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アルフリード
自覚
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部屋を出ると、アイリ嬢の部屋に向かった。
昨日は初の「三徹実験」が行われた。が、それは、誰もが失敗だと思わされるほど散々たるものだった。
三徹目の彼女の思考回路は破滅を迎え、フラスコ、ビーカーを壊しに壊し、魔術は暴発させ、ボヤを起こし、書類は燃やし吹き飛ばし最後には消失させ、それを行う彼女は大笑い。
カオスの研究科にいた全ての者を泣かせた。勿論、見学に行った僕もその中に入っている。
昼を過ぎた頃、最終的にはそこにいた者全員が「「寝ろ!!!」」と叫んだ。
片付けの才能無しと言われた僕が彼女を部屋に送る羽目になったのは仕方ない事である。
18時間寝た彼女を見に来たのだ。
やましい気持ちは一切ない、果たして18時間後に起きるのか確かめたいのは研究者としての興味だけで。
彼女はモゾモゾと動いたと思うとゆっくり布団から這い出て来た。僕がいる事にきづいているのか、いないのか?
目がきちんと開いていないまま、お風呂場に消えていった。
ライディンが言いにくそうにしていた理由がわからない。なんだったのだろう?
出てきた彼女がどういう反応するのか知りたくて、静かに待ってみた。
後悔した。
まさか、一糸纏わぬ姿で出てくるとは思わないだろう!!よく声を出さなかった。いや、出した方がよかったのか?!
タンスから服を出そうとした彼女が初めてこちらに気づいた。
気まずい沈黙。
「なかなか、発育いいね」
うん、自分でも思う最低発言。
彼女もポタポタ髪から雫を落としながら、堂々と近づくと手を振り上げ僕の頬に一発いれた。両親にも手を挙げられたことないのに~、と言いたいところだったが、知らないとはいえ王族の僕に、強烈にビンタする女性は初めてだった。
しかも裸体で。
「お金、とりますよ」
にっこり笑いながらの一言。
なんか間違えてるよね、きっと。
「出て行ってください」
どうどうと入口を指差す。
言われた通りに僕はすごすごと出て行った。
部屋を出たとたん、向こうから悲鳴が聞こえた。
羞恥心、それに尽きる声。
ごめん。
僕が悪かった。男としても最低だし。ましてや婚約者でさえいないのだから。王族としてもありえない行為。自己険悪しかない。今更謝りに部屋には入れないので、先に部屋の前で心内で謝ります。
ごめんさない・・・
ライディン、もしかして君も見たの?
ちゃんと言っといてくれたら、こんな事にならなかった・・・見た?ライディンも?
イライラがモヤモヤが増える。
どうしてだ。
婚約者じゃないから最低?婚約者ならアリな行為か?いやいや、男として、やはりやってはいけないだろう。いや、僕は王族。謝る必要はない・・・わけはないか。
う~ん・・・。それにしても綺麗だったな・・・、じゃなくて。
「殿下?その頬どうされました?」
いつの間にか部屋に帰っていた。僕の赤くなった頬を見てマルクが青ざめた表情で右往左往している。
「マルク、どうしてかな?イライラするんだ」
「はい?」
「楽しいオモチャを盗られた時みたい」
水で濡らしたタオルをあててもらう。冷たくて気持ちいい。
「悔しいのですか?」
「悔しい?羨ましい?なんだろう。この気持ちは」
「嫉妬ですか?」
「・・・」
そうか、嫉妬だ。
取られたくないんだ。誰にも・・・。
誰にも・・・?
独占欲?
そうか、独占欲だ。だから嫉妬するんだ。誰にも取られたくなくて。離したくない。
僕のオモチャだからかな?
まあ、いいか。うん、僕のオモチャだからだ。
ひさびさに執着心が芽生えたな。離したくないなぁ。
「殿下?」
「ねぇ、マルク。そういえばさぁ、3か月後、研究室の研究お披露目会だったよね」
そう、年に一度の国が他国に見せつける国自慢、力を誇示する為の一代イベントが3か月に迫っている。今まで出る気にも無かったけど、出てみようか。いい機会だ。
「殿下?今まで、嫌がっていたのに急にどうしました?」
「マルク。僕・・・、。僕のオモチャを取られたくないんだ。でも、オモチャを見せびらかしたくなっちゃった。俺のものなんだって。・・・いいよね」
俺は笑った。
マルクの顔色が変わったけど気にしないであげるね。
昨日は初の「三徹実験」が行われた。が、それは、誰もが失敗だと思わされるほど散々たるものだった。
三徹目の彼女の思考回路は破滅を迎え、フラスコ、ビーカーを壊しに壊し、魔術は暴発させ、ボヤを起こし、書類は燃やし吹き飛ばし最後には消失させ、それを行う彼女は大笑い。
カオスの研究科にいた全ての者を泣かせた。勿論、見学に行った僕もその中に入っている。
昼を過ぎた頃、最終的にはそこにいた者全員が「「寝ろ!!!」」と叫んだ。
片付けの才能無しと言われた僕が彼女を部屋に送る羽目になったのは仕方ない事である。
18時間寝た彼女を見に来たのだ。
やましい気持ちは一切ない、果たして18時間後に起きるのか確かめたいのは研究者としての興味だけで。
彼女はモゾモゾと動いたと思うとゆっくり布団から這い出て来た。僕がいる事にきづいているのか、いないのか?
目がきちんと開いていないまま、お風呂場に消えていった。
ライディンが言いにくそうにしていた理由がわからない。なんだったのだろう?
出てきた彼女がどういう反応するのか知りたくて、静かに待ってみた。
後悔した。
まさか、一糸纏わぬ姿で出てくるとは思わないだろう!!よく声を出さなかった。いや、出した方がよかったのか?!
タンスから服を出そうとした彼女が初めてこちらに気づいた。
気まずい沈黙。
「なかなか、発育いいね」
うん、自分でも思う最低発言。
彼女もポタポタ髪から雫を落としながら、堂々と近づくと手を振り上げ僕の頬に一発いれた。両親にも手を挙げられたことないのに~、と言いたいところだったが、知らないとはいえ王族の僕に、強烈にビンタする女性は初めてだった。
しかも裸体で。
「お金、とりますよ」
にっこり笑いながらの一言。
なんか間違えてるよね、きっと。
「出て行ってください」
どうどうと入口を指差す。
言われた通りに僕はすごすごと出て行った。
部屋を出たとたん、向こうから悲鳴が聞こえた。
羞恥心、それに尽きる声。
ごめん。
僕が悪かった。男としても最低だし。ましてや婚約者でさえいないのだから。王族としてもありえない行為。自己険悪しかない。今更謝りに部屋には入れないので、先に部屋の前で心内で謝ります。
ごめんさない・・・
ライディン、もしかして君も見たの?
ちゃんと言っといてくれたら、こんな事にならなかった・・・見た?ライディンも?
イライラがモヤモヤが増える。
どうしてだ。
婚約者じゃないから最低?婚約者ならアリな行為か?いやいや、男として、やはりやってはいけないだろう。いや、僕は王族。謝る必要はない・・・わけはないか。
う~ん・・・。それにしても綺麗だったな・・・、じゃなくて。
「殿下?その頬どうされました?」
いつの間にか部屋に帰っていた。僕の赤くなった頬を見てマルクが青ざめた表情で右往左往している。
「マルク、どうしてかな?イライラするんだ」
「はい?」
「楽しいオモチャを盗られた時みたい」
水で濡らしたタオルをあててもらう。冷たくて気持ちいい。
「悔しいのですか?」
「悔しい?羨ましい?なんだろう。この気持ちは」
「嫉妬ですか?」
「・・・」
そうか、嫉妬だ。
取られたくないんだ。誰にも・・・。
誰にも・・・?
独占欲?
そうか、独占欲だ。だから嫉妬するんだ。誰にも取られたくなくて。離したくない。
僕のオモチャだからかな?
まあ、いいか。うん、僕のオモチャだからだ。
ひさびさに執着心が芽生えたな。離したくないなぁ。
「殿下?」
「ねぇ、マルク。そういえばさぁ、3か月後、研究室の研究お披露目会だったよね」
そう、年に一度の国が他国に見せつける国自慢、力を誇示する為の一代イベントが3か月に迫っている。今まで出る気にも無かったけど、出てみようか。いい機会だ。
「殿下?今まで、嫌がっていたのに急にどうしました?」
「マルク。僕・・・、。僕のオモチャを取られたくないんだ。でも、オモチャを見せびらかしたくなっちゃった。俺のものなんだって。・・・いいよね」
俺は笑った。
マルクの顔色が変わったけど気にしないであげるね。
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