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21. 生活をがんばりたい漫画家と、その恋人
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圭人くんは、僕の担当から降りた。どうやら、彼なりのけじめらしい。
僕としては仕事がやりやすかったからそのままがいいと伝えたのだけど、彼は「絶対にいやです」と首を横に振った。
「けじめはつけたいんです」
頑なに主張するので、僕はしぶしぶ担当変更を承諾した。
その代わり、新しく始めたことがある。
毎週金曜日の夜、圭人くんは僕の家にやってくる。合鍵を渡してあるから、出迎えは必要ない。
いつもなら退勤してすぐ来るけど、今日はカウンセリングの日らしい。圭人くんがやってきたのは、午後八時くらいだった。
「お邪魔します」
圭人くんが来たら僕は作業をやめて、出迎えに玄関へ出る。圭人くんは薄手のコートを脱ぎながら、「こんばんは」と微笑んだ。
僕もにっこり笑いかけて、「いらっしゃい」と言いながらコートを受け取る。なんだか新婚みたいで、心が浮つく瞬間だ。
圭人くんのために用意したハンガーにコートをかけて、室内干しの物干し竿にかけておく。
その間に圭人くんは冷蔵庫を開けて、食事の用意を始めた。
「豚肉とキャベツ、買っておいてくれたんですね」
「うん。圭人くんが、事前に伝えておいてくれたから」
僕も少しだけ、家のことをしはじめた。まずは頼まれたものを買いに行くことだけだけど、これから少しずつ増やしていこうと話し合っている。
圭人くんは「よく頑張りました」といたずらに目を細めて、キャベツをまな板へ置いた。
僕は圭人くんが夕食を作る背中を見守った。ふと思い立って、仕事部屋からグロッキー帳を持ってくる。
ボールペンでドローイングをしていると、「なんですか」と圭人くんが笑った。僕が「圭人くんを描いてる」と言うと、もう、とあんまり怒ってなさそうな声が返ってくる。
「モデル料取りますよ」
「何で払えばいい?」
上目遣いで、甘えるように尋ねる。圭人くんは甘ったるい声で言った。
「じゃあ、後で描いた数だけキスしてください」
そう言って、料理に戻った。僕はあぜんとした。だけどすぐに我に帰って、ペンを持つ。風のような勢いで圭人くんの輪郭を描いていった。
料理が出来上がる頃には、軽く十体くらいできていた。
「遥さん、ご飯をチンしてください」
タイムアップだ。僕は大人しくペンを置いて立ち上がった。
冷凍ご飯を温めて、圭人くんとお揃いで買ったお椀へ盛る。
側から見たら、僕たちはものすごいバカップルに見えるだろう。僕自身もそう思う。
圭人くんはといえば、クロッキー帳をちらりと見た。すぐに視線をフライパンへ戻して、野菜炒めを盛り付ける。
そこからはいつも通りの食事の時間だ。ご飯を食べて、食後は一緒にお茶を飲む。
そしてお茶を飲みながら、僕はタブレット端末を開いた。
「同人誌の原稿チェック、してくれる?」
「はい。拝見します」
うやうやしく圭人くんが言う。大袈裟だな、と思いつつも、原稿データを開いたページを見せた。
最近の僕は、同人誌を描き始めた。自分自身のために、物語を書いてみたくなったからだ。
圭人くんは目を輝かせて、原稿を見る。こういう時この人は本当に、僕の漫画が好きなんだと実感する。
「……いいですね。相変わらず漫画が上手い」
うなるように言うから、「もう」と苦笑いした。圭人くんはページを戻して、「少し作風を変えましたね」と呟く。
「あえて流行りは外しましたか?」
「うん。それは僕的に、同人でやる旨みがないから」
ばっさり言う僕に、圭人くんは口元を歪ませた。笑みをこらえきれなかったみたいだ。
「ふーん……」
にやにやしている圭人くんをよそに、僕はクロッキー帳を開く。改めて描いた数を確認しつつ、こっそり新しいのを描きたした。
圭人くんは僕の原稿をひとしきり見た後、タブレットを返す。
「よかったです。やっぱり遥さんの作品は計算尽くですけど、面白い」
「ありがとう」
つんと顎を上げて言うと、圭人くんは軽やかに笑った。
「本当によかったです。これが本になるの、楽しみだな」
てらいのない言葉に、なんとも言えずむずがゆくなった。
僕はクロッキー帳を開いて、「十二体描いた」と厳かに言った。圭人くんをじっと見つめる。
「キス、十二回でいい?」
圭人くんは目を丸くして、僕をまじまじと見つめた。それから挑発するように目を細めた。
「十二回、数えられます?」
この野郎。
僕は立ち上がって、圭人くんの側に寄った。膝に乗ろうとすると、圭人くんは少し椅子を引いてスペースを作ってくれる。
膝に乗って、向かい合わせになる。ちゅう、と唇を合わせた。まずは一回。
二回目は頬。三回目は鼻。調子よくちゅっちゅと吸い付いていると、圭人くんは僕の頬を掴んだ。
「こっち」
そう言って、唇を合わせてくる。僕はうっとりとして、口をこすりつけた。
「もっと……」
柔らかい唇の熱さが、じんわりと全身に広がっていく。もどかしい心地よさに、僕は身体を密着させた。
圭人くんは僕の唇を何度も吸った。腰の裏側がむずがゆくて、背中が震える。
ふっと圭人くんが笑って、僕の首筋をなぞった。
「今、何回か分かります?」
「ふえ……」
せっかくキスへ夢中になっていたのに、急に現実へ引き戻された。恨めしげな視線に気付いたのか、「すみません」と圭人くんは言う。
「じゃあ、数え切れないくらいしましょう」
それはいい提案だ。僕はすっかり気をよくして、圭人くんへ抱きついた。
キスの雨を降らせながら、僕たちの熱はどんどん上がっていく。すっかり熱くなった頬を擦り合わせながら、圭人くんがぽつりと言った。
「……お風呂、入れましょうか」
「ん」
僕のうなずき一つで、圭人くんはさっと立ち上がる。浴室へ向かう後ろ姿を見ながら、ひとりでリビングの椅子に座った。
圭人くんは相変わらずカウンセリングに行っているし、依存心がなくなったわけではないと言っている。だから制御したいんだとも。
僕も相変わらず生活能力がない。家事のほとんどを圭人くんに頼っている。
だけど、このままじゃいけないと決めて、改善のために二人でがんばっている。
これはきっと、尊いことなんだろう。
給湯器の電源が入る。圭人くんが戻ってきて、僕をひょいと抱きかかえて椅子に座った。
とろけるような甘い視線が、僕をねっとりと包む。
「続き、しましょう」
返事より先にキスをした。圭人くんは「もう」とくすくす笑って、僕の唇へ噛み付く。
僕たちは決して模範的な関係じゃない。不健全な依存関係で、きっと対等でもない。
だけどより良い関係であろうとがんばっている。これで明るい未来が開けなかったら、嘘だろう。
「圭人くん、もっと」
人生でいちばん甘えた声が出た。圭人くんは「お望みのままに」とかっこつけたことを言って、僕の唇へキスをした。
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頑なに主張するので、僕はしぶしぶ担当変更を承諾した。
その代わり、新しく始めたことがある。
毎週金曜日の夜、圭人くんは僕の家にやってくる。合鍵を渡してあるから、出迎えは必要ない。
いつもなら退勤してすぐ来るけど、今日はカウンセリングの日らしい。圭人くんがやってきたのは、午後八時くらいだった。
「お邪魔します」
圭人くんが来たら僕は作業をやめて、出迎えに玄関へ出る。圭人くんは薄手のコートを脱ぎながら、「こんばんは」と微笑んだ。
僕もにっこり笑いかけて、「いらっしゃい」と言いながらコートを受け取る。なんだか新婚みたいで、心が浮つく瞬間だ。
圭人くんのために用意したハンガーにコートをかけて、室内干しの物干し竿にかけておく。
その間に圭人くんは冷蔵庫を開けて、食事の用意を始めた。
「豚肉とキャベツ、買っておいてくれたんですね」
「うん。圭人くんが、事前に伝えておいてくれたから」
僕も少しだけ、家のことをしはじめた。まずは頼まれたものを買いに行くことだけだけど、これから少しずつ増やしていこうと話し合っている。
圭人くんは「よく頑張りました」といたずらに目を細めて、キャベツをまな板へ置いた。
僕は圭人くんが夕食を作る背中を見守った。ふと思い立って、仕事部屋からグロッキー帳を持ってくる。
ボールペンでドローイングをしていると、「なんですか」と圭人くんが笑った。僕が「圭人くんを描いてる」と言うと、もう、とあんまり怒ってなさそうな声が返ってくる。
「モデル料取りますよ」
「何で払えばいい?」
上目遣いで、甘えるように尋ねる。圭人くんは甘ったるい声で言った。
「じゃあ、後で描いた数だけキスしてください」
そう言って、料理に戻った。僕はあぜんとした。だけどすぐに我に帰って、ペンを持つ。風のような勢いで圭人くんの輪郭を描いていった。
料理が出来上がる頃には、軽く十体くらいできていた。
「遥さん、ご飯をチンしてください」
タイムアップだ。僕は大人しくペンを置いて立ち上がった。
冷凍ご飯を温めて、圭人くんとお揃いで買ったお椀へ盛る。
側から見たら、僕たちはものすごいバカップルに見えるだろう。僕自身もそう思う。
圭人くんはといえば、クロッキー帳をちらりと見た。すぐに視線をフライパンへ戻して、野菜炒めを盛り付ける。
そこからはいつも通りの食事の時間だ。ご飯を食べて、食後は一緒にお茶を飲む。
そしてお茶を飲みながら、僕はタブレット端末を開いた。
「同人誌の原稿チェック、してくれる?」
「はい。拝見します」
うやうやしく圭人くんが言う。大袈裟だな、と思いつつも、原稿データを開いたページを見せた。
最近の僕は、同人誌を描き始めた。自分自身のために、物語を書いてみたくなったからだ。
圭人くんは目を輝かせて、原稿を見る。こういう時この人は本当に、僕の漫画が好きなんだと実感する。
「……いいですね。相変わらず漫画が上手い」
うなるように言うから、「もう」と苦笑いした。圭人くんはページを戻して、「少し作風を変えましたね」と呟く。
「あえて流行りは外しましたか?」
「うん。それは僕的に、同人でやる旨みがないから」
ばっさり言う僕に、圭人くんは口元を歪ませた。笑みをこらえきれなかったみたいだ。
「ふーん……」
にやにやしている圭人くんをよそに、僕はクロッキー帳を開く。改めて描いた数を確認しつつ、こっそり新しいのを描きたした。
圭人くんは僕の原稿をひとしきり見た後、タブレットを返す。
「よかったです。やっぱり遥さんの作品は計算尽くですけど、面白い」
「ありがとう」
つんと顎を上げて言うと、圭人くんは軽やかに笑った。
「本当によかったです。これが本になるの、楽しみだな」
てらいのない言葉に、なんとも言えずむずがゆくなった。
僕はクロッキー帳を開いて、「十二体描いた」と厳かに言った。圭人くんをじっと見つめる。
「キス、十二回でいい?」
圭人くんは目を丸くして、僕をまじまじと見つめた。それから挑発するように目を細めた。
「十二回、数えられます?」
この野郎。
僕は立ち上がって、圭人くんの側に寄った。膝に乗ろうとすると、圭人くんは少し椅子を引いてスペースを作ってくれる。
膝に乗って、向かい合わせになる。ちゅう、と唇を合わせた。まずは一回。
二回目は頬。三回目は鼻。調子よくちゅっちゅと吸い付いていると、圭人くんは僕の頬を掴んだ。
「こっち」
そう言って、唇を合わせてくる。僕はうっとりとして、口をこすりつけた。
「もっと……」
柔らかい唇の熱さが、じんわりと全身に広がっていく。もどかしい心地よさに、僕は身体を密着させた。
圭人くんは僕の唇を何度も吸った。腰の裏側がむずがゆくて、背中が震える。
ふっと圭人くんが笑って、僕の首筋をなぞった。
「今、何回か分かります?」
「ふえ……」
せっかくキスへ夢中になっていたのに、急に現実へ引き戻された。恨めしげな視線に気付いたのか、「すみません」と圭人くんは言う。
「じゃあ、数え切れないくらいしましょう」
それはいい提案だ。僕はすっかり気をよくして、圭人くんへ抱きついた。
キスの雨を降らせながら、僕たちの熱はどんどん上がっていく。すっかり熱くなった頬を擦り合わせながら、圭人くんがぽつりと言った。
「……お風呂、入れましょうか」
「ん」
僕のうなずき一つで、圭人くんはさっと立ち上がる。浴室へ向かう後ろ姿を見ながら、ひとりでリビングの椅子に座った。
圭人くんは相変わらずカウンセリングに行っているし、依存心がなくなったわけではないと言っている。だから制御したいんだとも。
僕も相変わらず生活能力がない。家事のほとんどを圭人くんに頼っている。
だけど、このままじゃいけないと決めて、改善のために二人でがんばっている。
これはきっと、尊いことなんだろう。
給湯器の電源が入る。圭人くんが戻ってきて、僕をひょいと抱きかかえて椅子に座った。
とろけるような甘い視線が、僕をねっとりと包む。
「続き、しましょう」
返事より先にキスをした。圭人くんは「もう」とくすくす笑って、僕の唇へ噛み付く。
僕たちは決して模範的な関係じゃない。不健全な依存関係で、きっと対等でもない。
だけどより良い関係であろうとがんばっている。これで明るい未来が開けなかったら、嘘だろう。
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