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ドーレにて
しおりを挟む冒険者ギルドを後にして、明日奴隷市に掛けられるとの情報の元下見に行く事にした。受付嬢からのメモは、【完了】は共に行く準備が完了している、と言う事で【明日かけられる】とは仲間が明日奴隷市に掛けられると言う事だった。ポルテノール様の手の者が買う予定との事。罠に嵌められて奴隷に堕とされたのだ。さもありなんだね。
こうして話を聞きつつ奴隷市場に辿り着いた。そこには他の街と同様食材や日用品の他奴隷市が普通にあった。今日は盗賊等の犯罪奴隷らしい。見るからに凶悪そうな面持ちの者が多い。だが一応鑑定しておこう。この国の犯罪者は善人の場合があるから寧ろ取り締まる側の方が悪人だったりする。
皆で手分けしてここに居る人達だけでもと鑑定を掛けていく。今回は本当に悪人ばかりだった。ただその横に白い身体に黒い模様の恐らくモンスターが2頭いる。傷だらけの身体は抵抗していたようで血に濡れ毛並みがボロボロになっている。
このモンスターもオークションにかけるのかと思っていると・・・反抗的過ぎて奴隷用首輪を着ける前に傷が深くなり過ぎてポーション代の方が高く付くらしく買い手が付かなかった為殺処分するそうだ。
なんて身勝手。日本のペットショップでも同じ事が起こっている。売れ残り期限が過ぎた動物を殺処分する。あり得ない事だ。生まれて間も無く母から引き離されて狭いゲージの中ガラス越しに見せ物の様な扱いを受ける動物もいる。可愛い子は間もなく売れて行くし恐らくかわいがって貰える。そうで無い子もたまに居る。タイミングが合わず売れ残ってしまう子。老いたから、合わなかったからと捨てられる子。とても胸の痛い事だ。全ての動物を助ける事は叶わない。少しでも多くの命を救いたい。と思っていた。しかし限度があった。そんな己の無力さが辛かった・・・。てことを思い出してしまった。
そのボロボロの姿が切なかった。
「泣かないで」と頬を拭ってくれた優さん。知らないうちに涙を流していた様だ。
「うん、ごめんなさい」
「あの子達、連れて帰ろう」と彼ら・・・モンスターを見つめながら言ってくれる。あの子達の事が気になっていると気付いてくれたのだ
他の皆んなも「「「連れて帰ろう」」」と同意してくれた。
他の皆んなも私と同じとは限らない。ダメなら空間を新しく作って連れ帰ろうと思っていた。日本に居た時は場所や財力、時間、etcで思う様に出来なかった。だが今は違う。空間も色々どうとでも出来る。その上皆んなも同意してくれた。本当に嬉しい。
皆んなからの同意も得られて声を掛けようとしたその時・・・
「この役立たずがっ。余計な手間ばかり掛けさせやがって!」 「「キュッ!」」檻を蹴る者が居た。モンスターは浅くハッ、ハッと小さく息をしている
「ちょっっ・・・」と私がキレ掛けた時、それを制しヨワヒムさんが
「大変そうですね・・・お察ししますよ。どうでしょう、私の方で処分しておきましょう。」
「なんだ?お前。ただ取りしようってのか?アアン?」スタンダード?に凄むゴロツキ奴隷商人の者。
「フッ、何を仰います。そちらのモンスターはもう長く無いでしょう?毛皮を売ろうにも傷つき過ぎて手間賃の方が高く。生きながらえさせるにも・・・そうですね、1頭辺り 高・ポーションを3本は必要ですね。それでも失った手・足は元には戻りませんよね? ハー・・・私には何のメリットもございませんが、明日奴隷購入する予定でしてねその為の根回しですよ。先に見せて頂いて下見させて頂けたらとね?いかがですか?」と笑むヨワヒムさん。うん、悪そう
「ま、まあな。だったら下見させてやらんこともねえがな。」と信じた様子。チョロい
「では、コチラで処分致しましょう。」とコチラを見遣る。ポルテノール様の騎士様が抱えて連れて行ってくれるそうだ。
「では、先にコチラを処分して来ましょう。また後ほど参ります。」と皆んなを促す。街の外に出た所、見えない場所に入りルームに入れる。一旦狼親子達の時のように専用の小部屋を作り私も直ぐ見れるところにした。
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