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3.セイラ視点
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数ヶ月後の春休みに入る直前、正式にカルロ様と婚約をしました。
従兄弟のフランお兄様とシュリナ様は何故か悔しそうな表情を見せましたが、笑顔で祝ってくれました。
フランお兄様の妹であるミシェルは今、わたしの祖国サージャス国に留学中です。
手紙には祖国のことが面白おかしく書かれていました。
つい、笑ってしまいました。
以前はあの国を思い出すだけで心が締め付けられそうでしたが、今では懐かしいだけになりました。
春休みには一度、帝国に帰って来ると書いていましたが、もう二、三日で屋敷につくようです。
あまりの早さに笑ってしまいました。相変わらず跳ねっ返りのよう安心してしまいました。
今回会えるのも楽しみですが、夏には留学を終えて、新学期から一緒に学園に通えるとか。それはそれで楽しみです。
フランお兄様は学園を卒業して、シュリナ様の兄であるセルジオ皇太子の側近として働いています。
フランお兄様は忙しいと言うのに、わざわざお仕事を休んで、春休みを利用して帰ってきたミシェルを迎えました。
仲の良い兄妹で、少し羨ましい限りです。
ミシェルは帰ってくるなり、わたしを抱きしめました。
わたしにそっくりなハニーブロンドに青い瞳。時には双子のように見られます。
実は母親同士が一卵性の双子姉妹ですから当たり前かも知れません。
でも、性格違います。ミシェルはわたしと違い活発です。
「セイラ、会いたかったわ」
「おい、兄様には挨拶はないのか?」
「セイラが一等ですもの、お兄様は後よ」
抱きつく姿を見て、フランお兄様が不満そうです。五つも上だと言うのに、子供っぽいです。
「あちらはどうでした?」
「勝利ですわ」
わたしが言えば、ミシェルは勝ち誇ったように言ってきました。
えっと、何が勝利でしょうか?
勝負事でもあったのでしょうか?
疑問を口にするより前にフラン兄様がミシェルを嗜めました。
「ミシェル!」
「あっ!はははっ。こっちのことよ。
それよりセイラ、婚約をしたんですって。私にも紹介してよ」
目を細め笑います。
「うん、またゆっくりと紹介するわね」
ミシェルにカルロ様を紹介できると思うと幸せでした。
ミシェルが帰るまでの1週間ほどわたしたちはたくさん話をしました。話す事柄が沢山あって、とても楽しいものでした。
ミシェルがあちらに買える時、お父様やお母様からの手紙も預かって来てくれたのでお返事をかいてミシェルにたくしました。
*******
新学年が始まります。ミシェルは向こうに帰ってしまいました。寂しく思いながら、学園に行きます。
「おはようございます。シュリナ様」
「セイラ!」
どうしたのかしら。
教室へ行く途中に出会ったシュリナ様は慌てています。
あまりの様子に首を傾げてしまいました。
「シュリナ様?どうされ・・・」
首を傾げた拍子に見えてしまいました。
シュリナ様の姿の向こうにカルロ様と・・・プラチナブロンドの女性が腕を組んでいる姿を・・・。
カルロ様は楽しそうに笑っています。
あんな顔見たことありません。
饒舌にお話しているようです。
あんなに喋るなんて、知らないです。
そんな顔をその方にむけるのでしょうか?
わたしを見て・・・。
わたしだけを見て欲しいのに・・・。
ストンとわたしの中の何が落ちていった気がしました。
「・・・編入生ですって」
シュリナ様が苦々しそうに言います。
わたしはもう、何も考えることができませんでした。
表情や感情を落としてしまったようにも思います。
「自分自身にも婚約者がいると言うのに、なんなのかしら。マナーがなっていないわ。セイラ?大丈夫?」
シュリナ様が倒れそうなわたしの肩を抱いてくれます。
立つのもやっと・・・。
弱い自分がいました。
自分の弱さを実感しました。
カルロ様・・・どうして?
従兄弟のフランお兄様とシュリナ様は何故か悔しそうな表情を見せましたが、笑顔で祝ってくれました。
フランお兄様の妹であるミシェルは今、わたしの祖国サージャス国に留学中です。
手紙には祖国のことが面白おかしく書かれていました。
つい、笑ってしまいました。
以前はあの国を思い出すだけで心が締め付けられそうでしたが、今では懐かしいだけになりました。
春休みには一度、帝国に帰って来ると書いていましたが、もう二、三日で屋敷につくようです。
あまりの早さに笑ってしまいました。相変わらず跳ねっ返りのよう安心してしまいました。
今回会えるのも楽しみですが、夏には留学を終えて、新学期から一緒に学園に通えるとか。それはそれで楽しみです。
フランお兄様は学園を卒業して、シュリナ様の兄であるセルジオ皇太子の側近として働いています。
フランお兄様は忙しいと言うのに、わざわざお仕事を休んで、春休みを利用して帰ってきたミシェルを迎えました。
仲の良い兄妹で、少し羨ましい限りです。
ミシェルは帰ってくるなり、わたしを抱きしめました。
わたしにそっくりなハニーブロンドに青い瞳。時には双子のように見られます。
実は母親同士が一卵性の双子姉妹ですから当たり前かも知れません。
でも、性格違います。ミシェルはわたしと違い活発です。
「セイラ、会いたかったわ」
「おい、兄様には挨拶はないのか?」
「セイラが一等ですもの、お兄様は後よ」
抱きつく姿を見て、フランお兄様が不満そうです。五つも上だと言うのに、子供っぽいです。
「あちらはどうでした?」
「勝利ですわ」
わたしが言えば、ミシェルは勝ち誇ったように言ってきました。
えっと、何が勝利でしょうか?
勝負事でもあったのでしょうか?
疑問を口にするより前にフラン兄様がミシェルを嗜めました。
「ミシェル!」
「あっ!はははっ。こっちのことよ。
それよりセイラ、婚約をしたんですって。私にも紹介してよ」
目を細め笑います。
「うん、またゆっくりと紹介するわね」
ミシェルにカルロ様を紹介できると思うと幸せでした。
ミシェルが帰るまでの1週間ほどわたしたちはたくさん話をしました。話す事柄が沢山あって、とても楽しいものでした。
ミシェルがあちらに買える時、お父様やお母様からの手紙も預かって来てくれたのでお返事をかいてミシェルにたくしました。
*******
新学年が始まります。ミシェルは向こうに帰ってしまいました。寂しく思いながら、学園に行きます。
「おはようございます。シュリナ様」
「セイラ!」
どうしたのかしら。
教室へ行く途中に出会ったシュリナ様は慌てています。
あまりの様子に首を傾げてしまいました。
「シュリナ様?どうされ・・・」
首を傾げた拍子に見えてしまいました。
シュリナ様の姿の向こうにカルロ様と・・・プラチナブロンドの女性が腕を組んでいる姿を・・・。
カルロ様は楽しそうに笑っています。
あんな顔見たことありません。
饒舌にお話しているようです。
あんなに喋るなんて、知らないです。
そんな顔をその方にむけるのでしょうか?
わたしを見て・・・。
わたしだけを見て欲しいのに・・・。
ストンとわたしの中の何が落ちていった気がしました。
「・・・編入生ですって」
シュリナ様が苦々しそうに言います。
わたしはもう、何も考えることができませんでした。
表情や感情を落としてしまったようにも思います。
「自分自身にも婚約者がいると言うのに、なんなのかしら。マナーがなっていないわ。セイラ?大丈夫?」
シュリナ様が倒れそうなわたしの肩を抱いてくれます。
立つのもやっと・・・。
弱い自分がいました。
自分の弱さを実感しました。
カルロ様・・・どうして?
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