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四十七話、サーシャス視点3
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私は準備をした。
こっちに持って来ていた、宝石を侍女に頼んでお金に替えてもらい、ドレスも、動きやすい平民の服に変えさせた。
侍女にバレないようにお忍び遊びのためと言い含め、いくつかの宝石をあげた。
そして、休みの前日の夜、寝静まった城を抜け出し、彼の元へ急いだ。
城から走って行くなんて、自分でも驚いた。やろうと思えばなんだってできるんだわ。
タロ=タジェロはまだ、騒がしかった。今日の出来自慢の声がする。
お酒も入っているのか、私のことなど気にかけない。
「マキシム?」
待ち合わせの場所に行くと、彼は既にいた。
かっこいい・・・。
劇に出てくる・・・いえ、時たま見かける冒険者の格好。
剣も腰にさしている・・・。
「サーシャ。大丈夫だったかい?」
「うん」
頷くと、彼は安心したように笑った。
「行こう。バレる前にここを出ていこう」
「ええ」
私たちは手を取り合ってその場を去った。
王都初の乗り合い馬車に乗り込む。
こんな小さくて、座り心地の悪い馬車は初めてだったが、マキシムとのこれからを考えると、楽しみと希望が勝り、どうでもよかった。
お尻が痛くなるものの、眠気には勝てずうつらうつらしてしまう。
「サーシャ、一眠りしていいよ。目が覚めたら、新天地だ」
「うん・・・」
令嬢としての恥じらいはあったが、マキシムといる安心で私は目を閉じた。
目を覚ますと、そこは見たことない天井が見えた。固いベッドに寝ていたせいか、身体が痛い。
「マキシム・・・」
「起きたかい、サーシャ・・・」
既にマキシムは起きていた。
服が変わってる。
小汚い服・・・。
「ここは?」
「知り合いの・・・宿屋だ。しばらくここで働いて次に行くようになる」
「働く・・・、私、お金を持ってきてるの。早く次に行きましょう」
「ダメだ!」
「マキシム?」
「君は、貴族だ。何も知らない・・・お嬢様がいきなり田舎に行くと目立つ・・・。しばらく練習してから、田舎に行った方が・・・目立たない・・・」
「そう、なの・・・」
私、やれるのかしら。
何もしたこといわ・・・。
ううん、やるのよ。
なんだってできるわ、彼のためなら・・・。
でも、現実は甘くはなかった・・・。
一階の食堂
注文も取れない私は皿洗い・・・。
長時間手を水にさらしたことはないわ。
手が痛いわ。チクチクするの。
ぷよぷよしてきたわ。
病気?ちがう?
お皿が重い。
こんなに重いなんて知らなかった。
ベタベタするわ。
手が滑る。
落としたら割れる。
怒られる!
水を大切に?
なにそれ?
いつでも言えばでてくるんじゃないの?
水がなくなれば井戸?
井戸ってなに?
汲む?どうやって汲むのよ?
わかんない。わかんない、わかんない。
なんで、私がしなきゃいけないの?
私は、私は王女よ!!
料理は料理人がして、メイドが運んでくれるの!
立派な料理を優雅に食べるの!
マナーに則って小さな口で、音をたてないで食べるの!
なのに、何ここ?
ガヤガヤとうるさい。おしゃべりして、音を立てて食べてる。
汚い!!
綺麗に食べなさいよ!!
見窄らしい格好。
綺麗な服はないの?
見るだけで目が汚れそう。
私、帰りたい!!
こっちに持って来ていた、宝石を侍女に頼んでお金に替えてもらい、ドレスも、動きやすい平民の服に変えさせた。
侍女にバレないようにお忍び遊びのためと言い含め、いくつかの宝石をあげた。
そして、休みの前日の夜、寝静まった城を抜け出し、彼の元へ急いだ。
城から走って行くなんて、自分でも驚いた。やろうと思えばなんだってできるんだわ。
タロ=タジェロはまだ、騒がしかった。今日の出来自慢の声がする。
お酒も入っているのか、私のことなど気にかけない。
「マキシム?」
待ち合わせの場所に行くと、彼は既にいた。
かっこいい・・・。
劇に出てくる・・・いえ、時たま見かける冒険者の格好。
剣も腰にさしている・・・。
「サーシャ。大丈夫だったかい?」
「うん」
頷くと、彼は安心したように笑った。
「行こう。バレる前にここを出ていこう」
「ええ」
私たちは手を取り合ってその場を去った。
王都初の乗り合い馬車に乗り込む。
こんな小さくて、座り心地の悪い馬車は初めてだったが、マキシムとのこれからを考えると、楽しみと希望が勝り、どうでもよかった。
お尻が痛くなるものの、眠気には勝てずうつらうつらしてしまう。
「サーシャ、一眠りしていいよ。目が覚めたら、新天地だ」
「うん・・・」
令嬢としての恥じらいはあったが、マキシムといる安心で私は目を閉じた。
目を覚ますと、そこは見たことない天井が見えた。固いベッドに寝ていたせいか、身体が痛い。
「マキシム・・・」
「起きたかい、サーシャ・・・」
既にマキシムは起きていた。
服が変わってる。
小汚い服・・・。
「ここは?」
「知り合いの・・・宿屋だ。しばらくここで働いて次に行くようになる」
「働く・・・、私、お金を持ってきてるの。早く次に行きましょう」
「ダメだ!」
「マキシム?」
「君は、貴族だ。何も知らない・・・お嬢様がいきなり田舎に行くと目立つ・・・。しばらく練習してから、田舎に行った方が・・・目立たない・・・」
「そう、なの・・・」
私、やれるのかしら。
何もしたこといわ・・・。
ううん、やるのよ。
なんだってできるわ、彼のためなら・・・。
でも、現実は甘くはなかった・・・。
一階の食堂
注文も取れない私は皿洗い・・・。
長時間手を水にさらしたことはないわ。
手が痛いわ。チクチクするの。
ぷよぷよしてきたわ。
病気?ちがう?
お皿が重い。
こんなに重いなんて知らなかった。
ベタベタするわ。
手が滑る。
落としたら割れる。
怒られる!
水を大切に?
なにそれ?
いつでも言えばでてくるんじゃないの?
水がなくなれば井戸?
井戸ってなに?
汲む?どうやって汲むのよ?
わかんない。わかんない、わかんない。
なんで、私がしなきゃいけないの?
私は、私は王女よ!!
料理は料理人がして、メイドが運んでくれるの!
立派な料理を優雅に食べるの!
マナーに則って小さな口で、音をたてないで食べるの!
なのに、何ここ?
ガヤガヤとうるさい。おしゃべりして、音を立てて食べてる。
汚い!!
綺麗に食べなさいよ!!
見窄らしい格好。
綺麗な服はないの?
見るだけで目が汚れそう。
私、帰りたい!!
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