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2. 「愛人」関係
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エリックが目を覚ますと、ふかふかの場所に寝かされていた。レオポルトに連れ出してもらった記憶は残っている。となれば、どこかのお屋敷のベッドだろうか。
身体を起こして、かけられていた布団――これまたふかふかで、信じられないほど軽い――をどかす。
なんと全裸だった。
「えーっ」
思わず悲鳴をあげると、横でうごめく気配がある。金髪がのぞいた。
「なんだ。うるさいぞ」
不機嫌そうに身体を起こしたその人もまた、裸だった。
レオポルト王子だ。しなやかでたくましい上半身を、惜しみなく晒している。素肌がまぶしすぎて、直視できない。
「えっえっえっ」
エリックは咄嗟に布団を胸元まであげて、身体を隠す。落ち着きなく、あちこちへ視線を走らせた。激しい動悸がする。もしかして、本当に「そういうこと」があったのだろうか。自分を助けたのはもしかして、本当に身体目当てだったのだろうか。
ベッドはやたらと大きい。小柄なエリックなら、五人は並んで眠れそうだ。周りには天蓋がおろされ、視界は遮られている。そっとカーテンを開けると、曲線で構成された、優美なデザインの木製机が見えた。紙類や分厚い本が、几帳面に端をそろえられて、何冊か置かれている。
さらに開けると、大きな窓がある。そこからは、市街地を見下ろせた。はるか遠くには、白い城壁まで見える。
「どこだ。ここ」
「私の部屋だ」
エリックのひとりごとに、レオポルトが返事をする。
「私とお前は、甘い一夜を過ごした。実際にそういうことはなかったが、そういうことにする」
「は、は~……なるほどぉ……」
全く理解が追いつかないエリックに、「落ち着け」とレオポルトがあぐらをかく。際どいところまで見えそうで、エリックは思わず頭を抱えた。
レオポルトは、淡々と説明を続ける。
「安心してほしい。私たちの間には、本当に何もなかった。これは私がお前を保護するための方便だ」
エリックは、はっと我に帰った。痩せぎすで貧相な身体をぺたぺた触る。脂ぎっていた肌はすっきり洗われて、クリームを塗られたのかしっとりしている。髪のべとつく不快感もなくなっており、いい匂いすらした。
レオポルトは、呆れたような笑みを浮かべる。
「ほら、何もないだろう。ちなみに、お前はまったく私の好みではない。どんな者を好むかまでは伏せる」
「いや、その……はい……」
エリックは、黙ってうなだれた。
どうして、ここまでしてくれるのだろう。疑問に思いながら、頭が重たくて、斜めに傾いた。
それより先にお礼だ、と思い至る。跪こうとして、脚が上手く曲がらずにベッドへ倒れ込んだ。そのふかふかとした感触に、改めて感動する。すう、とまた眠気が蘇った。
「起きろ。今からお前がするべきことの説明をする」
裸の背中を軽く叩かれて、はっと我に帰る。レオポルトは大して気にした様子もなく、身体を起こすエリックへ言った。
「私はお前を『気に入った』から、あの牢から出して私の部屋へ連れ込んだ。この国の司法はワインのように芳醇で豊かだから、心遣いに金品を渡したら、私の愛についてご理解いただけたよ」
つまり賄賂を渡せば無理が通るほど腐っている、ということだ。この王子は、随分と皮肉屋らしい。首をすくめるエリックに、レオポルトは穏やかに笑った。
「お前の研究についての資料も、取り戻してある。机の上に置いてあるから、好きなときに確認しろ」
反射的に、身体が動いた。ベッドから転がるように降りて、机へ走る。
たしかにその紙束は、エリックの研究のメモ書きだった。ところどころ知らない筆跡で赤が入れられているが、たしかにエリックの直筆だった。
生き甲斐として心血を注いだ、そのものだ。
へなへなとしゃがみこむエリックの肩に、布が投げかけられる。パンツだ。振り返ると、レオポルトが下着を身につけているところだった。
「下着はそこだ」
エリックはやっと、自分が全裸だったことを思い出した。全身がかっと熱くなるほどの、猛烈な羞恥心が襲う。
「すみません……」
ぼそぼそ呟きながら、下着をつけた。レオポルトは平然とした表情で、半裸のまま仁王立ちする。
「私はお前にご執心だ。よってお前を部屋から出さないし、お前の外出も許さない。外へ出たい時は私も同伴だ」
頷く。レオポルトは「いい子だ」と微笑んで、ハンドベルを手に取った。
「これから側仕えの者を呼び、支度をさせる。恥じらいながらそこに横たわっていろ」
それなら演技するまでもない。エリックは、今この瞬間にも、恥ずかしくて仕方なかった。
レオポルトは「それと」と、淡々と続ける。
「この部屋へお前を連れ込む際、使用人に全身を洗わせた。気絶していたとはいえ、すまない」
「いえ、こちらこそ申し訳ございません……お見苦しいものを……」
この王子、やたらと腰が低い。王族と言われても信じられないくらいだ。
ましてやあんな噂が流れているだなんて、信じられないくらい紳士的である。
「お前と行為に及ぶとして、服を着せずにここへ放り込ませた。とはいえ身体を洗った者と、私以外には見られていない」
思わず、きゅっと唇を噛んだ。改めて恥ずかしさが込み上げてくるが、頭をさげる。
「感謝の言葉もございません」
「よい。かしこまるな。ベッドに入っていろ」
それだけ言って、レオポルトはハンドベルを鳴らした。
エリックはベッドへ戻って、改めて辺りを見渡す。曲線的なシルエットの家具類に、豪奢な姿見。大きなクローゼットに、花瓶や空っぽのアクセサリー入れ。
それらすべてがほとんど、埃をかぶっている。よく見ると、家具の端は傷んですらいた。
まるで、打ち捨てられた貴婦人の部屋のようだ。
「この部屋に、住んでいるんですか?」
「母と過ごした部屋だからな」
レオポルトの呟きに、エリックは彼を見つめた。ノックの音にそちらを向くと、扉が開かれる。侍女たちがやってきて、一礼した。
彼女たちはエリックの姿を認めると、一瞬顔をしかめた。しかしすぐに無表情になって、二人に服を着せていく。
レオポルトの筋肉質な大きい身体を、素肌を、侍女たちの指が這うようになぞる。誘惑するような手つきひとつひとつに、レオポルトが熱っぽい眼差しを向けてやるのが見えた。美形は視線ひとつだけで様になる。
「まだ、私を呼んではくださいませんの?」
侍女の中でも年嵩で、地位の高そうな者が言う。
レオポルトは、彼女の耳元で囁いた。
「まだ気が向かないんだ。我慢してくれるか?」
なるほど。こうして弄んでいるのか。
感心している間に、侍女たちは立ち去っていった。そっと足を踏まれて息を呑むと、「申し訳ございません」と微笑まれる。目はまるで笑っていない。
最後の一人が出ていって、部屋の扉を閉める。どっと疲れて、ベッドへ倒れ込んだ。レオポルトは「こんなのは、まだ序の口だぞ」と笑っている。
「どいつもこいつも、容赦なく私に色目を使う。申し訳ないが、耐えてくれ」
「なんでこんなことをしてるんですか……?」
心底不思議で、思わず尋ねる。エリックには、レオポルトが愚かな王子であるとは思えなかった。
助けてもらった贔屓目もあるだろうけど、と内心付け足して続ける。
「演技でしょう、あれ」
勘で言えば、レオポルトは目を丸くした。そして目を伏せて笑う。
「……いや? どうかな」
演技なんだろう、とエリックは確信した。レオポルトは誤魔化すように咳払いをする。歩み寄って、エリックへと顔を近づけた。
「私は第四王子で、しかも王妃の腹からは生まれていない。……私の渾名を、聞いたことは?」
青い瞳が、真っ直ぐエリックを見据えた。思わず固まる。聞いたことはあるが、口に出すのは憚られた。
レオポルトは軽やかに笑って、それを口に出す。
「卑しい下女から生まれた、野犬公さ。私は、野良犬呼ばわりされている」
その言葉に、エリックは口をつぐんだ。
レオポルトの声からは、何の感情も読み取れなかった。
身体を起こして、かけられていた布団――これまたふかふかで、信じられないほど軽い――をどかす。
なんと全裸だった。
「えーっ」
思わず悲鳴をあげると、横でうごめく気配がある。金髪がのぞいた。
「なんだ。うるさいぞ」
不機嫌そうに身体を起こしたその人もまた、裸だった。
レオポルト王子だ。しなやかでたくましい上半身を、惜しみなく晒している。素肌がまぶしすぎて、直視できない。
「えっえっえっ」
エリックは咄嗟に布団を胸元まであげて、身体を隠す。落ち着きなく、あちこちへ視線を走らせた。激しい動悸がする。もしかして、本当に「そういうこと」があったのだろうか。自分を助けたのはもしかして、本当に身体目当てだったのだろうか。
ベッドはやたらと大きい。小柄なエリックなら、五人は並んで眠れそうだ。周りには天蓋がおろされ、視界は遮られている。そっとカーテンを開けると、曲線で構成された、優美なデザインの木製机が見えた。紙類や分厚い本が、几帳面に端をそろえられて、何冊か置かれている。
さらに開けると、大きな窓がある。そこからは、市街地を見下ろせた。はるか遠くには、白い城壁まで見える。
「どこだ。ここ」
「私の部屋だ」
エリックのひとりごとに、レオポルトが返事をする。
「私とお前は、甘い一夜を過ごした。実際にそういうことはなかったが、そういうことにする」
「は、は~……なるほどぉ……」
全く理解が追いつかないエリックに、「落ち着け」とレオポルトがあぐらをかく。際どいところまで見えそうで、エリックは思わず頭を抱えた。
レオポルトは、淡々と説明を続ける。
「安心してほしい。私たちの間には、本当に何もなかった。これは私がお前を保護するための方便だ」
エリックは、はっと我に帰った。痩せぎすで貧相な身体をぺたぺた触る。脂ぎっていた肌はすっきり洗われて、クリームを塗られたのかしっとりしている。髪のべとつく不快感もなくなっており、いい匂いすらした。
レオポルトは、呆れたような笑みを浮かべる。
「ほら、何もないだろう。ちなみに、お前はまったく私の好みではない。どんな者を好むかまでは伏せる」
「いや、その……はい……」
エリックは、黙ってうなだれた。
どうして、ここまでしてくれるのだろう。疑問に思いながら、頭が重たくて、斜めに傾いた。
それより先にお礼だ、と思い至る。跪こうとして、脚が上手く曲がらずにベッドへ倒れ込んだ。そのふかふかとした感触に、改めて感動する。すう、とまた眠気が蘇った。
「起きろ。今からお前がするべきことの説明をする」
裸の背中を軽く叩かれて、はっと我に帰る。レオポルトは大して気にした様子もなく、身体を起こすエリックへ言った。
「私はお前を『気に入った』から、あの牢から出して私の部屋へ連れ込んだ。この国の司法はワインのように芳醇で豊かだから、心遣いに金品を渡したら、私の愛についてご理解いただけたよ」
つまり賄賂を渡せば無理が通るほど腐っている、ということだ。この王子は、随分と皮肉屋らしい。首をすくめるエリックに、レオポルトは穏やかに笑った。
「お前の研究についての資料も、取り戻してある。机の上に置いてあるから、好きなときに確認しろ」
反射的に、身体が動いた。ベッドから転がるように降りて、机へ走る。
たしかにその紙束は、エリックの研究のメモ書きだった。ところどころ知らない筆跡で赤が入れられているが、たしかにエリックの直筆だった。
生き甲斐として心血を注いだ、そのものだ。
へなへなとしゃがみこむエリックの肩に、布が投げかけられる。パンツだ。振り返ると、レオポルトが下着を身につけているところだった。
「下着はそこだ」
エリックはやっと、自分が全裸だったことを思い出した。全身がかっと熱くなるほどの、猛烈な羞恥心が襲う。
「すみません……」
ぼそぼそ呟きながら、下着をつけた。レオポルトは平然とした表情で、半裸のまま仁王立ちする。
「私はお前にご執心だ。よってお前を部屋から出さないし、お前の外出も許さない。外へ出たい時は私も同伴だ」
頷く。レオポルトは「いい子だ」と微笑んで、ハンドベルを手に取った。
「これから側仕えの者を呼び、支度をさせる。恥じらいながらそこに横たわっていろ」
それなら演技するまでもない。エリックは、今この瞬間にも、恥ずかしくて仕方なかった。
レオポルトは「それと」と、淡々と続ける。
「この部屋へお前を連れ込む際、使用人に全身を洗わせた。気絶していたとはいえ、すまない」
「いえ、こちらこそ申し訳ございません……お見苦しいものを……」
この王子、やたらと腰が低い。王族と言われても信じられないくらいだ。
ましてやあんな噂が流れているだなんて、信じられないくらい紳士的である。
「お前と行為に及ぶとして、服を着せずにここへ放り込ませた。とはいえ身体を洗った者と、私以外には見られていない」
思わず、きゅっと唇を噛んだ。改めて恥ずかしさが込み上げてくるが、頭をさげる。
「感謝の言葉もございません」
「よい。かしこまるな。ベッドに入っていろ」
それだけ言って、レオポルトはハンドベルを鳴らした。
エリックはベッドへ戻って、改めて辺りを見渡す。曲線的なシルエットの家具類に、豪奢な姿見。大きなクローゼットに、花瓶や空っぽのアクセサリー入れ。
それらすべてがほとんど、埃をかぶっている。よく見ると、家具の端は傷んですらいた。
まるで、打ち捨てられた貴婦人の部屋のようだ。
「この部屋に、住んでいるんですか?」
「母と過ごした部屋だからな」
レオポルトの呟きに、エリックは彼を見つめた。ノックの音にそちらを向くと、扉が開かれる。侍女たちがやってきて、一礼した。
彼女たちはエリックの姿を認めると、一瞬顔をしかめた。しかしすぐに無表情になって、二人に服を着せていく。
レオポルトの筋肉質な大きい身体を、素肌を、侍女たちの指が這うようになぞる。誘惑するような手つきひとつひとつに、レオポルトが熱っぽい眼差しを向けてやるのが見えた。美形は視線ひとつだけで様になる。
「まだ、私を呼んではくださいませんの?」
侍女の中でも年嵩で、地位の高そうな者が言う。
レオポルトは、彼女の耳元で囁いた。
「まだ気が向かないんだ。我慢してくれるか?」
なるほど。こうして弄んでいるのか。
感心している間に、侍女たちは立ち去っていった。そっと足を踏まれて息を呑むと、「申し訳ございません」と微笑まれる。目はまるで笑っていない。
最後の一人が出ていって、部屋の扉を閉める。どっと疲れて、ベッドへ倒れ込んだ。レオポルトは「こんなのは、まだ序の口だぞ」と笑っている。
「どいつもこいつも、容赦なく私に色目を使う。申し訳ないが、耐えてくれ」
「なんでこんなことをしてるんですか……?」
心底不思議で、思わず尋ねる。エリックには、レオポルトが愚かな王子であるとは思えなかった。
助けてもらった贔屓目もあるだろうけど、と内心付け足して続ける。
「演技でしょう、あれ」
勘で言えば、レオポルトは目を丸くした。そして目を伏せて笑う。
「……いや? どうかな」
演技なんだろう、とエリックは確信した。レオポルトは誤魔化すように咳払いをする。歩み寄って、エリックへと顔を近づけた。
「私は第四王子で、しかも王妃の腹からは生まれていない。……私の渾名を、聞いたことは?」
青い瞳が、真っ直ぐエリックを見据えた。思わず固まる。聞いたことはあるが、口に出すのは憚られた。
レオポルトは軽やかに笑って、それを口に出す。
「卑しい下女から生まれた、野犬公さ。私は、野良犬呼ばわりされている」
その言葉に、エリックは口をつぐんだ。
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