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第十二話 甘美な休息
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にやけた顔でこちらを見る二人の兄と、あえて視線をそらし茶を飲む母から逃げるようにして、晴人は母屋を後にした。
居た堪れない気持ちに変わりはないが、とりあえず百八と二人になると安堵の気持ちが込み上げる。
——あー、マジで辛かった。針のむしろってまさにああいう状況のことを言うんだな。
離れにつくと、自然と深いため息がこぼれる。しかし、そんな晴人の繊細な心の動きなど気にせず、好色な式神は扉を閉めた途端、後ろから彼の体を抱いてきた。そのまま、首筋に食らいつくようにしてキスをする。
「お、おい…いきなりかよ」
慌てて身を引こうとするが、圧倒的な体格と力の差によって、抵抗も虚しくいつの間にかベッドに押し倒されていた。そのまま百八はあっという間に着物を脱ぎ捨て、晴人の服も脱がせてしまう。気がついた時には、すでに「それ」が始まっていた。
「当然だろう?俺はお前のために朝っぱらから二体ももののけを祓ったんだ。さっきから腹が減って堪らなかった」
「…あんなに饅頭食ってたくせに」
「あれはあれ、これはこれだ。所詮人間の食物など霊力を得る糧にはならない。やはり俺の一番の精力源はお前の体だからな」
そう言うと、百八は晴人の唇を貪るようにして、口づけをしてくる。
「んっ…あ…んん」
「淫」属性を持っているが故か、百八のキスはあっという間に晴人の心と体を蕩けさせる。一度体が触れ合うと、もう抵抗しようという気すら起こらなくなる。晴人は、込み上げてくる熱を感じながら、その力強くも優しい口づけをいつしか受け入れていた。
「びゃ…百八…聞いてたと思うけど…これから…ん…俺たち試験を受けないと」
「分かっている。だからこそたっぷり、今のうちに滋養をつけておかねばな。大丈夫だ、お前の体はまだ快楽に弱い。俺の技をもってすればすぐに果てるだろう」
その通りだった。晴人のそれは、すでに蜜を滴らせ、百八の愛撫を求めてぴくぴくと動いていた。
——自分の体が、まるで自分のものじゃないみたいだ
「は…あ…っん、ああ」
耳を舐られ、そこを弄られながら、晴人は思わず甘い吐息を漏らす。母屋には家族がいるというのに、こんな痴態を晒している自分が心底恥ずかしい。しかし、仕方ないのだ。相手は「淫」属性を持つ手練れの式神。まともに恋愛さえしたことのない晴人の体が、彼の愛撫に敵うはずもない。
「いいぞ、晴人。お前、どんどん感じやすくなってるな。もっと可愛らしく鳴いて、俺を悦ばせてくれ。そうすれば、俺の霊力はさらに強くなる。試験なんか、あっという間に終わるさ」
「…でも、それが終わったらまた…やるんだろ?」
「そりゃあそうだ。力を使ったら補給する。それが最初に交わした誓約だからな。だが、直にお前だってやみつきになるぜ?俺なしではいられない体になる」
耳元でそう囁かれ、晴人は思わず身をよじらせた。百八の熱い吐息が耳朶を刺激し、甘く痺れるような快感が背骨を伝って全身を蛇のように這う。
——やばい、このままじゃマジでこいつの言う通りになっちゃう。
心なしか、百八の逞しい体が金色に発光しているように見える。恐らく、晴人を抱きながら精気を吸収しているのだろう。このまま儀式を繰り返せば、彼の力は今よりもさらに強大なものになるのだろうか?
快感に薄れていく意識の中で、晴人は昨日、今日と目にした勇ましい百八の戦闘ぶりをうっすらと脳裏に蘇らせた。
——このままでも十分に強いのに…さらに強くなったら?俺は今よりももっと、精を供給し続けなければいけないのか?
「晴人、余計なことを考えるな」
百八が、晴人の考えを見透かしたようにそう囁いた。
「お前は大人しく、俺の腕に抱かれていれば良い。俺たちの相性は完璧だ。ひと目見た時から分かった。すごいコンビになるぞ。どんなもののけも雑魚になる」
——…結局血筋には勝てないってわけか。
晴人は半ば諦めたような気持ちで、百八の愛撫に体を任せた。やがて、何か滑らかなものが、晴人のそこを覆う。うっすらと目を開けると、式神の唇が自分の最も恥ずかしい部分に触れているのが分かった。
「なっ…そこは…だめだ…そんなことされたら、俺もう…」
「もう、なんだ?」
百八は面白そうに言いながら、舌を這わせてさらなる刺激を与えてくる。その快楽に耐えきれず、晴人は思わず果てていた。
「っあ…ああ…う…あ」
その瞬間、式神の体はさっきよりもさらにはっきりとした金色のオーラに包まれた。肉体自体も、ひと回り大きくなったように感じられる。これが——「淫」の力。
「ふう、またあっという間だったな」
百八がからかうようにそう言って、晴人の頬に口づけをする。まだ快楽の名残が残っているせいか、それすらも甘い刺激となって晴人の全身を伝う。
「…朝からこんなことしたんだ。これからたっぷり働いてもらうからな」
晴人がそう言うと、百八は微笑みながら言った。
「ああもちろん。そうしたらまた夜のお楽しみが増えるからな。力を使うのは大歓迎だ。さあ、その試験とやらに向かおうじゃないか。今の俺は、控えめに言っても絶好調だ——」
居た堪れない気持ちに変わりはないが、とりあえず百八と二人になると安堵の気持ちが込み上げる。
——あー、マジで辛かった。針のむしろってまさにああいう状況のことを言うんだな。
離れにつくと、自然と深いため息がこぼれる。しかし、そんな晴人の繊細な心の動きなど気にせず、好色な式神は扉を閉めた途端、後ろから彼の体を抱いてきた。そのまま、首筋に食らいつくようにしてキスをする。
「お、おい…いきなりかよ」
慌てて身を引こうとするが、圧倒的な体格と力の差によって、抵抗も虚しくいつの間にかベッドに押し倒されていた。そのまま百八はあっという間に着物を脱ぎ捨て、晴人の服も脱がせてしまう。気がついた時には、すでに「それ」が始まっていた。
「当然だろう?俺はお前のために朝っぱらから二体ももののけを祓ったんだ。さっきから腹が減って堪らなかった」
「…あんなに饅頭食ってたくせに」
「あれはあれ、これはこれだ。所詮人間の食物など霊力を得る糧にはならない。やはり俺の一番の精力源はお前の体だからな」
そう言うと、百八は晴人の唇を貪るようにして、口づけをしてくる。
「んっ…あ…んん」
「淫」属性を持っているが故か、百八のキスはあっという間に晴人の心と体を蕩けさせる。一度体が触れ合うと、もう抵抗しようという気すら起こらなくなる。晴人は、込み上げてくる熱を感じながら、その力強くも優しい口づけをいつしか受け入れていた。
「びゃ…百八…聞いてたと思うけど…これから…ん…俺たち試験を受けないと」
「分かっている。だからこそたっぷり、今のうちに滋養をつけておかねばな。大丈夫だ、お前の体はまだ快楽に弱い。俺の技をもってすればすぐに果てるだろう」
その通りだった。晴人のそれは、すでに蜜を滴らせ、百八の愛撫を求めてぴくぴくと動いていた。
——自分の体が、まるで自分のものじゃないみたいだ
「は…あ…っん、ああ」
耳を舐られ、そこを弄られながら、晴人は思わず甘い吐息を漏らす。母屋には家族がいるというのに、こんな痴態を晒している自分が心底恥ずかしい。しかし、仕方ないのだ。相手は「淫」属性を持つ手練れの式神。まともに恋愛さえしたことのない晴人の体が、彼の愛撫に敵うはずもない。
「いいぞ、晴人。お前、どんどん感じやすくなってるな。もっと可愛らしく鳴いて、俺を悦ばせてくれ。そうすれば、俺の霊力はさらに強くなる。試験なんか、あっという間に終わるさ」
「…でも、それが終わったらまた…やるんだろ?」
「そりゃあそうだ。力を使ったら補給する。それが最初に交わした誓約だからな。だが、直にお前だってやみつきになるぜ?俺なしではいられない体になる」
耳元でそう囁かれ、晴人は思わず身をよじらせた。百八の熱い吐息が耳朶を刺激し、甘く痺れるような快感が背骨を伝って全身を蛇のように這う。
——やばい、このままじゃマジでこいつの言う通りになっちゃう。
心なしか、百八の逞しい体が金色に発光しているように見える。恐らく、晴人を抱きながら精気を吸収しているのだろう。このまま儀式を繰り返せば、彼の力は今よりもさらに強大なものになるのだろうか?
快感に薄れていく意識の中で、晴人は昨日、今日と目にした勇ましい百八の戦闘ぶりをうっすらと脳裏に蘇らせた。
——このままでも十分に強いのに…さらに強くなったら?俺は今よりももっと、精を供給し続けなければいけないのか?
「晴人、余計なことを考えるな」
百八が、晴人の考えを見透かしたようにそう囁いた。
「お前は大人しく、俺の腕に抱かれていれば良い。俺たちの相性は完璧だ。ひと目見た時から分かった。すごいコンビになるぞ。どんなもののけも雑魚になる」
——…結局血筋には勝てないってわけか。
晴人は半ば諦めたような気持ちで、百八の愛撫に体を任せた。やがて、何か滑らかなものが、晴人のそこを覆う。うっすらと目を開けると、式神の唇が自分の最も恥ずかしい部分に触れているのが分かった。
「なっ…そこは…だめだ…そんなことされたら、俺もう…」
「もう、なんだ?」
百八は面白そうに言いながら、舌を這わせてさらなる刺激を与えてくる。その快楽に耐えきれず、晴人は思わず果てていた。
「っあ…ああ…う…あ」
その瞬間、式神の体はさっきよりもさらにはっきりとした金色のオーラに包まれた。肉体自体も、ひと回り大きくなったように感じられる。これが——「淫」の力。
「ふう、またあっという間だったな」
百八がからかうようにそう言って、晴人の頬に口づけをする。まだ快楽の名残が残っているせいか、それすらも甘い刺激となって晴人の全身を伝う。
「…朝からこんなことしたんだ。これからたっぷり働いてもらうからな」
晴人がそう言うと、百八は微笑みながら言った。
「ああもちろん。そうしたらまた夜のお楽しみが増えるからな。力を使うのは大歓迎だ。さあ、その試験とやらに向かおうじゃないか。今の俺は、控えめに言っても絶好調だ——」
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