ファーストコンタクト狂騒曲

九束

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地球は保護国になりました

どんなに文明が進んでも喪女は喪女

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ぐるぐる回るタービン講義から2時間後。

「ちょっと聞いてんの!?」

群がるガンギマリをいなしたあとに、予約した居酒屋でおめめグルグルでぐだを巻くボス。

つい2時間前まで居たバリキャリ美女エルフどこ…ここ?

ちなみにグダを巻いてる原因は仕事とは何の関係もない。

「こんな!こんな美人がにっこり熱視線送ってるのに、なんで誰もお誘い一つしてこないわけ?ボーイミーツガールの教えはどうなってるのよ教えは!」

「地球にそんな教えはないですよボス」

それにガールって歳じゃなくないっすかボス。

「せっかく!出会いの機会を増やそうと思って大学生も一定数招待したのに!なんで飲みにも誘ってくれないの!?日本の大学といえばテニサーでヤリサーでウェーイなんでしょ!?」

「んなわけないでしょ!?」

何で大学生を講義に招待してるのかって思ったらそんな理由かよ!
将来の科学者のために門戸をーとかそういうイイ話だなー軽だと思ったらほぼほぼ私利私欲な理由だったぞ!?

あと誰も声かけてこないのは講義の後すぐにこんな感じで居酒屋に行くからじゃないですかね?

「うーーーー……!こんな、こんなはずでは……なんで……」



「なんでこんな美人で有能な私がわざわざ未開惑星くんだりまで出っ張ってきてるのに誰も声かけないのよー!!」 









完全に酔いが回ってきているのか、普段より気持ち酷めな上から目線&差別発言が飛び出す。
あと話題がループしてきた。典型的な酔っ払いループだ。

しかし、考えてみると確かに少し不思議ではある。
確かに美人なのはそうなのだが、なんとなくボスが誘惑してきてもほだされるようなイメージはわかない。

好みか好みでないかで言えば好みの部類になるんだけどなぁ……。スタイルもいいし。
……まぁ、俺には関係のない話だし適当にいなしておけばいいか。

考えるのも面倒なのでいったん思考を放棄する。

「そんなに飲むと明日つらいですよ?」

「知らないわよそんなの!飲まなきゃやってられないわ!」

俺の制止も聞かず、一気にジョッキを煽る喪女ボス
あーこりゃダメだなー。ヒートアップするコースだなー……。

「ヒューマノイドの非統一惑星、私保護観察官!あるはずじゃん婚期チャンス!ねえどこ!?私の婚期!?」

「待って待って落ち着いてって」

胸倉つかむのやめてくれません?
俺の胸倉つかんでも貴女が喪女なのは変わんないですよ、という言葉が喉まで出かかる。
尊敬ゲージも急降下だ。

その間に、何か喪女はいい考えが思い浮かんだようだ。
いいですよ、聞きますよ。上司飲みは接待。まだ俺の堪忍袋は少し余裕ありますよ。

「そうだ!あんたがいるじゃん!どうよ!?」 

酒飲んで知能指数なくなりました?

……あ、目がマジだ。

「妻と娘と息子がいるんです許してください」

ほんとはサシ飲みもギルティなんだよ? わかって?

というか妻には会ったことあるでしょアンタ。
よそはどうか知らないけどうちはラブラブなんすよ。帰って。どうぞ。

「娘と……息子?……はっ」

願いも空しく、喪女の灰色の脳みそはまた余計なことを思いついたようだ。
短い付き合いだけどわかるわ。絶対ろくでもないこと思いついてる顔だ。

「息子さん何歳?」

「6歳ですね」

ピッカピカの1年生ぞ。

「てことは……ホモサピエンス族の――……がたしか12~3歳前後で……6年くらいか」

何計算してるんだこのポンコツエルフ。もしかして精通年齢計算してる?
予想のはるか斜め上をいくことを考えてるっぽいぞこの喪女。

「ねぇー田中くぅん……もうちょっと家族ぐるみで仲良くしない?」

そう言って上目遣いで覗き込んでくる喪女。
見てくれは美女におっさんが言い寄られている構図だが待ってほしい。視線が野獣の眼光である。

「言っときますけど、うちの息子に少しでも近寄ったら通報しますんで」

アンタの部下だから一応銀河連邦警察への通報ルートあるんだぞ?

ふりじゃねぇからな?

「えー!私のオネショタ逆光源氏ルートは!?!?」

地球にきて半年もたってないのにやたら日本文化に造詣が深いね喪女。
でも特に偉くないよ。えらいのは立場だけだね? 帰って?

「そこになければないっすね」

「あるじゃん!ここに!」

ねぇよ。

日本じゃ犯罪なんすよそれ。
おたくの国、領事裁判権とか分捕らなかったし普通につかまるよ?

でも今の日本だと忖度してもみ消しそうな気もするな……。
なんやかんやでこいつ個人にも借り持ってるしなぁ日本。

うーん……。
……とりあえず銀河連邦の方に通報するか。

「もしもしポリスメン?」

「あっ!ちょっとマジ通報はやめて!ほら、6年じゃなくて12年は待つから!ショタは……惜しいけどっ!それくらいなら待つから!ねぇお義父さん!!」

涙目で縋り付いてくる喪女。
お義父さんじゃないです。離して?

文明が進歩しようと種族が違かろうがろくでもねえ性根のやつはいるんだなぁ……。

目の前のこいつとか。

ポンコツ気味で喪女なのは知ってたけど結構性根もやばかった。というか犯罪者予備軍では?

辞めたくなるわこの仕事。
でも給料はいいんだよなぁ……。銀河連邦の配給券も多くもらえるし。

とりあえず通報がてら銀河連邦にも転職サービスがあるかおまわりさんに聞いてみようかな。
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