24 / 31
マルクの回顧録
特例措置
しおりを挟む
アルフリード殿下が十歳になると、特例措置として、学園の中等科に入る事が決まった。異例中の異例だが、誰も反対する者はいなかった。
逆に・・・、おれが殿下に勉強を教わっていた。中等科と高等科は少し離れている。なので、図書館か、殿下の部屋で・・・。おかげで上位でいられた。
殿下様さまである。
その殿下は早かった。一年で中等科課程を終わらし、高等科課程もたった一年で終わらして、研究科に入った。後一年、高等科課程を残した俺を置いて。
慌てなかった。慌てても仕方ない。
研究科に入った殿下をサポートしながら、自分の事をこなした。
兄がここでの生活を大事にしろとアドバイスをくれたおかげもある。
俺は、俺なりに繋がりを作り、情報を得やすいよう人脈を広げていった。
その途中、不正を見つけたし殿下にあだなそうとする奴らも見つけれた。父と兄に掛け合い排除できたが、殿下のためなら俺は残酷なこともできるとその時確信した。
卒業後、俺は殿下の横に立つことに決めた。
研究科にはいっていない。殿下の為だけの存在だ。邪魔と言われても側にいると決めたから。
殿下の周りは敵ばかりだった。殿下の権力や姿に魅せられやってくる心やましい者たちばかり。
当時の研究室室長もその一人だった。
あまりの雲散臭さに調べてみると大量の醜聞と不正ネタがでてきた。
腐っている。
全て調べて丁寧に資料にまとめて殿下の前に積み上げてみた。
裏からは兄に殿下のサポートをしてもらって、最後は奴を消した。
殿下は十四歳という若さで魔術研究室の室長に収まった。
ただ、その目には何も写していなかった。
綺麗な青味かかった緑の目には輝きが失われていた。
俺はどうする事もできなかった。
ただできるのは殿下のストレス発散に付き合うことだけ。
相変わらず仕掛けてくる。
殿下の開発したビリビリ装置でドアを開けるとやられ、時には矢が飛んでくる(当たれば即死じゃねぇ?)、上から猫が降ってきたし(なぜに?)、地面に穴が開けば毒池(勿論事後処理は俺)などなど。他の人にはやっていないからいいものの、絶対ヤバいことばかり。
よく死なないものだ。
というか、よく生きてる。
信用されていると思っておこう。
そんな目が輝きだしたのは、それから四年後。成年王族と認められた歳のことだった。
各研究室の書類、自分の研究、そして王族としての仕事とそれなりに忙しく机に向かっていた日、再三の苦情がはいってきたのだ。
どれもが研究科のもので、五月蝿い、出前が酷い、徹夜のし過ぎなどなど・・・他方研究室と食堂、警備担当衛兵、しまいに事務局からと各方面から上がってきた。
研究科は殿下が信用しているエスタニア公爵けの嫡男でありながら、研究をしたいと次期当主を放棄したライディン様が仕切っていたが、そこまで悪い情報は入っていない。
ここまでの苦情が入る事はないので、殿下自身が行動を起こした。
自身の研究にも行き詰まり、気が立っていたのだろう。
急ぎ足で向かい、研究科の扉をノックもせず、乗り込んだ。
みな一斉に振り向き、しぃーっと、人差し指を立てるという光景に見舞われたのだった。
そこには、不思議な世界が広がっていたのだ。
この瞬間殿下は変わられた。
俺には、そう見えた。
逆に・・・、おれが殿下に勉強を教わっていた。中等科と高等科は少し離れている。なので、図書館か、殿下の部屋で・・・。おかげで上位でいられた。
殿下様さまである。
その殿下は早かった。一年で中等科課程を終わらし、高等科課程もたった一年で終わらして、研究科に入った。後一年、高等科課程を残した俺を置いて。
慌てなかった。慌てても仕方ない。
研究科に入った殿下をサポートしながら、自分の事をこなした。
兄がここでの生活を大事にしろとアドバイスをくれたおかげもある。
俺は、俺なりに繋がりを作り、情報を得やすいよう人脈を広げていった。
その途中、不正を見つけたし殿下にあだなそうとする奴らも見つけれた。父と兄に掛け合い排除できたが、殿下のためなら俺は残酷なこともできるとその時確信した。
卒業後、俺は殿下の横に立つことに決めた。
研究科にはいっていない。殿下の為だけの存在だ。邪魔と言われても側にいると決めたから。
殿下の周りは敵ばかりだった。殿下の権力や姿に魅せられやってくる心やましい者たちばかり。
当時の研究室室長もその一人だった。
あまりの雲散臭さに調べてみると大量の醜聞と不正ネタがでてきた。
腐っている。
全て調べて丁寧に資料にまとめて殿下の前に積み上げてみた。
裏からは兄に殿下のサポートをしてもらって、最後は奴を消した。
殿下は十四歳という若さで魔術研究室の室長に収まった。
ただ、その目には何も写していなかった。
綺麗な青味かかった緑の目には輝きが失われていた。
俺はどうする事もできなかった。
ただできるのは殿下のストレス発散に付き合うことだけ。
相変わらず仕掛けてくる。
殿下の開発したビリビリ装置でドアを開けるとやられ、時には矢が飛んでくる(当たれば即死じゃねぇ?)、上から猫が降ってきたし(なぜに?)、地面に穴が開けば毒池(勿論事後処理は俺)などなど。他の人にはやっていないからいいものの、絶対ヤバいことばかり。
よく死なないものだ。
というか、よく生きてる。
信用されていると思っておこう。
そんな目が輝きだしたのは、それから四年後。成年王族と認められた歳のことだった。
各研究室の書類、自分の研究、そして王族としての仕事とそれなりに忙しく机に向かっていた日、再三の苦情がはいってきたのだ。
どれもが研究科のもので、五月蝿い、出前が酷い、徹夜のし過ぎなどなど・・・他方研究室と食堂、警備担当衛兵、しまいに事務局からと各方面から上がってきた。
研究科は殿下が信用しているエスタニア公爵けの嫡男でありながら、研究をしたいと次期当主を放棄したライディン様が仕切っていたが、そこまで悪い情報は入っていない。
ここまでの苦情が入る事はないので、殿下自身が行動を起こした。
自身の研究にも行き詰まり、気が立っていたのだろう。
急ぎ足で向かい、研究科の扉をノックもせず、乗り込んだ。
みな一斉に振り向き、しぃーっと、人差し指を立てるという光景に見舞われたのだった。
そこには、不思議な世界が広がっていたのだ。
この瞬間殿下は変わられた。
俺には、そう見えた。
77
あなたにおすすめの小説
さよなら 大好きな人
小夏 礼
恋愛
女神の娘かもしれない紫の瞳を持つアーリアは、第2王子の婚約者だった。
政略結婚だが、それでもアーリアは第2王子のことが好きだった。
彼にふさわしい女性になるために努力するほど。
しかし、アーリアのそんな気持ちは、
ある日、第2王子によって踏み躙られることになる……
※本編は悲恋です。
※裏話や番外編を読むと本編のイメージが変わりますので、悲恋のままが良い方はご注意ください。
※本編2(+0.5)、裏話1、番外編2の計5(+0.5)話です。
【完結】ロザリンダ嬢の憂鬱~手紙も来ない 婚約者 vs シスコン 熾烈な争い
buchi
恋愛
後ろ盾となる両親の死後、婚約者が冷たい……ロザリンダは婚約者の王太子殿下フィリップの変容に悩んでいた。手紙もプレゼントも来ない上、夜会に出れば、他の令嬢たちに取り囲まれている。弟からはもう、婚約など止めてはどうかと助言され……
視点が話ごとに変わります。タイトルに誰の視点なのか入っています(入ってない場合もある)。話ごとの文字数が違うのは、場面が変わるから(言い訳)
悪役令嬢は処刑されないように家出しました。
克全
恋愛
「アルファポリス」と「小説家になろう」にも投稿しています。
サンディランズ公爵家令嬢ルシアは毎夜悪夢にうなされた。婚約者のダニエル王太子に裏切られて処刑される夢。実の兄ディビッドが聖女マルティナを愛するあまり、歓心を買うために自分を処刑する夢。兄の友人である次期左将軍マルティンや次期右将軍ディエゴまでが、聖女マルティナを巡って私を陥れて処刑する。どれほど努力し、どれほど正直に生き、どれほど関係を断とうとしても処刑されるのだ。
君に愛は囁けない
しーしび
恋愛
姉が亡くなり、かつて姉の婚約者だったジルベールと婚約したセシル。
彼は社交界で引く手数多の美しい青年で、令嬢たちはこぞって彼に夢中。
愛らしいと噂の公爵令嬢だって彼への好意を隠そうとはしない。
けれど、彼はセシルに愛を囁く事はない。
セシルも彼に愛を囁けない。
だから、セシルは決めた。
*****
※ゆるゆる設定
※誤字脱字を何故か見つけられない病なので、ご容赦ください。努力はします。
※日本語の勘違いもよくあります。方言もよく分かっていない田舎っぺです。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
【完結】捨てた女が高嶺の花になっていた〜『ジュエリーな君と甘い恋』の真実〜
ジュレヌク
恋愛
スファレライトは、婚約者を捨てた。
自分と結婚させる為に産み落とされた彼女は、全てにおいて彼より優秀だったからだ。
しかし、その後、彼女が、隣国の王太子妃になったと聞き、正に『高嶺の花』となってしまったのだと知る。
しかし、この物語の真相は、もっと別のところにあった。
それを彼が知ることは、一生ないだろう。
【完結】馬車の行く先【短編】
青波鳩子
恋愛
王命による婚約を、破棄すると告げられたフェリーネ。
婚約者ヴェッセルから呼び出された学園の予備室で、フェリーネはしばらく動けずにいた。
同級生でありフェリーネの侍女でもあるアマリアと、胸の苦しさが落ち着くまで静かに話をする。
一方、ヴェッセルは連れてきた恋の相手スザンナと、予備室のドアの外で中の様子を伺っている。
フェリーネとアマリアの話を聞いている、ヴェッセルとスザンナは……。
*ハッピーエンドではありません
*荒唐無稽の世界観で書いた話ですので、そのようにお読みいただければと思います。
*他サイトでも公開しています
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる