サンタクロースの誕生日

夢ノ命

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サンタクロース日本へ行く

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◇◆◇


ラップランドの小さな村で暮らすサンタクロースが、手紙をくれた日本の少女に会いに行ったのは、山の雪が静かにゆっくりと溶けだした3月の終わり頃でした。


サンタクロースが日本に着くと、まずはじめに驚いたのは、あたりがピンク色だったことです。


あの日本人が慣れ親しんだ桜の花びらが舞い散る光景を、このときサンタクロースは、はじめて目にしました。


『これは、ゆかいな天の贈り物じゃ』


サンタクロースは、さっそく女の子の住んでいる家に向かいました。


ここから、桜並木をまっすぐ歩いていって、つきあたりを右に曲がってすぐの白い家がまみちゃんのお家です。

サンタクロースはもちろん、赤い服は、着ていませんでした。ふだんは、普通の格好をしています。


ジーンズの上にうす紅色のチェックのワイシャツ。その上にパリッとした薄手のジャケットをきていました。


頭には、ベレー帽をのせて、黒いまるブチのメガネをかけ、ふさふさした口ひげと、ヤギのように長いあごひげをのばしています。


おでこや目のふちのシワは、真横に川の字をつくってのびていました。
すれ違う人たちからは、よく学者さんや大学の講師に間違われました。


サンタクロースは、まみちゃんの家の前に来ると、玄関のチャイムを鳴らしました。


『どちらさまでしょうか?』


『今日◯◯大学に赴任したばかりの白山と申しますが、道順が分からなくなってしまいました。よろしかったらちょっと教えていただきたいのじゃが……』


『それでしたら……』


しばらくすると、まみちゃんのお母さんらしい人が玄関から出てきて、大学までの行き方を教えてくれました。


『ありがとうございます。ご親切に感謝します』


サンタクロースは、帽子をぬいで、深々とおじぎしました。
その時、サンタクロースは、ささやくようにつぶやきました。


『頼むぞ』


サンタクロースの帽子から、何かが飛び出して、まみちゃんのお母さんの後ろからついていって、一しょに玄関から家の中に入っていきました。


それからしばらく、サンタクロースは、桜並木を散歩しながら、桜の花びらが降る光景を楽しみました。



『天の贈り物とは、はかなきこと、美しきことから、命の尊さが見えてくることじゃな』

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