魔女は義弟を、愛していた (完結)

彩華(あやはな)

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黒髪黒目・・・魔女の色

そう認識されている。

現に並はずれた魔力を持つ。

昔は、制御の腕輪を施されていたが、数十年前、黒髪黒目の女が国家を転覆させようとしたが為、それ以来、魔女を見つけると火炙りされるようになった。

カエラも、また魔女の色をしていた。
父は金の髪に青い目、母も茶色の髪に青い目わしていたのに。

母は不貞を疑われた。
魔女を産んだ事で、夫たる父に見放された。

父の命令で地下室で暮らすようになった。
地下牢とも言える暗くジメジメした部屋。

母は怒りを私に向けることもあったが、いつも愛情を注いでくれた。

母は次第に狂っていった。
私が出来損ないだったから。

でも、正気でいる時は文字を教えてくれたり、魔力の使い方を教えてくれた。


いつも母をじっと見ていた。

私は叫ぶことも、笑うこともない。
子供らしからぬ少女だった。

母は私が5歳の時に死んだ。
暗い地下室、食事が差し入れられるだけの二人きりの部屋で。

孤独と恐怖で。

じっと見ていた。

母が死んだ時、食事の差し入れに来たメイドにその事を告げた。
しばらくして、重い扉が開き、人が入ってきた。
初めて、母以外見る人間だった。
大きな男の人だった。

父だったのだろう。
だが、分からなかった。
会ったこともなかったから。

彼は私を一瞥したが何も言わず、母の遺体を連れて行った。

再び、重い扉が閉められ、静寂が戻った。
母のいない一人の世界に、 なった。




一人では喋る相手がいなかった。

そんな時、扉の向こうが騒がしかった。

「ねぇ、この扉の向こうはなにがあるの?」

男の子の声。
耳を澄ました。

『ぼっちゃま。ダメです。ここに来ては旦那様に怒られます』
『じゃあ、教えてよ。教えてくれたら、もう来ないから』
『・・・、魔女がいます。ですので、来てはダメ、です』
『・・・魔女?』

静かになった。
いなくなったのだろう。

気になった。
母がいなくなって、何もやる気もなかった世界に、一つの光が宿ったみたいだった。

部屋の隅に置かれたガラクタの中を水晶をさがした。

母が一度外の世界を見せてくれるのに使ったことがあった。
一度だけ。

あとは、見ようともしなかった。
ガラクタの中に放置したのだ。
あの時から、母は壊れた。

水晶に魔力をこめた。
外が映る。

色に溢れる世界。
こことは違う輝く世界。
心を打つ。

でも、ここから出ることは叶わない。
ここが自分の世界だから・・・。

あの声の主を探した。
いくつも場面を変えていくと、いた。


オヤコなのだろうか、絵で見たような男の人と、女の人、そして、声の主の男の子。

仲良く笑い合っていた。

『父うえ~』
『マルス』

抱きしめられいる。

                     マルス・・・

キラキラと光に照らされるフワフワとした金の髪、青い目。


      きれい・・・


ボサボサの醜い黒い髪をにぎりしめる。

知られてはいけない、魔女の色。

じっと、水晶を見つめていた。







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