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12.ミシェル視点

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 教室に入ると、シェリナ様が声をかけてくれた。

「おはよう」
「おはようございます。シェリナ様」

 笑顔で返事を返し、隣に座る。

 シェリナ様の隣にはアフタル殿下。その横にはカルロがいる。

 カルロは#私____#に一度睨むように目をむけた後、すっと顔を背けた。

 これでまだ婚約破棄していないのだから不思議だ。
 
 婚約までの過程や期間を考えると世間体が気になるのか?それとも『国』を挟んだ国交にまで発展するからなのか。
 どちらにしろすぐの婚約破棄は難しいのだろう。

 これも早くどうにかしなければならない。

「我が家にお泊まりのと昨日は夕食をご一緒しましたわ」

 シェリナがにこやかにそんなことを言ってきた。

「まぁ。そうですか!」

 良かった。やっと起きたのね。
 嬉しくて手を叩いて喜んでしまった。

「それでどんな感じでしたか?」
「まだあまり・・・かしら?今日はセルジオ兄様にお任せしてきましたの」
「では安心ですわね」
「どうかしら?フラン様がご婚約者に会いに行っていますもの。お兄様の暴走を止める方がいませんわ」

 そういえば、フラン兄様は仕事の休暇を無理やりもぎ取って(セルジオ様が二つ返事で許可しましたけど)シャルル様の元に行っていますもの。

「一途なあの方が不埒なことをしませんわ」
「そうよね。もしあればが黙っていないでしょうし?」
「当たり前ですわ」

 ふふっ。

 セイラの意思に反して行うようでしたら、私がこの国をのっとりますわよ。

「今日は皇宮に立ち寄ってもよろしいかしら?」 
「もちろん構わなくてよ」

 こんなに堂々と話していてもカルロは違和感さえ感じていないようだった。

 以前愛した女性の違いさえ気づかない愚か者・・・。

 
 授業が終わるとカルロはすぐさまレイチェル彼女のクラスに行ってしまった。

 アフタル殿下の制止の声さえ入っていないようだった。

「あいつは・・・」
「まぁ、構いませんわ。主をほっぽり出して女の所とは・・・。皇宮でこのことに対してもお話させていただきますね」
「・・・、そうだな。これ以上は私も庇いきれない・・・」

 苦渋の決断だろう。
 アフタル殿下も決意はしているのだろう。

 カルロとは入れ違いにと同じクラスの男女四人か入ってきたのにきづいて手招きをた。

 オルセイドお兄様に手を回してもらって教室に来てくれるようにお願いしたのだ。
 
 そして、彼らから話を聞いた。
 クラス内での様子や#彼女____#の人柄などを。

 休み時間ごとに数名ずつ来て貰いレイチェル彼女以外のクラスメイト全員の話を聞いていった。

 アリスが私の後ろで記録をとり、クラス中が傍聴者。
 質疑応答あり。

 半分も満たさないうちに口から出る言葉は変わらないものとなっていった。

 レイチェル彼女からは香水の匂いがすること。

 たむろしているのは他国の男性ばかりであること。

 クラスの男女問わず誰もレイチェル彼女に好意を向けていないこと。
 みんな、生理的にが嫌で近寄りたくないこと。
 なぜ、があそこまでレイチェル彼女に首っ丈になっているのか理解できないとまで言っていた。

「ミシェル・・・、まさか?」
「そのまさかでしょうね」
「お兄様に言わないといけないわね」
「早急に手を打たないといけないわね」

 シェリナと私は顔を見合わせて頷いた。





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