
ついてきていたマクロンは歯軋りする。
「カモフラージュだよ。
真の影は昔からいるの。忍ばしているの。わたしたちは手のひらで遊ばされてるようなもの」
「これも?」
「きっと、お姉様たちの企みを知ってるから、急いだのかもしれない・・・」
くそっ・・・
小さなグレンディールの言葉が聞こえる。
「シェリル様は知っていて、何もしなかったのですか?」
首を振る。
「ニーナの時に解雇になって人たちの中にいたはずだから、今は一部だと思う・・・。それでも・・・、行かなきゃ・・・」
へらりと笑う。
全てを諦めているように。
グレンディールは抱きしめた。
諦め、全てを受け入れる!シェリルが可哀想だった。
護ると誓ったのに・・・。
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何もできない自分が、悔しくなる。
どんなに力があってもどうしようもできない、事が歯痒く思った。
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