【完結】わたしの大事な従姉妹を泣かしたのですから、覚悟してくださいませ

彩華(あやはな)

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33.ミシェル視点

 結局ブローチ探しは三日かかった。

 最後の一個になった時の彼からの顔は怒りより安堵したような表情だった。

 やっと終わった・・・

 きっとそう思ったに違いない。

 彼女は途中から飽きていたのがわかった。
確認もせずに適当にブローチを投げていたのだから。

「わざとあたしのブローチを入れていなかったのね」

 最後に彼女は叫んだ。

 何度か「ない」と言ったのだが覚えていないようだった。
 まぁ、引くに引けなくなっていたのだとは思うのだが・・・。

「あなたのブローチはどんなものでしたの?」
「それは・・・」

 きっと、自分が口にしたデザインはもう覚えていないと思う。

 何百個とあるデザインを目にすれば目移りだってする。
 脳内だけのデザインは崩れるのだって早い。魅力あるデザインで頭いっぱいだろう。

「うるさいわ!でもなかったのよ」
「あら、そうですか。では思い出したら言ってくださいませ」
「うるさい!うるさい!あなたが盗ったのは間違いないのよ」


 彼女はまるで幼い子供のように声を張り上げた。

「再度言いますわね。私にはこれくらい作れる財力がありますの。つまりあなたのものを盗る必要はないのよ」
「だから嫌がらせだから!」
「まだわかりません?この財力があれば回りくどいいじめをすることはない、と言ってますの」
「「セイラ!」」

 ファルスとカルロが怒りから叫んでくる。だが無視をした。

「人を馬鹿にするのも大概にしてください。愚かなのはあなた方です。そろそろ気づいていることもあるのではないのですか?そちらの方と私の違和感など・・・」

 そう言うと、ファルス以外は何か思い当たったのか視線をそらした。
 分からないのは彼女とファルスだけ。

「私はどこの家のものでしょうか?」

 にこりと笑って見た。


 静観している外野からクスクスと笑いが聞こえてきた。

「皆様。まだ、内緒ですわよ。私の約束通り聞かれても黙っていてくださいね」

 周囲に向けて声をかけると、「はーい」「わかりました」と返事が返ってきた。

 クスクスと笑い続ける皆様が怖く感じたのか彼女たちは足早に去っていった。


「ミシェル。怖いわよ」
「ふふっ。でも皆様には感謝ですわ。私の名前も、家名も上手に濁してくださいますもの。そうでなければここまで上手くいきませんわ」
「言っても聞いてないだけじゃないかしら」

 シェリナ様の呆れた声に笑って見せた。

 疑問に持つことができたなら、薬の効果が切れかけている。
 ずっと匂いを嗅いできたファルスだけは疑問さえ感じずにいるようだが。

 私は小さく息を吐いた。
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