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晴れた日
しおりを挟む「かあさまーー」
「フフフ、ファルは走るのが好きね」
「はい、走るのは好きです。でも、かあさまは、もっともっともー~っとすき! だあいすきです 」
「あら、かあさまも。ファルの事がだぁいすきよ」
そう言って抱き上げてくださったかあさま。僕は、かあさまのほっぺにスリスリと
しながら抱きつく。かあさまは良い匂いがするんだ。父様が居ない今は、僕だけのかあさまだからね!
とうさまが居たら、かあさまを独り占め出来ないから、競争なんだ。お姫様の王子様になれるのは独りだけ。負けないぞ!
今日は、お勉強はお休み。だからかあさまとお弁当を持って泉の側にピクニックに来てる。とても冷たくて美味しい水なんだ。エメラルドグリーン?って言う色と水色、お空の色を足してグルグルしたような、とーっても綺麗な色なんだぁ
周りのお花達も小さいけれど、とっても可愛くて優しい色。ここに来るとかあさまも、僕もとても幸せな気持ちになれるんだよ。今日は、とうさまが居ないのが寂しいけれど。
かあさまを独り占めできるから良いんだ。とうさまは、お仕事を頑張ってくれてるんだってすごく大変みたい。とうさまは、すごいね!
あと、1番大事なのは領民の皆様だって、とうさまとかあさまが教えてくれた。皆んなが頑張ってくれてるからこんなに沢山の幸せがある。僕たちは、領民の皆様が安心して沢山の笑顔で暮らしていける領土にしていくのが大事なんだって!
僕もおっきくなったら、とうさまみたいに
カッコいい男になって皆んなを守るんだ!
かあさまに抱っこされて、ニコニコとした優しいお顔を見てたら眠くなっちゃったよ
僕の毎日はとっても幸せだ。優しいかあさま。カッコよくて頼もしいとうさま。それはずーーーっと続くはずだった
「ファル、起きて、しぃ~!声を出しちゃダメよ?」小さな声でかあさまに起こされた
僕はコクリと頷いた
「良い事?今から、何があっても声を出しちゃ、ダメよ?
とても大事な事なの。難しい、かくれんぼよ?」
何だか、楽しいかくれんぼじゃないなって事は分かった。かあさまは、笑っているけど。大変な事だって感じた。何だか、怖くなった
すごく、不安になって・・・涙が出てきた。でも、僕は、男だ!とうさまみたいにカッコ良い男になるんだ!だから、ただ頷いた
僕はかあさまを守りたい!!僕の、お姫様
「ファル、何が聞こえても、声を出しちゃダメ。静かにしながらかあさまとかくれんぼするの。良いわね?」
僕は、頷いた。かあさまからのお願いだもん。僕は、良い子でなきゃ!!かあさまとたくさん歩いて、かくれんぼした。
でも、鬼さんが近くに来たみたい。何だか怖い男の人の声が聞こえる
「ここにいれば、見つからないわ。かあさまと一緒に居ましょうね」かあさまは
僕の事をぎゅーーーっと、抱きしめて。
「愛してるわ、ファル。大好きよファル。ずっと、ずっと、ずっと
愛しているわ
とうさまにも、かあさまが愛していると伝えてね? お願いよ」
そうして、かあさまはニッコリとおひさまみたいに・・・笑った
「僕も、かあさまがとっても、大大大大大好きだよ!」
と、ぎゅーーっとかあさまを抱っこしたんだ。
「眼を閉じておくのよ。私の大切な。ファル」僕の眼を閉じさせて、手で押さえさせた。
かあさまに抱っこされて、何だかふうわりと優しく光った。暖かな物に包まれて、とっても眠くなった・・・
僕はとても幸せな気持ちになった
次に目が覚めた時、真っ暗だった。何だか、ふわふわのブランケットに包まれてた
。かあさまは?
「かあさまー、かあさまどこ?」
侍女や、騎士も居ない。皆んなどこ?
静かにねって言われてたけど、かあさまを探さなきゃ!!皆んなも、何処に行っちゃったのかな。かあさま、もう、かくれんぼは終わり?
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