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第一章
2-2.迷いの森
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鳥たちが一斉に飛び立ち、頭上の枝葉がざわめく。
遅れて、何かが木にぶつかった鈍い衝撃音と、低いうなり声のようなものが聞こえた。
「…………今の、なに?」
アマネは思わず立ち上がる。
倒木がきしみ、パンのかけらが足元に落ちた。
(魔物? でも、この森には入れないはず)
ギルバートの結界は、人間はもちろんのこと、害のある魔物も弾き出す。
普通なら、こんな音がするほどの大きな何かが、結界の中で暴れるなんてことはない。
ギルバートの強力な結界を……何かが、破った?
嫌な予感と、どうしようもない焦燥感。
胸の奥が、きゅうと強く縮む。
外出前に、森の奥には入らないと二人に約束した自分の言葉を思い出す。
「少しだけ……様子を見るだけ」
自分に言い聞かせるように呟き、アマネは音のした方角へと駆け出した。
枝をかき分け、木の根につまずきそうになりながら、斜面を下る。
息が早くなるのと比例して、心臓も忙しなく跳ねた。
やがて、視界の先の木々が不意に途切れる。
「ッ……!」
息が止まった。
そこには、まるで何かに踏み抜かれたように地面が抉れ、土と岩が散乱している小さな窪地が広がっていた。
そして、砕けた木の幹の間に、その巨大な体は倒れていた。
白銀色の鱗に日差しが鈍く反射している。
空気には、鉄の匂いと、焦げたような嫌な匂いが混ざっていた。
エメラルドの宝石のような瞳が、かろうじて細く開かれる。
「……竜、だ……!」
思わず声が漏れた。
この国に住んでいれば空を飛んでいる姿を目にする機会はあるが、こんなに間近で見たのは生まれて初めてだ。
そんな遠い存在が今、目の前で横たわっている。
翼は片方が不自然な角度で折れ、腹部からは黒ずんだ血が滲み出ていた。
そしてその背に──
立派な鞍と、見慣れない紋章が刻まれた金属板。
大陸で唯一、この国にしか存在しない紋章は──この国最高戦力を持つ、竜騎士団の象徴だ。
「竜騎士団の、竜……!?」
頭の中でいくつもの注意喚起がよみがえる。
竜騎士団と契約している竜には、勝手に触れてはならない。
無断で近づくことも、本来なら罰せられる行為だ。
けれど──
竜の呼吸は、荒々しく、浅かった。
胴体が大きく上下しているが、その度に赤黒い血が泡立っている。
鱗の隙間……横腹のあたりに突き刺さった矢が一本、毒々しい紫色を帯びていた。
アマネの足が無意識に一歩、前に出る。
喉がカラカラに乾いているのに、胸の奥は焼かれたように熱く煮えたぎっている。
この国では特に竜への信仰が深い。
古くから、他種族と群れない高潔な竜と大陸で唯一この国だけが手を取り合い、力を借りて国を繁栄させてきた歴史があるからだ。
そんな尊き生物に、一体誰がこんな真似を。
ルシアンの声が頭の片隅で響く。
『騎士団にはできるだけかかわってはいけない』
『容姿のことと治癒魔法のことは、誰にも話してはいけないよ』
それでも、目の前の苦しそうな呼吸を無視することはできなかった。
アマネはごくりと唾を飲み込む。
(せめて、命を繋ぐところまで)
自分にそう言い聞かせて、竜の傍らに慎重に膝をついた。
竜は同族以外とは群れず、この国でも契約者以外の人間には懐かない生き物だと聞いていたので、近づいた瞬間に吹き飛ばされる覚悟もしていたが──
細いエメラルドの瞳はアマネの存在をとらえたまま、強い拒絶も興奮も起こすことはなかった。
それにまず安堵する。
近くで見ると、その傷は想像以上にひどかった。
毒が血に混じって、全身へと回り始めている。
左手首を見る。
黒と銀の細身の制御ブレスレットが、薄く魔力の光を帯びていた。
ルシアンがくれた、「祝福」の力を抑え、代償を起こさないようにするためのお守り。
けれどこれをしたままでは、竜の命には間に合わない。
もっと深く、もっと強く、魔力を流し込まないとーー。
ほんの一瞬だけ、ためらった。
そして覚悟を決めて、アマネはブレスレットの金具に指をかけた。
ぱちん、と外れる小さな音が響く。
外気にさらされた手首の肌が、ひやりとしたかと思うまもなく、体の奥から魔力がうねりをあげる。
押さえつけられていた水面が一気にあふれ出したように、全身の血管を一気に熱が駆け巡る感覚。
アマネは、竜の鱗の上にそっと手を置く。
「……大丈夫。絶対に助けるから」
安心させるつもりで呟いた声が震えている。
アマネの使う祝福の力に詠唱の必要はない。かわりに、昔からこうして言葉を添えないと、自分の心の方が負けてしまいそうだった。
黒髪がふわりと宙に舞う。
瞳の奥から、淡い光が滲み出た。
触れた場所から、やわらかな光が広がっていく。
竜の荒い呼吸が、徐々に落ち着いていく。
矢が刺さった周囲を蝕んでいた毒が、光に溶かされるように薄まっていくのが、魔力の感覚で分かった。
同時に、アマネの胸にじくじくとした痛みが広がっていく。
焼けるように熱い。
胸骨の下あたりが、内側から焼きごてを押し当てられたみたいに痛みに疼く。
そこにまた、新しい黒い紋が浮き上がっていく感覚がある。
(大丈夫……大丈夫、このくらいなら……っ)
アマネは歯を食いしばって治療を続ける。
竜の命を繋ぐのに必要な分だけ。
これ以上は、自分の身が持たない。
しばらくして、竜の瞼がかすかに震えた。
重たげだった呼吸が、少しだけ深くなる。
「……そう、そうだよ。もう少し、あと少しだけ、がんばって」
安堵の息を吐いた。
その時だ。
近くの茂みの向こうから、水の跳ねる音と、荒い足音が聞こえてきた。
アマネは反射的に顔を上げる。
「エギルバルド!」
次の瞬間、木々の合間から一人の男が飛び出してきた。
全身ずぶ濡れの制服姿。
胸元には、先ほど竜の鞍で見たのと同じ、竜騎士団の紋章。
その瞳がアマネを射抜いたその瞬間、目にも留まらぬ俊敏な速さで、男は腰に下げていた剣を抜いた。
「っ、お前──!」
銀色の刃が、真っ直ぐにアマネの首元に向けられる。
反射的に身が固まり、ひゅっと喉から空気が漏れた。
竜の体に触れていた手が、止まる。
二人の視線が、正面からかち合う。
男は全身濡れていて、地面にポタポタと雫が落ちていく。
一触即発の雰囲気で、場がぴんと張りつめた糸のようになるが、その目がアマネの全体を捉えた瞬間、驚愕に見開かれていく。
そしてアマネもまた、大きく息を呑んだ。
深い炎のようなルビーレッドの髪。
濃い空の色を写し取ったかのような浅葱色の瞳。
美しく整った凛々しい顔立ちの、若き青年。
この国で、その顔を知らぬ者はいない──6年前、ようやく日の下へ出たアマネでさえも、流石に知っている。
(竜騎士団・団長……ロアン・イグナリア──ッ)
遅れて、何かが木にぶつかった鈍い衝撃音と、低いうなり声のようなものが聞こえた。
「…………今の、なに?」
アマネは思わず立ち上がる。
倒木がきしみ、パンのかけらが足元に落ちた。
(魔物? でも、この森には入れないはず)
ギルバートの結界は、人間はもちろんのこと、害のある魔物も弾き出す。
普通なら、こんな音がするほどの大きな何かが、結界の中で暴れるなんてことはない。
ギルバートの強力な結界を……何かが、破った?
嫌な予感と、どうしようもない焦燥感。
胸の奥が、きゅうと強く縮む。
外出前に、森の奥には入らないと二人に約束した自分の言葉を思い出す。
「少しだけ……様子を見るだけ」
自分に言い聞かせるように呟き、アマネは音のした方角へと駆け出した。
枝をかき分け、木の根につまずきそうになりながら、斜面を下る。
息が早くなるのと比例して、心臓も忙しなく跳ねた。
やがて、視界の先の木々が不意に途切れる。
「ッ……!」
息が止まった。
そこには、まるで何かに踏み抜かれたように地面が抉れ、土と岩が散乱している小さな窪地が広がっていた。
そして、砕けた木の幹の間に、その巨大な体は倒れていた。
白銀色の鱗に日差しが鈍く反射している。
空気には、鉄の匂いと、焦げたような嫌な匂いが混ざっていた。
エメラルドの宝石のような瞳が、かろうじて細く開かれる。
「……竜、だ……!」
思わず声が漏れた。
この国に住んでいれば空を飛んでいる姿を目にする機会はあるが、こんなに間近で見たのは生まれて初めてだ。
そんな遠い存在が今、目の前で横たわっている。
翼は片方が不自然な角度で折れ、腹部からは黒ずんだ血が滲み出ていた。
そしてその背に──
立派な鞍と、見慣れない紋章が刻まれた金属板。
大陸で唯一、この国にしか存在しない紋章は──この国最高戦力を持つ、竜騎士団の象徴だ。
「竜騎士団の、竜……!?」
頭の中でいくつもの注意喚起がよみがえる。
竜騎士団と契約している竜には、勝手に触れてはならない。
無断で近づくことも、本来なら罰せられる行為だ。
けれど──
竜の呼吸は、荒々しく、浅かった。
胴体が大きく上下しているが、その度に赤黒い血が泡立っている。
鱗の隙間……横腹のあたりに突き刺さった矢が一本、毒々しい紫色を帯びていた。
アマネの足が無意識に一歩、前に出る。
喉がカラカラに乾いているのに、胸の奥は焼かれたように熱く煮えたぎっている。
この国では特に竜への信仰が深い。
古くから、他種族と群れない高潔な竜と大陸で唯一この国だけが手を取り合い、力を借りて国を繁栄させてきた歴史があるからだ。
そんな尊き生物に、一体誰がこんな真似を。
ルシアンの声が頭の片隅で響く。
『騎士団にはできるだけかかわってはいけない』
『容姿のことと治癒魔法のことは、誰にも話してはいけないよ』
それでも、目の前の苦しそうな呼吸を無視することはできなかった。
アマネはごくりと唾を飲み込む。
(せめて、命を繋ぐところまで)
自分にそう言い聞かせて、竜の傍らに慎重に膝をついた。
竜は同族以外とは群れず、この国でも契約者以外の人間には懐かない生き物だと聞いていたので、近づいた瞬間に吹き飛ばされる覚悟もしていたが──
細いエメラルドの瞳はアマネの存在をとらえたまま、強い拒絶も興奮も起こすことはなかった。
それにまず安堵する。
近くで見ると、その傷は想像以上にひどかった。
毒が血に混じって、全身へと回り始めている。
左手首を見る。
黒と銀の細身の制御ブレスレットが、薄く魔力の光を帯びていた。
ルシアンがくれた、「祝福」の力を抑え、代償を起こさないようにするためのお守り。
けれどこれをしたままでは、竜の命には間に合わない。
もっと深く、もっと強く、魔力を流し込まないとーー。
ほんの一瞬だけ、ためらった。
そして覚悟を決めて、アマネはブレスレットの金具に指をかけた。
ぱちん、と外れる小さな音が響く。
外気にさらされた手首の肌が、ひやりとしたかと思うまもなく、体の奥から魔力がうねりをあげる。
押さえつけられていた水面が一気にあふれ出したように、全身の血管を一気に熱が駆け巡る感覚。
アマネは、竜の鱗の上にそっと手を置く。
「……大丈夫。絶対に助けるから」
安心させるつもりで呟いた声が震えている。
アマネの使う祝福の力に詠唱の必要はない。かわりに、昔からこうして言葉を添えないと、自分の心の方が負けてしまいそうだった。
黒髪がふわりと宙に舞う。
瞳の奥から、淡い光が滲み出た。
触れた場所から、やわらかな光が広がっていく。
竜の荒い呼吸が、徐々に落ち着いていく。
矢が刺さった周囲を蝕んでいた毒が、光に溶かされるように薄まっていくのが、魔力の感覚で分かった。
同時に、アマネの胸にじくじくとした痛みが広がっていく。
焼けるように熱い。
胸骨の下あたりが、内側から焼きごてを押し当てられたみたいに痛みに疼く。
そこにまた、新しい黒い紋が浮き上がっていく感覚がある。
(大丈夫……大丈夫、このくらいなら……っ)
アマネは歯を食いしばって治療を続ける。
竜の命を繋ぐのに必要な分だけ。
これ以上は、自分の身が持たない。
しばらくして、竜の瞼がかすかに震えた。
重たげだった呼吸が、少しだけ深くなる。
「……そう、そうだよ。もう少し、あと少しだけ、がんばって」
安堵の息を吐いた。
その時だ。
近くの茂みの向こうから、水の跳ねる音と、荒い足音が聞こえてきた。
アマネは反射的に顔を上げる。
「エギルバルド!」
次の瞬間、木々の合間から一人の男が飛び出してきた。
全身ずぶ濡れの制服姿。
胸元には、先ほど竜の鞍で見たのと同じ、竜騎士団の紋章。
その瞳がアマネを射抜いたその瞬間、目にも留まらぬ俊敏な速さで、男は腰に下げていた剣を抜いた。
「っ、お前──!」
銀色の刃が、真っ直ぐにアマネの首元に向けられる。
反射的に身が固まり、ひゅっと喉から空気が漏れた。
竜の体に触れていた手が、止まる。
二人の視線が、正面からかち合う。
男は全身濡れていて、地面にポタポタと雫が落ちていく。
一触即発の雰囲気で、場がぴんと張りつめた糸のようになるが、その目がアマネの全体を捉えた瞬間、驚愕に見開かれていく。
そしてアマネもまた、大きく息を呑んだ。
深い炎のようなルビーレッドの髪。
濃い空の色を写し取ったかのような浅葱色の瞳。
美しく整った凛々しい顔立ちの、若き青年。
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