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14.婚約破棄

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王太子殿下の誕生日パーティーです。
エスコートは・・・、勿論ありませんでした。
セレとリリアと共に行きます。

セレとわたくしは例のお揃いのドレスです。いただいてしまいました。宝飾も靴もなにもかも。お代金を・・・とは言ったのに、
宣伝ですので、と言われてしまいました。
よかったのでしょうか?

セレは銀の髪ハーフアップされた姿は美しい人形のようです。
以前、冷たく見えると言ってましたが、とんでもない。ビクトール人形が人間になった、それだけですわ。

リリアもアンティークドールみたいです。ドレスがいつもよりおとなしい・・・場所に見合ったものですが、よく似合っています。

わたくしたち、リリアも含め三人で料理を取りに行きます。
その途中、何人もの婦人たちに声をかけられました。
主にセレに、ですが・・・。
お得意様なのでしょう。
言う事が同じなのです。

ありがとう。またよろしく、と。

どれだけ、みなさま必死なのでしょうか?


三人で楽しく喋っていると、後ろから誰か?何かがぶつかってこられました。

「きゃあぁ」

悲鳴を聞いて、振り返るとそこにはドレスを濡らしたアミー様が立っていたのです。

どう言う状況でしょうか?

「フィオナ様、そんなに私が憎いのですか?」

はい?

「セシル様がフィオナ様を差し置いて私をエスコートしたからって、醜い嫉妬で、私をいじめてー」

えっと。嫉妬でワインをわたくしが、かけたといったかしら?
首をコテンっと傾けます。

「酷いですわ。セシル様には見向きもされなくなったのは、フィオナ様の魅力がないからでしょ」

おぉっ、人をディスりますね。
自分は可愛いのをさり気に盛り込んでいます。

「君バラの一説にそっくりですね」
「アレンジがないですわね」

こらこら、小さく呟かないの。演技中の女優に失礼ですわよ、セレ、リリア。
でも、・・・一理アリ。

「アミー!!」

こら、保護者、ちゃんて見てないからこんな事になったじゃないの。

「フィオナ、またお前か!」

お前?!
仮にも婚約者に向かってお前はないでしょう。

「もう、我慢ならない。お前とは婚約破棄だ!!」

とうとう言ってしまいましたね。

「婚約破棄承りました。ですが、虐めたと言うのは訂正させていただきます」
「こっちは証拠があるんだ。公爵家の俺が嘘をつくとでもいうのか?」
「では、提出をお願いしますわ」
「くっ、強情な。まあ、いいだろう、これだ!!」

ばっと出した紙。
どこから出した?とはつっこみませんわ。
拝見させてもらいましょう。
ん?
セレとリリアにも見せます。
二人ともわたくしと同じ反応をしてくれました。
その反応とはー

ズサン。ありえない。馬鹿じゃないの?
裏ドリくらいしなさいよ。
手を抜きすぎでしょ。
ちゃんとしてます?
あなた方ほんと間抜けよねっ

と言った感じでしょうか。















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