【完結】結び屋 アメリア・ブロー〜他人の幸せを結んでいますが、自分の幸せの相手には気付きません〜

彩華(あやはな)

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四十一話、サーシャス王女殿下とラフィス王女殿下

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 学園です。休み明けの学園ほど憂鬱な物はありません。
 アルゼルト王太子殿下に内密に・・・学園長室で会い報告した。
 念のためマキシムの裏取りをとってもらうことにし、サーシャス王女殿下の情報をもらいました。

「では、別れさせの方向で動きます。殿下と結びに持っていきますか?」
「いや、それはいい・・・。とは正直無理だ・・・」

 言っちゃいましたね。
 無理なんですね・・・。

 資料を見る限り、うん、かなり惚れっぽいし、独占欲強い割に飽きっぽい、しかも我儘で意識過剰。

 殿下の好みは大人しくて一途な女性ですもんね。

 ちなみになぜ知ってるのか?
 それは・・・愚痴るんですよ。こんな子いないかな~とか、あの子可愛かったのに!とか。
 面倒臭い上司なのです。
 わたしと?
 あるわけない。だって・・・、わたしは弱い人は嫌いだし。
 殿下の好みと大きく外れてますからね。
 でもね、殿下。
 大人しくて可愛い、一途な女の子ってそうそういませんからね。現実見ましょうね。


 サーシャス王女とラフィス王女は幼い頃から友人だそうです。
 そもそも、王族内でも交遊関係だそうで仲がよいそうです。

 アルゼルト殿下の妹、ラフィス殿下は幼いころからセジャルス王国に遊学に行かれました。サーシャス殿下と共に遊び学んだのです。
 人質では決してありません。
 そこを取り違える方もいるそうですが、仲が良過ぎての事だそうです。

 この度サーシャス殿下の追っかけに合わせて帰国された次第です。

 マロン様たちの教室を覗くと、お二方はクラスメイトと楽しそうにご歓談でした。

 他のご友人もできたみたいです。

 ミッシェル様が気づかれ、マロン様、ポニー様とこちらに来られました。

「アメリア、昨日はどうでした?」
「ハズレ案件で、いろいろ悩んでいます」
「違うわよ。エンリュリッヒ様のことよ!」
「どう、と言われましても・・・」
「進展は?」
「なにもないの?」

 この人達は・・・。

「それより、どうですか?王女殿下方は?」

 強引に聞き返しました。

 あれ・・・?

 困り顔?なぜ?

「う~ん・・・、何というか、やっかい?」
「思い込みが激しい?」
「箱入り?」
「甘い、空想に入ってる?」

 あああぁぁぁっ、なんとなくわかりました。

 外の現実を甘く見た、心乙女の夢を食べて生きる甘々人なのですね。

 それは厄介だ・・・。

 では、現実を見てもらわないといけませんね。
  ふふっ。

 潰してもいいかな~。

 殿下に許可貰いましょうか。
 そうと決まれば、
わたしはマロン様たちにお礼を言って、来た道を引き返しました。
 
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