【完結】結び屋 アメリア・ブロー〜他人の幸せを結んでいますが、自分の幸せの相手には気付きません〜

彩華(あやはな)

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閑話〜サーシャス殿下家出の裏

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 タロ=タジェロの公演にでてます。
 以前殴ってしまったタリュンの代わりを勤めています。わたしの休みの日限定なのだが、昨日のこともあり、マキシムに打ち合わせをするため、学園にやってきたら、突如出演が決まったのです。

 と言っても、サジュにマナー講座を開いてもらっているので、二日に一度、放課後に来てはいるのですが。

 身元がバレないように、目元が隠れる仮面を被ります。

 マキシムの動きはカッコつけなので単調で絡みやすい。少し物足りないかな?

 彼はあれから、タリオンにみっちりとしごかれたようで、詐欺的行為を活かせる演劇へとが終われば変わることが決まった。タリオンとサジュに絶対服従でしょう。

 二人での演目を終え、バックハードに戻って着替えていると、マキシムにお客が・・・。
 もちろんサーシャス殿下です。

 マキシムにしっかりと流れを説明した後、彼女に会ってもらいました。

 わたしは天幕の後ろへと行き、盗み聞きします。

〈上手くいきそうかい?〉


 小声で声をかけてきたサジュと一緒に聞く。



〈「だから、逃げるしか・・・静かに暮して・・・田舎、誰も知らない田舎に行こうと、思っています」
「私・・・私も行くわ」
「サーシャ・・・?」
「私も貴方についていく、それならいいでしょう」
「サーシャ・・・」〉


 食いついた。
 予定通りにいきそう。


 サーシャス殿下が出て行ったあと、マキシムに会いに天幕のにサジュと一緒に入った。

「よかったんですよね?」

 泣きそうなマキシム。震えてる。
 今まで散々嘘をついて騙してきたのに今さらなのに。
 まあ、隣の国の王女様を騙すのだから今後が怖いのは当たり前かな。自業自得でしょうに。


「アルゼルト殿下から許可はもらってるし、大丈夫、大丈夫。サジュ、人手いい?」
「関わらないって言ったのに。でも、面白そうだし、構わないよ。奴らも気分転換は必要だし、いろいろ、貸し切ったらしいじゃないか?」
「他人持ち費用って楽しいわ~」

 ほんと、費用を考えずにやりたい、放題最高~!

 父さんにもどう言う事をしたいか手紙で相談したところ、いい場所があるよっと、テリーと一緒に集めた資料を送ってきてくれた。

 うわぁ~、いるところにらいるんだなぁ・・・。

 それを持って、アルゼルト殿下のところに行き全てを丸投げ。

 賄賂や通行税などなど不正のオンパレードの伯爵様のお裁きはわたしはできません。
 殿下に託して、わたしはわたしの仕事をするのです。
 泣くアルゼルト殿下を横目に自分の仕事を準備しました。

 乗り合い馬車の用意に宿屋の酒場や食事の用意、城の中の準備。

 エンリュリッヒ様使いました。
 レックス様たちにも協力してもらいました。
 お知り合いの商人を紹介してもらい、安く品物を仕入れて、タロ=タジェロのお休み方を集めて、演技してもらいました。
 城の中・・・管理はレックス様とマロン様担当でしたし、ミッシェル様とポニー様たちは酒場で仕事を手伝ってもらいました。

 サーシャス殿下の行動一つで変わるこの計画、変更も頭に入れて動きましたよ。
 わたしが自由に動けるようにエンリュリッヒ様がサポートしてくれました。

 おかげでわたしは素晴らしい領主の娘役ができたのです。

 ほんと、疲れました。

 少しやり過ぎた感はありました。
 でも、彼女・・・サーシャス殿下は考えてくださいました。
 見つめ直してくれました。
 そんな彼女に、敬意をはらう、だけです。

 
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