異世界で吸血鬼の王の力を手に入れた

海木海

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第二章

第二話 二度目のギルド

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 新しい街というのは新鮮な楽しさがある。
 やっとで着いた街。
 ティーファにフードを被るようお願いして、俺たち三人はそんな街を散策する。
 こんな街に来た以上、冒険者としてしなくてはいけないことがある。それはギルドへ行くことである。
 街の人々に聞き込みをして、俺たちはギルドへ向かった。
 ギルドの建物は前と変わらず、木造の古びた建物だった。内装はさほど変わらない。奥のカウンターの女性が笑顔を向けてきた。
 エミリアさんみたいに美人の女性だ。
 そんな女性には一度言わなくてはいけないことがある。
「初めまして。ようこそ。冒険者様」
「お名前は?」
「はい。ルーナと申します」
「ルーナさん。今晩お食事でも」
「イツキさん?」
 ただ、今回は後ろにティーファとリーリアがいる。リーリアはさほど気にした様子ではなかったが、ティーファは別だ。
 鬼のような形相をしている。
「イツキさん? どうしてお食事に誘うのですか?」
「綺麗な方に失礼がないように」
「それならまず私から」
「ティーファは綺麗じゃないのでしょ」
「リーリアちゃん、今の言葉忘れませんからね」
 するとルーナさんが笑いだして。
「お連れの方がいるのに私を誘うとは、大変軽い男なのですね。ちなみにですが、お断りさせていただきます」
「ですよね」
「はい。それでご用件は何でしょう? 失礼ですが、冒険者様であられますよね?」
「はい。冒険者です」
 俺は手の数字を見せる。
「お名前はイツキさんですよね?」
「そうです」
「あら」
 名前を確認してきたルーナさんは再び俺の手の数字を見て、下の紙に目を落とす。
 その紙というよりも書類に俺の名前があった。
「良かった。実は私たちギルドはあなたのことを探していました」
「探していた?」
「おめでとうございます。昇格申請が届き、幾つものチェックと並々ならぬ活躍から見事通ることになりました」
「つまり?」
「あ、もうそんな時期か」
 俺の後ろでリーリアがそんなことを小さく呟く。
 ルーナさんは以前笑顔で。
「6から5へ、初心者から駆け出しの冒険者になることができます」
「本当ですか?」
 その言葉に俺は嬉しくなる。
 やっとで認められた気がしたからだ。
「後ろの方たちも冒険者ですか?」
「私はそう」
 リーリアも手の数字を見せる。
「お名前は?」
「リーリアです」
「リーリア様は残念ながら、通ることはありませんでした」
「やっぱり」
 俺はそんな会話に疑問を感じ、後にリーリアに昇格について少し聞いてみた。
 すると一定の時期を開けて、定期的に全冒険者の審査が行われるらしい。これ以外にも昇格する方法は存在するらしいが、これが一般的だとのこと。
 魔法が施された手の数字はそう簡単には消えない。しかしルーナさんの手にかかれば簡単に消えてなくなった。
 俺の手に5の数字が押される。
「すみません。話の腰を折ってしまいました。それでわがギルドに何用ですか?」
「そうでした。この街にレフという男がいますよね?」
 俺がギルドへ行きたかったのは、冒険者として幾つか依頼も受け、お金を稼ぐべきだとも考えたからだが、何よりこれがしたかった。
「はい。いますが、何故?」
「彼について聞きたいのですが」
 レフという男を知らない。
 レフがどこに住み、どういった容姿なのか。それが分からなければ、彼を探すことなどできるわけがない。
 ルーナさんにとって、こんな質問は謎でしかない。というよりもリーリア、そしてティーファにとってもそうである。
 ただ、その後聞いたレフと言う男について、俺は様々なことを知ることができ、俺にとって有意義なものだった。


 ギルドを離れた俺たちは、宿を探すことにした。
 大きな街で、行きかう人々も多く。活気に満ち溢れている。
 大小さまざまな店が並ぶ。
 そのため宿は簡単に見つかるのだが。
「ティーファがいるから、ギルドの宿は止めた方が良いし」
「かといって、民間の宿は高いですね」
 綺麗な宿を見つけては、宿の店主に部屋代を聞く。
 相場は銀貨4枚からが多いらしい。借りる部屋の数は二つだろうから8枚。少し高い。
 だから少しでも安い宿を探そうと歩きまわるのだが、安くても銀貨3枚が限界だった。ただそこは他の宿と比べるとあまりにも汚かった。たった銀貨1枚でここまで変わるのかと驚くほど外装も内装も酷いものだった。
「もう少し安くて良い宿はないかな」
「難しいですよね」
 ティーファが俺の小さな呟きに律儀にも答えてくれる。
「別に良いじゃない高くても綺麗な宿で」
 リーリアがそんなことを言う。
 まあ、確かにそうだが。
「さっきギルド見た時、全然冒険者がいなかったから、この街にはそもそも冒険者がいないだろ?」
「そうね。こんな大きな街だもの。兵がしっかりしてるからモンスターが襲ってくることもないでしょうし。モンスター関係の依頼のために街の外に出るだけでも、心折れるわね」
「だから出来ればこの街で依頼をこなしたくはないなと。そんなことに時間を費やしたくない」
「でもあの宿なら私は自腹斬って、きれいな宿に泊まるわよ?」
「一緒の部屋に泊れば良いじゃないですか」
 ティーファがそんなことを言った。
「ティーファとイツキはそうでよくても、私はいやだ」
 しかしリーリアは頑固としてその姿勢で。それが普通なはずなのに、それに俺は少し感動する。
 そんな俺たちの声を盗み聞きしていたのか。
 一人の少女が俺たちの方に歩み寄ってきた。
「ねぇねぇ」
「はい?」
 知らない人に急に話しかけられ戸惑う俺。
 するとその少女はこんなことを言ってきた。
「宿をお探しなら、良い宿を知っていますよ」

 それが少女、エレーナとの出会いだった。
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