【本編完結】聖女は辺境伯に嫁ぎますが、彼には好きな人が、聖女にはとある秘密がありました。

彩華(あやはな)

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5章、最終章

6. ライク視点

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 ライク失恋編です。下ネタつきです。
 何が起こるか、わかりますよね・・・。


◇◇◇◇◇


 シェリー様たちが北の辺境地を明日旅立つ。
 何故、アシュリーさんも行ってしまうのだろう?

 国王陛下からの勅命はシェリル様個人のものであって、アシュリーさんたちは関係ないものの筈だ。
 
 だから、僕はアシュリーさんに告白することに、決めた。

 慌ただしく用意をしている、アシュリーさんを呼び止め、二人きりになれるところへいく。
 いたって邪な感情があってじゃない。
 未婚の女性と二人きりになるのは良くないことはわかっている。でも、僕の気持ちをきちんと話すには、そうするしかなかった。


「アシュリーさん。ここに残ってくれませんか?ぼ、僕と新しい家庭を作ってください」

 言えた!!
 僕は言い切った。
 偉いぞ。漢を見せた!!

 でも、アシュリーさんは照れることさえなく、逆に冷めた目で僕を見た。

 何故だ?

「わたしはシェリルの為だけにいます。なのに、ここに残れ?なに巫山戯た事を言っているのですか?」
「でも、シェリー様はに行くのですよね?アシュリーさんは行く必要ないんですよ。自分の幸せを見つけてもいいんじゃないですか?」


 アシュリーさんの顔色が変わる。鋭い目が僕を見る。
 
 変な事を言っただろうか?

「なぜ、あなたが、シェリルがと知っているのですか?」
「へっ?」
「まだ、知らない事ですよ?なのに・・・?まさか・・・」

 知らない?
 だったのか?

 僕だけが知っている?
 何故だ???

「どこで聞いたのですか?」
「えっ・・・」
「どこで聞いたのですか!!!」

 威圧のある声に驚いた。
 アシュリーさん、そんな声も出せるんだ、と感心している自分と怖くてちびりそうになっている自分がいた。

「城下町の・・・行きつけの・・・飲み屋のマスター、が・・・」
 
 自分の声が震えているのがわかった。
 アシュリーさんの綺麗な紫の瞳が真紫になっている。キラキラと宝石のようだ。

「そうですか、ありがとうございます」

 妖艶とも言えるぐらいの美しい顔で僕に微笑んでくる。

「お礼にいい事、教えますね」

 そう言って、にっこりとアシュリーさんは、僕の右手を握ってきた。

 マメを幾度も潰した為か、硬くなった手でも僕はドキドキした。手を触れただけで嬉しい。

 しかも、その手はアシュリーさん自身のスカートの中央に持っていく。

 なんと?!
 今?
 ここで?
 触って、いいの?

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 えっ・・・・・・・・・。

 知っている感触。
 よく知っている、この感触・・・。

 
 自分もあります。
 います。
 大事なですよね。

 アシュリーに何故いるのでしょうか・・・。

 間違いであって欲しい。


「残念ですが、あなたの気持ちにはお応えできかねます。わたしはシェリルのですから。シェリルを護るためにわたしは行きますよ」

 
 アシュリーさんはそう言うと、僕を押し退けるようにして、去って行った。

 僕は、右手を見つめる。
 
 いろいろな事実に頭がまわらない。
 
 そんな中、一つだけ思った。

 アシュリーさんなら、男でもありなんじゃねぇ~?と。
 

 後日、マクロンさんに話すと、強制指導とともに事情聴取された。
  
 




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