【本編完結】生活能力皆無の漫画家、お世話係の遊び人編集者をうっかり沼らせてしまう

鳥羽ミワ

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19. 本番(R-18)

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 佐原さんはすごかった。吸って、舐めて、かじって、僕をとろとろにした。
 僕はキスをねだったし、あちこちに触ってほしがったし、佐原さんも触りたがった。
 佐原さんは全部に応えてくれた。僕は生まれて初めて人の局部に触ったし、人を愛撫した。

「野木せんせ……上手ですよ」

 佐原さんのペニスを舌先で舐めていると、佐原さんはしきりに褒めてくれた。だけど全然切羽詰まった感じはしないし、声も甘い。
 だけど僕は、褒められることに弱かった。佐原さんのそこを言われた通りに舐めて、しゃぶって、気持ちよくする。

「かわいい」

 佐原さんの言葉は月並みな表現だけど、毒みたいだ。
 僕の頭はすっかり馬鹿になって、佐原さんと気持ちよくなることしか考えられなくなる。
 気づけば逆に僕が舐められていた。佐原さんが僕のものを舐めながら、後ろに手を入れて、ナカをほぐす。

 他人の手で身体の内側に触れられると、こんなに怖くて、こんなに気持ちいいのか。僕は必死に息をしながら、佐原さんを呼んでキスをねだった。

「でも俺、こんなところ舐めてますけど」

 困ったように佐原さんが言うから、「いいから」と泣き言を言う。佐原さんが、僕の股間で笑ったのが分かった。

「じゃあ、遠慮なく」

 身体があがってきて、キスされる。僕はこの短時間で、すっかりキスが好きになっていた。
 ナカをゆったりほぐされて、もっと奥にほしくなる。気持ちいいところを押されると、「あっ」とあられもない声が出た。

「ここがいいのか……」

 佐原さんの長い指が、さっき僕の手を握った指が、ナカに触れている。そう思うだけで、身体の中心がかっと熱く燃えるみたいだった。

 僕がもじもじしている間に、佐原さんの指が抜ける。
 しばらく経って、佐原さんがゴムを手に取った。

「俺はLサイズなんで、これから準備の方をよろしくお願いします」

 爽やかな笑顔で言われて、僕は言葉に詰まった。全身が火照って、股間のものがますます張り詰めていく。

「わかった……」

 蚊の鳴くような声で言うと、佐原さんは笑った。
 佐原さんはゴムをつけると、慣れない手つきでローションのボトルを開ける。掌にたっぷり出して、ゴムを被ったペニスに塗りつけた。
 それから余った分を、僕の後ろに塗りつける。
 またローションを出して、掌で温めながら、佐原さんは僕の顔を覗き込んだ。

「……遥さんって呼んでいいですか?」

 下の名前で呼ばれるなんて、一体いつぶりだろうと思った。

「うん」

 ちょっと鼻声になった。僕は啜り泣くように尋ねる。

「ぼ、僕も……圭人、さんって呼んでいい……?」

 佐原さんは無言になった。深いため息をついて、僕の腰を掴む。持ち上げて、彼のペニスを僕の会陰部に押し付けた。

「それは、ぜひ呼んでください。あと『くん』がいい」

 けいとくん、と呼ぶと、甘い「はい」という返事があった。僕は照れ隠しに笑う。

「けいとくん……」

 つぷ、と何かが後ろに触れた。それはみるみるうちに熱くなって、僕のナカにはいってくる。

「あ、おっき……」

 圭人くん。口の中で馴染ませているうちに、「遥さん」と呼ばれる。

「そんなにかわいいと、俺に食べられるに……」

 ねぇ、と囁かれて、それだけで腰が跳ねた。この人に食べられたいと思う。
 みるみるうちに繋がりは深まって、圭人くんの腰が僕のお尻にぶつかる。尻たぶに何かがぺちんと当たって、それが陰嚢だと理解した瞬間に、涙がほろりとこぼれた。

「すごい……」

 恥ずかしい。みっともない。気持ちいい。楽しい。
 いろんな感情が混じり合って、濁流みたいに頭の中を流れていく。
 圭人くんはゆるゆると腰を前後に動かして「はるかさん」と僕を呼んだ。

「きつくない?」
「んーん、ぜんぜん……」

 丁寧に慣らしてくれたお陰か、全然痛くない。少し苦しくて呼吸は浅いけど、大丈夫だ。
 ふっふっと呼吸を繰り返していると、キスされた。舌先を触れ合わせるだけの、じゃれ合うみたいな穏やかなやつだ。

 しばらくそうしているうちに、ナカが落ち着く。僕の呼吸は少しだけ深くなる。

「動きますね」

 圭人くんはそう言って、腰を揺らしはじめた。僕の身体もつられて動く。

「ん、ふ……っあ、あん」

 セックスしてると本当に変な声が出るんだ、と妙に感動した。圭人くんはにんまり笑って、「かわいい」とまた囁く。その言葉だけで、僕の身体はじんわりと蕩けて、力が抜ける。

「……っあ!」

 突然強く突き上げられて、甲高い声が漏れた。
 圭人くんは「あー」と低くうめいて、僕の腰を掴み直す。

「やさしく、やさしく、するから……」

 うわごとのように言いながら、圭人くんは僕の身体を突き上げた。こんなの知らない。僕は必死に圭人くんへしがみついて、啜り泣くみたいに喘いだ。

「ん、いたくない……? くるしくない?」

 圭人くんはしきりに僕を心配してくれるけど、腰を止めてはくれない。僕はやめてほしくないから、必死で頷いた。

「も、もっと……もっと……!」

 ねだれば、それ以上のものがもらえた。
 圭人くんは僕の気持ちいいところをちゃんと狙ってえぐってくれる。僕は全身が痺れて、甘ったるく痺れて、だらしなく喘ぐことしかできない。
 たぶん、変な顔をしている。

「かわいい。やっぱかわいいなぁ……」

 なのに、圭人くんはうっとりと言う。薄目に見上げると、甘ったるい笑みを浮かべていた。

「なに。もっと?」

 うん、と頷く。圭人くんは「しょうがないな」と笑って、僕を突き上げた。身体ががくんと揺れて、ぴんとつま先が伸びる。

「ああ、あ、あ」
「んー……イきそ?」

 わからない。僕が目をつむると、ナカのものが抜けていった。抜かないでほしくて締め付けると、奥へと熱が叩きつけられる。

「抜かんよ。安気としとってください」

 色っぽい声で囁かれて、お尻が震えた。
 圭人くんのよそ行きの言葉じゃなくて、生まれ育った言葉で口説かれて、なだめられている。
 それがすごく幸せで、ありがたいことに思えた。

「あ、ん……」

 うれしい。僕の身体は震えて、股間がじんわり温かくなった。
 圭人くんは「あは」と笑う。

「イっちゃった?」

 身体がゆみなりに反っていることに気づく。声もなく絶頂すると、たくましい腕で抱きしめられた。
 がくがくと痙攣する僕を抱きしめて、圭人くんがうめく。彼の腰が叩きつけられて、陰嚢がべちんと僕のお尻を叩いた。

「俺も、……」

 本当のセックスって、案外静かなものなんだな。
 ぼんやりと霞む意識の中、僕は少しだけおかしくなった。
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