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アディルが加害者?

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二人はサヴァン先生の誘導で別室に案内された。
その間アンリは泣いていた。

『泣きたいのはアディルの方やよ!』

あぁーーーーー嵌められた。
くっそー、ーーーーーアンリに嵌められた。もうおしまい!
きっとジークは、アンリにこんな卑怯な手を使う私を許さないだろう。

アンリは別室でも泣くだけで、具体的には話さない。

「アディルさん、アンリさんは貴女が遣ったと証言されています。アディルさん、本当の事をお話しください。」

「ーーーーー先生、信じて貰えないと思いますが、私は本当にアンリさんの教科書を破いていません。アンリさんはご自身で教科書を破かれました。きっと私とジークフリード殿下の仲に嫉妬されてーーーーー私に罪を着せようと故意に、このように大げさに振る舞っているのですわ。」

「嫉妬でも業とでもありません!アディル様は嘘を言っています!サヴァン先生、信じないで下さい。」アンリはキッとアディルを睨み付けた。

『こ、ーーーーこゎー恐い!』

サヴァン先生と担任のサリー先生は二人の言い分に処分に困っていた。

教科書を破られたと主張。

本当はアディルとジークフリード殿下の仲に嫉妬して、アディルに濡れ衣を着せているアンリーーーーー。

その時扉をノックする音がした。

サヴァン先生がドアを開けると部屋に入って来ようとする人がいた。

サヴァン先生の制止させる声がする。

「困ります、ジークフリード殿下!」

『ジークフリード殿下?』どうしてーーーーー』

「失礼する。」

ジークはつかつかと部屋に入りアディルを見るーーーーー。

『ジークごめんよ~、アンリの罠にハマったよ~』

ジークを見てたら、泣きそうになってしまう。

見つめ合う二人に割って入るようにアンリがーーーーー

「ジークフリード様、私ーーーーー、わたーーーし。アディル様に教科書を破かれてしまってーーーーー。」

ジークが冷たい瞳で
「それでーーーーーアンリ=クランネル嬢の言い分はそれだけかな?」

「いぃーーーいえ、アディル様は、私がアディル様とジークフリード様が仲良くしているのを妬んで、私がわざと遣ったんだって言うんです。違いますから!アディル様はジークフリード様と仲良くする私が嫌いなんですぅ!」ジークフリード様信じてとぐすぐすと泣き、悲劇のヒロインを演じた。

「アンリ=クランネル男爵令嬢、君の言い分は聞いた。それではアディル=メルフェル侯爵令嬢。どうかな?」

「アンリさんの言い分とは異成ります。私はアンリさんの教科書は破っていません。アンリさんがご自分で、私の目の前で破られました。」

「アディル=メルフェル、その言葉は何に誓えるか。」

アディルはジークを見つめる。

「はい、神と王家にーーーーーそしてジークフリード殿下に誓って。」

「分かった。信じよう!」

「ルーベン」

ジークは後ろに控えていた側近に声をかけた。


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