45 / 87
三十六話、キリキリはいてもらいましょう
しおりを挟む
なに、戯言を言ってるのか?
誰が誰の恋人か!
調子に乗って『俺』とか言ってるし、ああぁ、ヤダヤダ。
つい、ボディーブローしちゃったじゃないの!どうしてくれるの!
ダメダメ、笑って、人前だから、猫を被らなきゃ。
「エンリュリッヒ様~?おかえりなさい。お話終わりましたぁ~?今からが本番ですが、先に帰っていただいて結構ですわよ~」
あら、なぜみなさままで、あさって向いているのかな?
タリオンまで顔色悪いのはなんでかな?
「アン、ドリューくん・・・?テメェ、見込み薄くないか?」
なんのことだか?
はっ、もういいわ。
さっさと、終わらしましょう。
近くの空いている天幕に移動して、タリオンとサジュ、と共に話を聞くことにしました。
彼の名前はタリュン。
大道芸を主にしているグループのリーダーだそうだ。
こういうところだから彼の名前も偽名でしょう。
訳ありの人物は多いです。時には犯罪者もいます。
でも、円満なのはタリオンがいるからです。剣の腕前も喧嘩も馬術も右に出るものはこのタロ=タジェロにはいません。
私やテリーでさえ無理です。二人がかりならいけるかな?
きっと、彼に勝てるとしたら伝説と言われる、剣姫だけかもしれません。
彼女は既にいませんが・・・。
兎も角、タリュンに聞いてみましょう。
「セジャルス王国に行った期間と、印象に残った人はいる?」
「セジャルス王国・・・ああっ、うん、行ったね。三ヶ月公演だった。印象に・・・あっ、スンゲェ美人の貴族のお嬢ちゃんが毎日通ってたわ」
「どんな感じだった?」
「ピラピラのドレスに、邪魔になりそうな帽子被ってんだぜ、目立つよな。お供が10人くらいいて、周りがヘコヘコしてんだ」
「誰を目的だった?」
「あれ、売ればいくらくらいするか、みんなで言ってだんだよ。よく物取りに囲まれなかったよな~」
うん、もどかしいな・・・。
欲しい回答言ってくれないかな?
つい、手がね、手が~動いて、締め上げちゃったじゃない。
「キリキリ吐いてくれない?」
「ぎゃあ~っっ、わあった。わかったから、やめてくれ!タリオン団長、ギブギブっスから助けてっっ」
渾身の悲鳴です。
腹立つな。
このくらいで、男のくせに!!
ぐっっ!
ぐえっ・・・
「メリア・・・。お前凶暴化に拍車かかってないか・・・。学園でストレスためてるのか・・・」
チラリ
ビクッ
「お前ら何してるんだ?」
「・・・エンリュリッヒ様からの依頼が今一番頭が痛くて・・・」
「受けたのは君だよ。風避け役の恋人なだけじゃないか」
「暴風避けですっ!」
「お前らいちゃつくのはいいが周りは巻き込むな」
「いちゃついてな~い!」
グエエッ・・・プシュッ・・・
あっ、伸びた!
話が聞けなくなるぅ!!
起きろ~!!
バキッ!!
「アメリア!!」
タリオンに怒られましたっ。
誰が誰の恋人か!
調子に乗って『俺』とか言ってるし、ああぁ、ヤダヤダ。
つい、ボディーブローしちゃったじゃないの!どうしてくれるの!
ダメダメ、笑って、人前だから、猫を被らなきゃ。
「エンリュリッヒ様~?おかえりなさい。お話終わりましたぁ~?今からが本番ですが、先に帰っていただいて結構ですわよ~」
あら、なぜみなさままで、あさって向いているのかな?
タリオンまで顔色悪いのはなんでかな?
「アン、ドリューくん・・・?テメェ、見込み薄くないか?」
なんのことだか?
はっ、もういいわ。
さっさと、終わらしましょう。
近くの空いている天幕に移動して、タリオンとサジュ、と共に話を聞くことにしました。
彼の名前はタリュン。
大道芸を主にしているグループのリーダーだそうだ。
こういうところだから彼の名前も偽名でしょう。
訳ありの人物は多いです。時には犯罪者もいます。
でも、円満なのはタリオンがいるからです。剣の腕前も喧嘩も馬術も右に出るものはこのタロ=タジェロにはいません。
私やテリーでさえ無理です。二人がかりならいけるかな?
きっと、彼に勝てるとしたら伝説と言われる、剣姫だけかもしれません。
彼女は既にいませんが・・・。
兎も角、タリュンに聞いてみましょう。
「セジャルス王国に行った期間と、印象に残った人はいる?」
「セジャルス王国・・・ああっ、うん、行ったね。三ヶ月公演だった。印象に・・・あっ、スンゲェ美人の貴族のお嬢ちゃんが毎日通ってたわ」
「どんな感じだった?」
「ピラピラのドレスに、邪魔になりそうな帽子被ってんだぜ、目立つよな。お供が10人くらいいて、周りがヘコヘコしてんだ」
「誰を目的だった?」
「あれ、売ればいくらくらいするか、みんなで言ってだんだよ。よく物取りに囲まれなかったよな~」
うん、もどかしいな・・・。
欲しい回答言ってくれないかな?
つい、手がね、手が~動いて、締め上げちゃったじゃない。
「キリキリ吐いてくれない?」
「ぎゃあ~っっ、わあった。わかったから、やめてくれ!タリオン団長、ギブギブっスから助けてっっ」
渾身の悲鳴です。
腹立つな。
このくらいで、男のくせに!!
ぐっっ!
ぐえっ・・・
「メリア・・・。お前凶暴化に拍車かかってないか・・・。学園でストレスためてるのか・・・」
チラリ
ビクッ
「お前ら何してるんだ?」
「・・・エンリュリッヒ様からの依頼が今一番頭が痛くて・・・」
「受けたのは君だよ。風避け役の恋人なだけじゃないか」
「暴風避けですっ!」
「お前らいちゃつくのはいいが周りは巻き込むな」
「いちゃついてな~い!」
グエエッ・・・プシュッ・・・
あっ、伸びた!
話が聞けなくなるぅ!!
起きろ~!!
バキッ!!
「アメリア!!」
タリオンに怒られましたっ。
6
あなたにおすすめの小説
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
つかれやすい殿下のために掃除婦として就くことになりました
樹里
恋愛
社交界デビューの日。
訳も分からずいきなり第一王子、エルベルト・フォンテーヌ殿下に挨拶を拒絶された子爵令嬢のロザンヌ・ダングルベール。
後日、謝罪をしたいとのことで王宮へと出向いたが、そこで知らされた殿下の秘密。
それによって、し・か・た・な・く彼の掃除婦として就いたことから始まるラブファンタジー。
【本編完結済み】二人は常に手を繋ぐ
もも野はち助
恋愛
【あらすじ】6歳になると受けさせられる魔力測定で、微弱の初級魔法しか使えないと判定された子爵令嬢のロナリアは、魔法学園に入学出来ない事で落胆していた。すると母レナリアが気分転換にと、自分の親友宅へとロナリアを連れ出す。そこで出会った同年齢の伯爵家三男リュカスも魔法が使えないという判定を受け、酷く落ち込んでいた。そんな似た境遇の二人はお互いを慰め合っていると、ひょんなことからロナリアと接している時だけ、リュカスが上級魔法限定で使える事が分かり、二人は翌年7歳になると一緒に王立魔法学園に通える事となる。この物語は、そんな二人が手を繋ぎながら成長していくお話。
※魔法設定有りですが、対人で使用する展開はございません。ですが魔獣にぶっ放してる時があります。
★本編は16話完結済み★
番外編は今後も更新を追加する可能性が高いですが、2024年2月現在は切りの良いところまで書きあげている為、作品を一度完結処理しております。
※尚『小説家になろう』でも投稿している作品になります。
【完結】私、噂の令息に嫁ぎます!
まりぃべる
恋愛
私は、子爵令嬢。
うちは貴族ではあるけれど、かなり貧しい。
お父様が、ハンカチ片手に『幸せになるんだよ』と言って送り出してくれた嫁ぎ先は、貴族社会でちょっとした噂になっている方だった。
噂通りなのかしら…。
でもそれで、弟の学費が賄えるのなら安いものだわ。
たとえ、旦那様に会いたくても、仕事が忙しいとなかなか会えない時期があったとしても…。
☆★
虫、の話も少しだけ出てきます。
作者は虫が苦手ですので、あまり生々しくはしていませんが、読んでくれたら嬉しいです。
☆★☆★
全25話です。
もう出来上がってますので、随時更新していきます。
家族から冷遇されていた過去を持つ家政ギルドの令嬢は、旦那様に人のぬくもりを教えたい~自分に自信のない旦那様は、とても素敵な男性でした~
チカフジ ユキ
恋愛
叔父から使用人のように扱われ、冷遇されていた子爵令嬢シルヴィアは、十五歳の頃家政ギルドのギルド長オリヴィアに助けられる。
そして家政ギルドで様々な事を教えてもらい、二年半で大きく成長した。
ある日、オリヴィアから破格の料金が提示してある依頼書を渡される。
なにやら裏がありそうな値段設定だったが、半年後の成人を迎えるまでにできるだけお金をためたかったシルヴィアは、その依頼を受けることに。
やってきた屋敷は気持ちが憂鬱になるような雰囲気の、古い建物。
シルヴィアが扉をノックすると、出てきたのは長い前髪で目が隠れた、横にも縦にも大きい貴族男性。
彼は肩や背を丸め全身で自分に自信が無いと語っている、引きこもり男性だった。
その姿をみて、自信がなくいつ叱られるかビクビクしていた過去を思い出したシルヴィアは、自分自身と重ねてしまった。
家政ギルドのギルド員として、余計なことは詮索しない、そう思っても気になってしまう。
そんなある日、ある人物から叱責され、酷く傷ついていた雇い主の旦那様に、シルヴィアは言った。
わたしはあなたの側にいます、と。
このお話はお互いの強さや弱さを知りながら、ちょっとずつ立ち直っていく旦那様と、シルヴィアの恋の話。
*** ***
※この話には第五章に少しだけ「ざまぁ」展開が入りますが、味付け程度です。
※設定などいろいろとご都合主義です。
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる