【完結】結び屋 アメリア・ブロー〜他人の幸せを結んでいますが、自分の幸せの相手には気付きません〜

彩華(あやはな)

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三十三話、タリオンとメリッサ、パニオ

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強くいい過ぎた・・・。

「ごめんなさい。・・・それは、小さい頃に分かれた親友との名前で・・・、他、他ならいいですから・・・」
「あっ、いや、ごめん。アメリアでいい・・・」

 やっちゃった・・・。

 ・・・って、なんで、わたしが罪悪感、感じなきゃいけないの!
 ちょっとおかしいぞ、気を引き締めなきゃ。

 一段と豪華な天幕まで来ると、他の劇団員が取次をしてくれた。
 中からいきなり大男と美人が出てきて、わたしを抱きしめました。


 く、くるしいっ!

「メリア、久しぶりだ」
「元気にしてたかい?」

 団長のタリオンと、奥さんのサジュです。
仲の良い夫婦です。
 タリオンはガッチリした、体格をしています。短く刈り込んだ黒髪に緑の瞳。瞳はらんらんとしていて、睨まれると誰もが恐れるぐらい目つきが悪いです。
 サジュは茶金の髪に赤みの強い金の瞳。弧を描く唇は魅惑を感じさせます。
 はっきり言って、美しいのです。

「メリア。きたよ~」

 二人の娘のメリッサと、息子のパニオがでてきます。メリッサは二つ上、パニオは一つ下です。メリッサは黒髪、パニオは茶金の髪、瞳は赤みのある金の瞳をしています。2人の子供だけあって存在感がすごいです。

「メ、メリー、パオ、久しぶりっ。おね!おねがいっ、はなし、てっ」
 
 二人に助けを求めます。
 く、苦しいって!!
 強い!
 ギブです!

 ペシペシッペシッ

 離して~!

「父さん、母さん、離さないと、メリアが潰れるよ!」


 やっと理解したのか離してくれた。
 はあ、苦しかった。

「ごめんよ。可愛い、親友の子なんだ。我が子同然だから、ついね」

 つい、で締められたくないっ。
 殺されるかと思った!

 ほら、エンリュリッヒ様も、驚い、いて?

 どうしたのでしょう?
 じっとタリオンを見てます。
 あっ、タリオンに会えて感激ですか?

「メリア、こいつは?」

 タリオン?どうかしましたか?
 エンリュリッヒ様をじっくり見て・・・?

「アンドリュー・エンリュリッヒ様です。エンリュリッヒ様、こちらがタロ=タジェロの代表、団長のタリオンです」

「・・・、エンリュリッヒか・・・、メリア、例の話だよな。知ってるやつがいるからメリッサとパ二オと行ってくれ。ちょっと、俺はこいつと話がある」

 固い声。
 こんな時は従った方がいい。
 逆らったら、碌なことはないのは、身に染みてわかってるから。悪さしをして、怒られた甲斐があると言うもの。
 内密か。
 関わるな、ね。
 仕方ない。
 わたしはわたしの仕事をするだけ?

「わかった。メリー、行こ」

わたしはその場を離れた。



「父さん、どうしたのかな?」
「さあ、なんだろね」
「気にならないの?彼氏でしょ?」
「彼氏?!」
「違うよ。依頼人」
「例の仕事?」
「そうそう」
「へぇ~、そうは見えなかっけど」
「仕事っていてるんだったら、仕事だろ?」
「パニオ、うるさい」

 仲の良い二人。
 テリーどうしてるかな~。
 サリー会いたいな~。
 カロン、がんばれ~。

「でも、さっきの人、どっかでみたことない?」
「俺も思った?」
「どこで?」
「「忘れた」」

 ダメじゃん。








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