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【待ち合わせは マクドナルドで 】
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たった五日間だけど、三人で過ごした日々は、優吾の中で、忘れがたいものとなった。
夜も更けた頃、上野公園前にあるマクドナルドの店内の下ろされたシャッターには、無数の怪しい影が写っていた。
今し方、一、二階の店内は、照明が消された。
三階だけが、明かりがついている。
「メンテナンスのバイトの人間はどうしたかな? 」
長老のアイアイがゴリラの方を向いて尋ねる。
すると、ゴリラは頷(うなず)きながら、非常口の方を指さした。
「なあに、キングコングのパンチ、炸裂! てなところです。あっちの部屋でのびてますよ」
ゴリラの隣に座っていたケープペンギンが、面白可笑しそうに手をパタつかせる。
このペンギンは、キングコングとゴリラの区別がつかない。
キングコングと言われたゴリラは、何か言いたそうな顔でペンギンの方を見る。
「手荒な真似はしなかったろうね」
長老が尋ねると、ゴリラはコクリとうなずいてみせる。
ゴリラの後ろでは、トラやライオンが置いてある椅子の足を次々に口にくわえて、部屋の隅に放り投げている。
その度にものすごく大きな音がして、ケープペンギンの身体はビクッとなる。
今日はシロクマも来ている。
トラたちの隣では、シロクマがテーブルをつかんでは部屋の隅に積み上げていく。
やがて、三階の店内の中央には、広々としたスペースができた。
そこへアニマルランドの幹部連一堂が、順々に腰を下ろして車座になっていく。
長老のアイアイ、ゴリラ、トラ、ライオン、ケープペンギン、シロクマ、ジャイアントパンダ、それから今夜はカンガルーも来ている。
ふいに、どこからともなく白フクロウが飛んできて、ゴリラの肩にとまる。
「ふうっ。間に合ったですな。みなさんおそろいで」
白フクロウは一息つくと、ぐるりとみんなの顔を見回す。
そして、気がついたように言った。
「はて、今夜もリクガメのじいさんの姿が見えませんな」
その時、どこからともなく声が上がった。
「わしゃあ、ここにいるぞい! 」
白フクロウをはじめとしたみんなが、辺りを見回しても、リクガメの姿は見つからない。
「どっちを見ているのだ。ここだよ。ここ」
〈続く〉
夜も更けた頃、上野公園前にあるマクドナルドの店内の下ろされたシャッターには、無数の怪しい影が写っていた。
今し方、一、二階の店内は、照明が消された。
三階だけが、明かりがついている。
「メンテナンスのバイトの人間はどうしたかな? 」
長老のアイアイがゴリラの方を向いて尋ねる。
すると、ゴリラは頷(うなず)きながら、非常口の方を指さした。
「なあに、キングコングのパンチ、炸裂! てなところです。あっちの部屋でのびてますよ」
ゴリラの隣に座っていたケープペンギンが、面白可笑しそうに手をパタつかせる。
このペンギンは、キングコングとゴリラの区別がつかない。
キングコングと言われたゴリラは、何か言いたそうな顔でペンギンの方を見る。
「手荒な真似はしなかったろうね」
長老が尋ねると、ゴリラはコクリとうなずいてみせる。
ゴリラの後ろでは、トラやライオンが置いてある椅子の足を次々に口にくわえて、部屋の隅に放り投げている。
その度にものすごく大きな音がして、ケープペンギンの身体はビクッとなる。
今日はシロクマも来ている。
トラたちの隣では、シロクマがテーブルをつかんでは部屋の隅に積み上げていく。
やがて、三階の店内の中央には、広々としたスペースができた。
そこへアニマルランドの幹部連一堂が、順々に腰を下ろして車座になっていく。
長老のアイアイ、ゴリラ、トラ、ライオン、ケープペンギン、シロクマ、ジャイアントパンダ、それから今夜はカンガルーも来ている。
ふいに、どこからともなく白フクロウが飛んできて、ゴリラの肩にとまる。
「ふうっ。間に合ったですな。みなさんおそろいで」
白フクロウは一息つくと、ぐるりとみんなの顔を見回す。
そして、気がついたように言った。
「はて、今夜もリクガメのじいさんの姿が見えませんな」
その時、どこからともなく声が上がった。
「わしゃあ、ここにいるぞい! 」
白フクロウをはじめとしたみんなが、辺りを見回しても、リクガメの姿は見つからない。
「どっちを見ているのだ。ここだよ。ここ」
〈続く〉
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