【完結】君は星のかけらのように・・・

彩華(あやはな)

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僕が13歳になった時、婚約者ができた。

一つ下の公爵令嬢。

金の髪に緑の目のおとなしそうな女の子だった。
いつも下をうつむいているのが残念だった。
一度、僕を見た時笑った。

花が綻ぶかのような儚い笑顔。
芍薬の花のようだと思った。

どきりと胸が高鳴った。

その顔で僕を見て欲しいと思った。
 
彼女との交流がはじまる。
お茶会をしたり、演劇鑑賞に行ったり。
それは、刺激というものではなかったが、落ち着けるものだった。

彼女に贈り物をする。
僕の色を贈る。
彼女を思って贈る。
手紙を書く。

彼女からお礼の返事がくる。
手紙が届く。
丁寧な文字。
柔らかく彼女の人柄を表しているようだった。

平穏で単調。
変わらないものかもしれない。
だが、優しさがあった。
美しさがあった。

思い出す。

星のかけらーを。

僕もいつの間にか拾い集めていた。
僕の見えない心のポケットに拾い集めていく。なかなかいっぱいにならない思いに焦ることも、ヤキモキすることもある。

それでも、大切なものであることはわかっていた。
 
僕の心が満たされるのを感じていた。
優しい時間だった。

弟に揶揄われる。

顔が緩んでいるーと。

嬉しいからだ。
幸せだからだ。

彼女と共に生きる人生。
それは、希望に満ちていると言っても過言ではない。
それほど、僕は彼女のことが好きになっていた。

彼女を笑顔にしたい。

今の1番の夢。

そのために僕は学び続ける。

彼女を幸せにしたい。

だから、彼女の周りも幸せにする。

彼女を泣かしたくない。

だから、強い男になろう。

僕は誓う。

満天の星空の下で彼女と共に生きようとー。






なのに、僕は・・・


僕は彼女を、裏切った。


学園に入り、僕は一人の女生徒に出会った。

銀色のふわふわ髪。紫の瞳。

あの時の少女・・・、そう思った。

お転婆で、なにもないところで転ぶ。
元気が良くて、笑顔が可愛い。

僕は惹きつけられた。

彼女の名前はミル。

男爵令嬢。
貴族の庶子として生まれ、入学前に貴族入りをしたミル。

まだまだ、荒削りの礼儀作法。
でめ、向上心が高く、頑張り屋なミル。

いつの間にか目で追っていた。

この感情をなんだと言うのか・・・。

恋?

僕の心はミルの事だけになっていた。

ミルと話す。
ミルを見つめる。
ミルに触れる。

それが素晴らしい事だと思った。

初恋の相手?

ミルは忘れているようだった。
それでもいい。
君が覚えていなくとも、僕は覚えている。
それでいいんだ。

僕はミルの手をとる。
キスを落す。

彼女を忘れミルに溺れたー。





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