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本編
転生と再会
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それは唐突だった。
毎月恒例の家族が多いと幼馴染一家が揃った朝食の席。使用人が配膳する料理、パンの良い香り、父が本を捲る音。
突然涙が溢れ出したのだ。
「アインハルト? どうしたの?」
「大丈夫か?」
普段だったらすぐ返す母と父の声に反応できない。口が動かない。
……そして。
涙がふと止まった、その瞬間だった。
記憶が僕の中に傾れ込んできた。
「僕はアインハルト——」
違う。違う違う違う!
僕はアインハルト・ヴィクターじゃない。
「僕は、雨宮透だ……」
——学校の帰り道。
——空の声。
——画面を見てアホを晒す自分。
——トラックのブレーキ音。
——空の焦った顔。
——空に叫んだ自分の声。
——そして、闇。
(ああ……僕、死んだんだ)
原作厨だった前世。
親友だった空。
全てがあの瞬間終わってしまった。
「大丈夫かい」
父の声に今度はしっかりと返す。
「はい、すこし悪夢を見てしまって。マクシミリアンも侯爵も夫人も失礼しました」
「全く問題ない。な、親父、お袋!」
「お前はアインハルトくんを見習いなさい」
侯爵がバシッとマクシミリアンの頭を叩く音がする。
これが、今の僕の日常。これから僕はここで生きていくんだ。
朝食後、自分の部屋に帰って鏡の前に立つ。
まだ、前世を思い出したばかりで自分が自分でないような、不思議な感覚がする。
今の自分、アインハルトはなんともキラキラした容姿をしている。
前世と髪は黒で同じだが、目は宝石のような淡い紫。顔は目が吊り目がちの猫目、左右対称で整っている。
前世の平凡とは比べ物にならないほど綺麗な顔だ。
(すんごいイケメン……? てか、美人?)
思わずそう呟いて、クスッと笑う。
そして、クスッと笑ったその顔にふと既視感を覚えた。
——そして思い出す。
(これ、読んでた小説のキャラじゃん!)
前世で積読になっていたファンタジー小説。
表紙を飾っていたそのキャラの顔。
キャラの名前は「アインハルト・ヴィクター」。
——間違いない。
「え、僕、原作のある世界に転生してんの!?」
しばらくは混乱しっぱなしだったが、やっと落ち着いてきた。
深呼吸をして落ち着き、鏡を見つめ直す。
(よく考えたら、これってテンプレじゃんか)
前世でトラックに轢かれて、小説の世界に転生。しかも自分が読んでた小説の中。
(まさか、自分が当事者になるなんて……)
でも、原作厨なるもの、原作を忠実に守って行動しなければ。
たしか、アインハルト・ヴィクターというキャラは貴族の家に生まれて——。
「あれ、原作読んでないじゃん!」
そうだ。前世の僕は帯に惹かれて買ったけど、まだ小説自体は読んでなかったんだ!
「うわ、これは原作厨としてまずい。まずすぎる」
「何呟いてんだよ」
「うわぁあああ!」
「人を化け物みたいに、失礼だな」
唐突に後ろから話しかけられて、思わず大きな叫び声を上げる。そこにいたのはマクシミリアンだった。
「なんでノックもなしに入ってくんだよ? ここ、腐っても侯爵家だぞ?」
「いや、何回もした。なのに反応がないから入ってきたんだよ」
「まじか、ごめん。全く気づかなかった」
あまりに状況整理に集中していたらしい。それらしい音なんて全くしなかった。
そして、ある事実に気づいて思わず血の気が引く。
僕、マクシミリアンに敬語を使っていなかった。いつもなら敬語で喋るのに。
「お前、今日なんかおかしいよな。突然泣き出すし、喋り方俺みたいに粗野だし」
焦って取り繕うが、マクシミリアンはこちらをじっと見つめてくる。
「そう、かな? 気のせいですわ?」
動揺が言葉に出る。やらかした。明らかに語尾がおかしい。
「ふはっ! お前変わんないなぁ。焦るとお嬢様言葉になるの!」
「えっ?」
その言葉に今度はこちらが驚く。
前世のその謎すぎる癖を知っているのは、家族と幼馴染で親友だった伊達空のみ。
そして、この喋り方は——!
「そら……?」
「おう、そうだ。ずっとお前が記憶を取り戻すのを待ってたんだよ」
その言葉にゾワっと全身に鳥肌が立つ。
声も姿も今まで貴族の幼馴染として接してきたマクシミリアン・グレイそのもの。
でも、確かに喋り方、僕の言葉に返すテンポが空そのもの。
「ほんとに、そらなの?」
「嘘じゃない。俺の前世は伊達空。お前の親友で、幼馴染だった。今はマクシミリアン・グレイ。これまたお前の幼馴染だな」
到底信じられないことだ。自分が小説の世界に転生して、さらに親友も転生しているなんて。
——でも、確信している。
声でもなく、顔でもなく、喋り方でもなく。
そこに立っているだけで、僕にはマクシミリアンが空だとわかるんだ。
胸がいっぱいになって、思わず涙が溢れる。
「なんで、なんであの時こっちにきたんだよ! お前まで死んじゃって……!」
「お前を見殺しにするわけないだろ。親友なんだから。お前だけでも助けられればよかったんだけど、そううまくはいかなかったな」
空はしゃべりながら、僕の頭をあやすように撫でる。これも前世と同じだ。
「それでな、こっちに転生した時に絶対お前もきてるって自信があったんだ」
——根拠のない、ただの勘。だけど、空の勘は絶対だ。
「で、幼馴染としてお前に会ったときは驚いた。なんか色が変わったお前がいるんだから。なのに、お前は全く前世のことなんて覚えてない。今日思い出してくれて安心したよ」
「こっちは今思い出して混乱してるのに!」
「はいはい、そう怒るなって」
懐かしくて、さらに涙が溢れる。
「っほんとに、そらなの?」
「ああ、そうだよ。お前のアニメ語りに10年付き合ってきた伊達空だ」
ああ、これで分かった。——マクシミリアンは俺の親友、空だ。
しばらくして、やっと涙が止まった。そして、ここで最大の問題を解決しなければいけない。
「そら、いや、マクシミリアンか」
「長いだろ。マキでいい。俺もアインって呼ぶ」
なんだか愛称呼びで前より距離が近くなった気がする。思わずにやけてしまう。
だが、今はそれどころではない。
「僕、この世界が小説の世界ってって知ってるんだよ」
「ああ、叫んでたな、ついさっき」
「——そこで問題があるんだよ」
「なんだ?」
マキはさっきの僕の独り言を聞いていた。話が早い。
「アインハルト・ヴィクターって主要キャラなんだよ。だから、僕は原作通りに行動したい」
「でもお前、原作知らないだろ。そこも聞いてた」
痛恨の事実を突かれ、ぎくりとした。
「そうだけど……帯と表紙は知ってる!」
「お前、仮にも原作厨だろ? 何やってるんだよ」
「積読だったんだよ!」
マキに呆れた表情をされた。
「ところがどっこい、朗報がある」
「……なに?」
空の頃もマキになってからも変わらない。マキの「朗報」は信用できない。
思わず怪訝な顔をしてしまう。
「あの小説、全部読んでたんだよ。『天と地の勇者』だろ? お前の積読、全部読んでたんだよ」
「そう! それだよ、それ」
思わぬ情報に僕は満面の笑みでマキの手を握り、ブンブンと振り回す。
「それで、どんな話なの? 『アインハルト・ヴィクター」ってどんな役?」
はやる気持ちで矢継ぎ早にマキに尋ねる。
「『アインハルト・ヴィクター』は主人公の勇者の親戚なんだ。小説の中だと、お前はもう直ぐ勇者に出会って意気投合する」
「そんな役どころなんだ。結構重要だね」
マキは頷きながら、真剣な顔になる。これから、アインハルト・ヴィクター」に関わる重要な情報が出てくるはず。そう思って身構えた。
——だが、返ってきた言葉は驚くものだった。
「お前『アインハルト・ヴィクター』は幼馴染の『マクシミリアン・グレイ』と付き合っているんだ」
「——えぇぇええっ!」
あまりにも衝撃的な情報に、叫び声を上げてしまう。
「マママジで? そんなBL要素のある小説だったの、あれって!? 勇者いる!? その話!? てか僕たち公式カップルだったの!? え、マジで!?」
「大マジだよ。ほんと、ほんと」
そう答えたマキの顔は真剣も真剣で。否が応でもこの情報が真実だと伝えてくる。
「ということで、俺たち付き合うか」
「え、そんな簡単に? 確かに原作のためにはそうするのがいいんだろうけど……」
じっと見つめられて、頬が火がついたように暑くなっていく。でも、相変わらずマキの顔は真剣で。
「『原作通り』なら、仕方ないよな?」
「でも……。原作は絶対だけど、ここ現実だよ? マキシ はマキの人生を大切にしてほしい。原作に縛られるのは僕だけでいいよ」
僕のわがままにマキは巻きこめない。そう思って断るが、マキの顔が見られない。
「でも、お前1人じゃ原作通りとはいかないだろ?」
「そう、なんだけど……」
「前世、死ぬ時も一緒だったんだ。俺は今世も親友として一心同体過ごしてもいいと思ってる。それでもダメか?」
マキが真剣な顔をしてこちらを見つめた。そこまで真剣な顔をさせているのに、断るのが申し訳なくなる。
「そこまで言われたら……、付き合うしかないじゃん」
そう答えると、マキがこちらに近づいてくる。なぜか、胸の鼓動が激しくなる。
「よかった。それとな、『原作』では、2人は真面目に付き合ってるんだ」
「そう、なの?」
「ああ。だから、俺たちも真面目に付き合わないと、な? お試しじゃなくて」
なんだか、丸め込まれている気がする。だけど、頭がぼぉっとしてうまく考えがまとまらない。
「な、いいだろ? 真面目に付き合おう?」
「……う、ん。付き合う。マキと付き合う……」
こうして、僕とマキは付き合うことになった。
毎月恒例の家族が多いと幼馴染一家が揃った朝食の席。使用人が配膳する料理、パンの良い香り、父が本を捲る音。
突然涙が溢れ出したのだ。
「アインハルト? どうしたの?」
「大丈夫か?」
普段だったらすぐ返す母と父の声に反応できない。口が動かない。
……そして。
涙がふと止まった、その瞬間だった。
記憶が僕の中に傾れ込んできた。
「僕はアインハルト——」
違う。違う違う違う!
僕はアインハルト・ヴィクターじゃない。
「僕は、雨宮透だ……」
——学校の帰り道。
——空の声。
——画面を見てアホを晒す自分。
——トラックのブレーキ音。
——空の焦った顔。
——空に叫んだ自分の声。
——そして、闇。
(ああ……僕、死んだんだ)
原作厨だった前世。
親友だった空。
全てがあの瞬間終わってしまった。
「大丈夫かい」
父の声に今度はしっかりと返す。
「はい、すこし悪夢を見てしまって。マクシミリアンも侯爵も夫人も失礼しました」
「全く問題ない。な、親父、お袋!」
「お前はアインハルトくんを見習いなさい」
侯爵がバシッとマクシミリアンの頭を叩く音がする。
これが、今の僕の日常。これから僕はここで生きていくんだ。
朝食後、自分の部屋に帰って鏡の前に立つ。
まだ、前世を思い出したばかりで自分が自分でないような、不思議な感覚がする。
今の自分、アインハルトはなんともキラキラした容姿をしている。
前世と髪は黒で同じだが、目は宝石のような淡い紫。顔は目が吊り目がちの猫目、左右対称で整っている。
前世の平凡とは比べ物にならないほど綺麗な顔だ。
(すんごいイケメン……? てか、美人?)
思わずそう呟いて、クスッと笑う。
そして、クスッと笑ったその顔にふと既視感を覚えた。
——そして思い出す。
(これ、読んでた小説のキャラじゃん!)
前世で積読になっていたファンタジー小説。
表紙を飾っていたそのキャラの顔。
キャラの名前は「アインハルト・ヴィクター」。
——間違いない。
「え、僕、原作のある世界に転生してんの!?」
しばらくは混乱しっぱなしだったが、やっと落ち着いてきた。
深呼吸をして落ち着き、鏡を見つめ直す。
(よく考えたら、これってテンプレじゃんか)
前世でトラックに轢かれて、小説の世界に転生。しかも自分が読んでた小説の中。
(まさか、自分が当事者になるなんて……)
でも、原作厨なるもの、原作を忠実に守って行動しなければ。
たしか、アインハルト・ヴィクターというキャラは貴族の家に生まれて——。
「あれ、原作読んでないじゃん!」
そうだ。前世の僕は帯に惹かれて買ったけど、まだ小説自体は読んでなかったんだ!
「うわ、これは原作厨としてまずい。まずすぎる」
「何呟いてんだよ」
「うわぁあああ!」
「人を化け物みたいに、失礼だな」
唐突に後ろから話しかけられて、思わず大きな叫び声を上げる。そこにいたのはマクシミリアンだった。
「なんでノックもなしに入ってくんだよ? ここ、腐っても侯爵家だぞ?」
「いや、何回もした。なのに反応がないから入ってきたんだよ」
「まじか、ごめん。全く気づかなかった」
あまりに状況整理に集中していたらしい。それらしい音なんて全くしなかった。
そして、ある事実に気づいて思わず血の気が引く。
僕、マクシミリアンに敬語を使っていなかった。いつもなら敬語で喋るのに。
「お前、今日なんかおかしいよな。突然泣き出すし、喋り方俺みたいに粗野だし」
焦って取り繕うが、マクシミリアンはこちらをじっと見つめてくる。
「そう、かな? 気のせいですわ?」
動揺が言葉に出る。やらかした。明らかに語尾がおかしい。
「ふはっ! お前変わんないなぁ。焦るとお嬢様言葉になるの!」
「えっ?」
その言葉に今度はこちらが驚く。
前世のその謎すぎる癖を知っているのは、家族と幼馴染で親友だった伊達空のみ。
そして、この喋り方は——!
「そら……?」
「おう、そうだ。ずっとお前が記憶を取り戻すのを待ってたんだよ」
その言葉にゾワっと全身に鳥肌が立つ。
声も姿も今まで貴族の幼馴染として接してきたマクシミリアン・グレイそのもの。
でも、確かに喋り方、僕の言葉に返すテンポが空そのもの。
「ほんとに、そらなの?」
「嘘じゃない。俺の前世は伊達空。お前の親友で、幼馴染だった。今はマクシミリアン・グレイ。これまたお前の幼馴染だな」
到底信じられないことだ。自分が小説の世界に転生して、さらに親友も転生しているなんて。
——でも、確信している。
声でもなく、顔でもなく、喋り方でもなく。
そこに立っているだけで、僕にはマクシミリアンが空だとわかるんだ。
胸がいっぱいになって、思わず涙が溢れる。
「なんで、なんであの時こっちにきたんだよ! お前まで死んじゃって……!」
「お前を見殺しにするわけないだろ。親友なんだから。お前だけでも助けられればよかったんだけど、そううまくはいかなかったな」
空はしゃべりながら、僕の頭をあやすように撫でる。これも前世と同じだ。
「それでな、こっちに転生した時に絶対お前もきてるって自信があったんだ」
——根拠のない、ただの勘。だけど、空の勘は絶対だ。
「で、幼馴染としてお前に会ったときは驚いた。なんか色が変わったお前がいるんだから。なのに、お前は全く前世のことなんて覚えてない。今日思い出してくれて安心したよ」
「こっちは今思い出して混乱してるのに!」
「はいはい、そう怒るなって」
懐かしくて、さらに涙が溢れる。
「っほんとに、そらなの?」
「ああ、そうだよ。お前のアニメ語りに10年付き合ってきた伊達空だ」
ああ、これで分かった。——マクシミリアンは俺の親友、空だ。
しばらくして、やっと涙が止まった。そして、ここで最大の問題を解決しなければいけない。
「そら、いや、マクシミリアンか」
「長いだろ。マキでいい。俺もアインって呼ぶ」
なんだか愛称呼びで前より距離が近くなった気がする。思わずにやけてしまう。
だが、今はそれどころではない。
「僕、この世界が小説の世界ってって知ってるんだよ」
「ああ、叫んでたな、ついさっき」
「——そこで問題があるんだよ」
「なんだ?」
マキはさっきの僕の独り言を聞いていた。話が早い。
「アインハルト・ヴィクターって主要キャラなんだよ。だから、僕は原作通りに行動したい」
「でもお前、原作知らないだろ。そこも聞いてた」
痛恨の事実を突かれ、ぎくりとした。
「そうだけど……帯と表紙は知ってる!」
「お前、仮にも原作厨だろ? 何やってるんだよ」
「積読だったんだよ!」
マキに呆れた表情をされた。
「ところがどっこい、朗報がある」
「……なに?」
空の頃もマキになってからも変わらない。マキの「朗報」は信用できない。
思わず怪訝な顔をしてしまう。
「あの小説、全部読んでたんだよ。『天と地の勇者』だろ? お前の積読、全部読んでたんだよ」
「そう! それだよ、それ」
思わぬ情報に僕は満面の笑みでマキの手を握り、ブンブンと振り回す。
「それで、どんな話なの? 『アインハルト・ヴィクター」ってどんな役?」
はやる気持ちで矢継ぎ早にマキに尋ねる。
「『アインハルト・ヴィクター』は主人公の勇者の親戚なんだ。小説の中だと、お前はもう直ぐ勇者に出会って意気投合する」
「そんな役どころなんだ。結構重要だね」
マキは頷きながら、真剣な顔になる。これから、アインハルト・ヴィクター」に関わる重要な情報が出てくるはず。そう思って身構えた。
——だが、返ってきた言葉は驚くものだった。
「お前『アインハルト・ヴィクター』は幼馴染の『マクシミリアン・グレイ』と付き合っているんだ」
「——えぇぇええっ!」
あまりにも衝撃的な情報に、叫び声を上げてしまう。
「マママジで? そんなBL要素のある小説だったの、あれって!? 勇者いる!? その話!? てか僕たち公式カップルだったの!? え、マジで!?」
「大マジだよ。ほんと、ほんと」
そう答えたマキの顔は真剣も真剣で。否が応でもこの情報が真実だと伝えてくる。
「ということで、俺たち付き合うか」
「え、そんな簡単に? 確かに原作のためにはそうするのがいいんだろうけど……」
じっと見つめられて、頬が火がついたように暑くなっていく。でも、相変わらずマキの顔は真剣で。
「『原作通り』なら、仕方ないよな?」
「でも……。原作は絶対だけど、ここ現実だよ? マキシ はマキの人生を大切にしてほしい。原作に縛られるのは僕だけでいいよ」
僕のわがままにマキは巻きこめない。そう思って断るが、マキの顔が見られない。
「でも、お前1人じゃ原作通りとはいかないだろ?」
「そう、なんだけど……」
「前世、死ぬ時も一緒だったんだ。俺は今世も親友として一心同体過ごしてもいいと思ってる。それでもダメか?」
マキが真剣な顔をしてこちらを見つめた。そこまで真剣な顔をさせているのに、断るのが申し訳なくなる。
「そこまで言われたら……、付き合うしかないじゃん」
そう答えると、マキがこちらに近づいてくる。なぜか、胸の鼓動が激しくなる。
「よかった。それとな、『原作』では、2人は真面目に付き合ってるんだ」
「そう、なの?」
「ああ。だから、俺たちも真面目に付き合わないと、な? お試しじゃなくて」
なんだか、丸め込まれている気がする。だけど、頭がぼぉっとしてうまく考えがまとまらない。
「な、いいだろ? 真面目に付き合おう?」
「……う、ん。付き合う。マキと付き合う……」
こうして、僕とマキは付き合うことになった。
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