ジャイアントパンダ伝説

夢ノ命

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【荒廃とした光景】

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夜空の一点に浮かんだまま、優吾は自分が星にでもなったような気がした。

でも、すぐにそんな考えは打ち消された。

顔を覆った両手を外すと、すぐ眼下に見えたのは、人気のない景色だった。

そう、優吾は上野公園の頭上50メートル辺りに浮かんでいるようだった。

優吾は何気なく公園の中を眺めてみた。

シンと静まり返って、誰一人歩いていない。

全く無人のようだった。

そればかりか、優吾は公園を眺めているうちに、それが見たこともない異様な光景であることに気がついた。

公園内の木という木が、まったく葉をつけていないのだ。

そればかりか、木々の様子はどこか変だった。

倒れているものや、幹がねじれたり折れ曲がっているもの、あきらかに朽ちて折れてしまっているもの、

焼けて炭になった木々もある。まるで山火事の後の荒廃とした光景のようだった。

優吾はふと、空に浮いたまま、動物園のほうに目を向けた。

しかし、それらしきものは、見当たらない。

入場門も動物たちの小屋も、跡形も無くなっている。

これはいったいどう説明がつくのだろうか。

たとえ夜だとしても、見間違えるはずはない。

何しろお園全体が木々を失い、ハゲ山のように、むき出しになっている。

地上50メートルの空の上から、優吾はゆっくりと真下に降りていった。

自分の意志で降りているのだろうか。

それは優吾にも分からない。

やがて、地面に降り立ち、辺りを見回してみると、そこは荒れ地以外のなにものでもなかった。

鳥さえ近寄ってこないと思える景色が、目の前に広がっている。

いったいあのカップルで賑わっていた公園はどこへ行ってしまったのだろうか? 

優吾は呆然と立ちすくむ。



〈続く〉
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