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5. 動機
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夜も更けた頃だ。エリックが「軟禁」されている部屋の扉が、ノックもなしに勢いよく開く。そこから、レオポルトが飛び込んできた。
「イオネスへ向かう許可が、やっと下りたぞ」
エリックは机から顔を上げた。いじっていた水晶玉――通信具の核となる部品――を置き、椅子から立ち上がる。
きらびやかな宮廷衣装姿のレオポルトが、こちらへ足早に歩み寄る。巻物を差し出したので、咄嗟に受け取った。
「王令だ。見ろ」
エリックはためらいなく巻物を開き、サインを真っ先に確認する。
たしかに、国王の名前が書かれていた。
そして、イオネス山脈へ向かい、通信水晶の実験を許す、と書いてある。
息をのんで、レオポルトを見上げた。
「とうとう、あちらへ行けるんですね」
「ああ、もぎとってきた」
レオポルトはため息をついて、首を回した。
「できるだけ早く現地へ向かえるよう、急いで支度する。魔獣が活性化する、秋頃までに終えるのが理想だが……」
首元のタイを緩めて、また息をつく。エリックはふと気になったことがあり、首を傾げた。
「そういえば、あちらからの訴えは、いつ頃から届いていたんですか?」
「以前から継続的に入ってはいた。なんなら、私の母親は存命だった頃、ずっと嘆願していたな。母はイオネス山脈にある集落出身だから」
ひえ、と声が漏れる。つまり、ずっと放置されていたということだろうか。
絶句するエリックを見て、レオポルトが「一応、国王陛下の弁護をしておくぞ」と断りを入れる。
「あちらの問題を解決するための、実現可能で、実用的な解決手段がなかったんだ。だから今の今まで、手付かずになっていた」
「それで、『もぎとってきた』というのは?」
レオポルトは口をつぐんで、にこりと微笑んだ。
「……優先順位は、何事にもあるのさ」
なるほどなぁ、とエリックは首をすくめる。
つまり、優先的に解決すべきこととは見做されなかった、ということなのだろう。
レオポルトは豪奢な刺繍の施されたジャケットを脱ぎ、小脇にかかえた。その仕草と筋張った手の甲に、エリックはときめきを覚えてしまう。
「これから忙しくなるぞ」
エリックはレオポルトの青い瞳を見据えて、頷いた。
そのまま、目を離せなくなる。本当に美しい人だ。レオポルトもエリックを見つめ返すが、彼の方が先に視線をそらした。
「なんだ。あまり見るな」
「いえ。なんというか、その……」
見惚れていたのが気まずくて、エリックは頷く。
そしてエリックには、疑問がひとつあった。
「レオポルト殿下。どうして、僕を拾ってくださったんですか? 僕は投獄されていたから、引き取るにも、いろいろ面倒なことがあったんじゃないですか?」
レオポルトは、ひょいと片眉を跳ねさせた。気障な仕草ですら様になる。
「言っただろう。イオネスからの訴えを解決するために、お前の通信魔術がほしかったのだと」
そこまでは聞いている。
エリックが気になっているのは、もう一段階深い理由だ。
「……僕という危険因子を抱き込むくらいに、あちらからの訴えの解決を求めるのは、なぜですか?」
思い切って踏み込む。レオポルトは、うっすらと微笑みを浮かべた。
「言わなくてはダメか?」
レオポルトは、椅子の背もたれへ肘をついた。顔と顔の距離が近くなり、柑橘の香りが鼻をくすぐる。彼は黙り込んで、エリックの顔を上目遣いに覗き込んだ。
そしてエリックは、怯まずに見つめ返した。
先に根負けしたのは、レオポルトだった。彼は「そうだな」と呟いて、身体を離す。
「お前を巻き込んでしまったからには、教えておくべきか」
レオポルトは呟いて、目を伏せる。エリックは、真っ直ぐ彼を見上げた。
しばらく、二人は無言だった。
エリックは静かに、レオポルトが言葉を選び終わるのを待った。
レオポルトは瞬きをして、エリックを見つめる。
「私は、母の敵討ちをしたい」
「かたきうち」
強い言葉に驚く。それに構わず、レオポルトは淡々と続けた。
「私の母は、イオネスの集落に住む、木こりの娘だったんだ」
語られる言葉に、エリックは椅子へ座り直した。この話は、きちんと聞かなければいけない。
レオポルトはまるで懺悔するように、長い指を組んだ。
「彼女の父……私の祖父は、祖母と母を残して、若くして命を落としてしまった。春先に魔獣が出て、騎士団からの応援を呼ぼうと山を降りる最中、襲われたそうだ」
エリックは少しうつむき加減になって、レオポルトの話に耳を傾けた。
「祖父を亡くした祖母は、幼かった母を連れて山を降りた。そこから流れて王都へ辿り着き、宮殿の下働きとして生計を立てていたそうだ」
曲がりなりにも貴族として生まれ育ったエリックには、想像もつかない苦労があっただろう。
レオポルトは唇を横に引いて、自分の胸をとんとんと叩いた。
「そこで、国王陛下……当時の王太子に、母は見初められた」
そうして言葉を切って、エリックに微笑みかける。
悲しい笑みだと思った。
「時々、思うよ。祖父が亡くならなければ、母はどんな人生を送っていたんだろうと」
伏せられた目つきには、穏やかな悲しみがあった。彼はきっと、母親のことを、深く愛しているのだろう。
だからこそエリックは、何も言えなくなった。
まるでレオポルトが、彼自身の出生を否定しているように聞こえたからだ。
「そのために、まず、通報の仕組みを整えたい。祖父は騎士を呼びに山を降りなければ、死ななかったかもしれないから」
うつむくと、色の濃い金髪がさらりと崩れた。眉の上にかかった前髪を、長い指が払う。
「どんな手段を使ったっていい、母の無念を晴らしたい。どんな結果をもたらしたとしても……」
エリックは半ば呆然としながら、レオポルトを見つめた。
青い瞳が部屋の明かりに濡れて、しどけなくまぶたが閉じる。唇の端がきゅっと上がった。
「ほら。私は美しいだろう?」
冗談めかしてレオポルトが言った。ぎくりとエリックが身体を強張らせると、彼は目を開けて低く笑う。
「母親と瓜二つなんだ。私を美しく産み育ててくれた恩には、報いないとな」
その冗談めかした口調が、悲しかった。そして今のエリックには、踏み込んではいけない領分だということも分かった。
エリックは頭をさげて、「はい」と恭順の意を示す。
彼が母親と過ごしたのだというこの部屋。傷んだ家具は、机以外空っぽ。
レオポルトの真意は、よく分からない。でも彼は、寂しい生活をしている。
その同情は、エリックの勝手だ。エリックは、レオポルトのことを何も知らないのだから。
「殿下」
エリックの声に、レオポルトは「なんだ?」と鷹揚に首を傾げた。エリックは顔を上げて、彼へ微笑みかける。
「僕は殿下に、どこまでも、着いていこうと思います」
レオポルトは、目を丸くして笑みを消した。エリックは、彼の動揺に構わず「着いていきます」と繰り返した。
この人をひとりにしておけないと、強く思う。
きっと彼は、ひとりぼっちでも生きていける。傷を負ってもくじけず、立っていられる強い人だと思う。
だけど彼がこれまで負ってきた傷は、治っているように見えない。きっと今だって、ひどく痛んでいるはずだ。
でなければこの人が、こんなにひどい自虐をする理由がない。
エリックは、真っ直ぐにレオポルトを見つめ続けた。レオポルトは息を吐いて、そうか、と呟いた。
「共犯者だからな」
聞くたびに、後ろ暗い気持ちになる言葉だ。だというのに今日は、あたたかな喜びが胸を満たした。エリックは冗談めかして、軽口を叩く。
「はい。だから殿下も、僕をどこまでも連れていってください。捨てたらダメですよ。責任とってくださいね」
エリックの言葉に、レオポルトが喉を鳴らして笑う。その口角の上がり方がやわらかくて、エリックはほっと息をついた。
はっきり言ってエリックは、レオポルトにほだされている。
彼に苦しい思いをしてほしくないと、願うようになっていた。
「イオネスへ向かう許可が、やっと下りたぞ」
エリックは机から顔を上げた。いじっていた水晶玉――通信具の核となる部品――を置き、椅子から立ち上がる。
きらびやかな宮廷衣装姿のレオポルトが、こちらへ足早に歩み寄る。巻物を差し出したので、咄嗟に受け取った。
「王令だ。見ろ」
エリックはためらいなく巻物を開き、サインを真っ先に確認する。
たしかに、国王の名前が書かれていた。
そして、イオネス山脈へ向かい、通信水晶の実験を許す、と書いてある。
息をのんで、レオポルトを見上げた。
「とうとう、あちらへ行けるんですね」
「ああ、もぎとってきた」
レオポルトはため息をついて、首を回した。
「できるだけ早く現地へ向かえるよう、急いで支度する。魔獣が活性化する、秋頃までに終えるのが理想だが……」
首元のタイを緩めて、また息をつく。エリックはふと気になったことがあり、首を傾げた。
「そういえば、あちらからの訴えは、いつ頃から届いていたんですか?」
「以前から継続的に入ってはいた。なんなら、私の母親は存命だった頃、ずっと嘆願していたな。母はイオネス山脈にある集落出身だから」
ひえ、と声が漏れる。つまり、ずっと放置されていたということだろうか。
絶句するエリックを見て、レオポルトが「一応、国王陛下の弁護をしておくぞ」と断りを入れる。
「あちらの問題を解決するための、実現可能で、実用的な解決手段がなかったんだ。だから今の今まで、手付かずになっていた」
「それで、『もぎとってきた』というのは?」
レオポルトは口をつぐんで、にこりと微笑んだ。
「……優先順位は、何事にもあるのさ」
なるほどなぁ、とエリックは首をすくめる。
つまり、優先的に解決すべきこととは見做されなかった、ということなのだろう。
レオポルトは豪奢な刺繍の施されたジャケットを脱ぎ、小脇にかかえた。その仕草と筋張った手の甲に、エリックはときめきを覚えてしまう。
「これから忙しくなるぞ」
エリックはレオポルトの青い瞳を見据えて、頷いた。
そのまま、目を離せなくなる。本当に美しい人だ。レオポルトもエリックを見つめ返すが、彼の方が先に視線をそらした。
「なんだ。あまり見るな」
「いえ。なんというか、その……」
見惚れていたのが気まずくて、エリックは頷く。
そしてエリックには、疑問がひとつあった。
「レオポルト殿下。どうして、僕を拾ってくださったんですか? 僕は投獄されていたから、引き取るにも、いろいろ面倒なことがあったんじゃないですか?」
レオポルトは、ひょいと片眉を跳ねさせた。気障な仕草ですら様になる。
「言っただろう。イオネスからの訴えを解決するために、お前の通信魔術がほしかったのだと」
そこまでは聞いている。
エリックが気になっているのは、もう一段階深い理由だ。
「……僕という危険因子を抱き込むくらいに、あちらからの訴えの解決を求めるのは、なぜですか?」
思い切って踏み込む。レオポルトは、うっすらと微笑みを浮かべた。
「言わなくてはダメか?」
レオポルトは、椅子の背もたれへ肘をついた。顔と顔の距離が近くなり、柑橘の香りが鼻をくすぐる。彼は黙り込んで、エリックの顔を上目遣いに覗き込んだ。
そしてエリックは、怯まずに見つめ返した。
先に根負けしたのは、レオポルトだった。彼は「そうだな」と呟いて、身体を離す。
「お前を巻き込んでしまったからには、教えておくべきか」
レオポルトは呟いて、目を伏せる。エリックは、真っ直ぐ彼を見上げた。
しばらく、二人は無言だった。
エリックは静かに、レオポルトが言葉を選び終わるのを待った。
レオポルトは瞬きをして、エリックを見つめる。
「私は、母の敵討ちをしたい」
「かたきうち」
強い言葉に驚く。それに構わず、レオポルトは淡々と続けた。
「私の母は、イオネスの集落に住む、木こりの娘だったんだ」
語られる言葉に、エリックは椅子へ座り直した。この話は、きちんと聞かなければいけない。
レオポルトはまるで懺悔するように、長い指を組んだ。
「彼女の父……私の祖父は、祖母と母を残して、若くして命を落としてしまった。春先に魔獣が出て、騎士団からの応援を呼ぼうと山を降りる最中、襲われたそうだ」
エリックは少しうつむき加減になって、レオポルトの話に耳を傾けた。
「祖父を亡くした祖母は、幼かった母を連れて山を降りた。そこから流れて王都へ辿り着き、宮殿の下働きとして生計を立てていたそうだ」
曲がりなりにも貴族として生まれ育ったエリックには、想像もつかない苦労があっただろう。
レオポルトは唇を横に引いて、自分の胸をとんとんと叩いた。
「そこで、国王陛下……当時の王太子に、母は見初められた」
そうして言葉を切って、エリックに微笑みかける。
悲しい笑みだと思った。
「時々、思うよ。祖父が亡くならなければ、母はどんな人生を送っていたんだろうと」
伏せられた目つきには、穏やかな悲しみがあった。彼はきっと、母親のことを、深く愛しているのだろう。
だからこそエリックは、何も言えなくなった。
まるでレオポルトが、彼自身の出生を否定しているように聞こえたからだ。
「そのために、まず、通報の仕組みを整えたい。祖父は騎士を呼びに山を降りなければ、死ななかったかもしれないから」
うつむくと、色の濃い金髪がさらりと崩れた。眉の上にかかった前髪を、長い指が払う。
「どんな手段を使ったっていい、母の無念を晴らしたい。どんな結果をもたらしたとしても……」
エリックは半ば呆然としながら、レオポルトを見つめた。
青い瞳が部屋の明かりに濡れて、しどけなくまぶたが閉じる。唇の端がきゅっと上がった。
「ほら。私は美しいだろう?」
冗談めかしてレオポルトが言った。ぎくりとエリックが身体を強張らせると、彼は目を開けて低く笑う。
「母親と瓜二つなんだ。私を美しく産み育ててくれた恩には、報いないとな」
その冗談めかした口調が、悲しかった。そして今のエリックには、踏み込んではいけない領分だということも分かった。
エリックは頭をさげて、「はい」と恭順の意を示す。
彼が母親と過ごしたのだというこの部屋。傷んだ家具は、机以外空っぽ。
レオポルトの真意は、よく分からない。でも彼は、寂しい生活をしている。
その同情は、エリックの勝手だ。エリックは、レオポルトのことを何も知らないのだから。
「殿下」
エリックの声に、レオポルトは「なんだ?」と鷹揚に首を傾げた。エリックは顔を上げて、彼へ微笑みかける。
「僕は殿下に、どこまでも、着いていこうと思います」
レオポルトは、目を丸くして笑みを消した。エリックは、彼の動揺に構わず「着いていきます」と繰り返した。
この人をひとりにしておけないと、強く思う。
きっと彼は、ひとりぼっちでも生きていける。傷を負ってもくじけず、立っていられる強い人だと思う。
だけど彼がこれまで負ってきた傷は、治っているように見えない。きっと今だって、ひどく痛んでいるはずだ。
でなければこの人が、こんなにひどい自虐をする理由がない。
エリックは、真っ直ぐにレオポルトを見つめ続けた。レオポルトは息を吐いて、そうか、と呟いた。
「共犯者だからな」
聞くたびに、後ろ暗い気持ちになる言葉だ。だというのに今日は、あたたかな喜びが胸を満たした。エリックは冗談めかして、軽口を叩く。
「はい。だから殿下も、僕をどこまでも連れていってください。捨てたらダメですよ。責任とってくださいね」
エリックの言葉に、レオポルトが喉を鳴らして笑う。その口角の上がり方がやわらかくて、エリックはほっと息をついた。
はっきり言ってエリックは、レオポルトにほだされている。
彼に苦しい思いをしてほしくないと、願うようになっていた。
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