27 / 32
第4章:躾
第1話:重なる影の奥(2)
しおりを挟む
腕と左足を拘束され、右足だけで支える体を酷使しながら快楽に耐える姿をどう思うのか。外側に発散できない快楽が内側に溢れて、それでも与えられない絶対的な快感の刺激に、乃亜は悶え狂っていく。
「ァ…ぁぅ…あぁ…~っ」
自分の胸に圧迫された肺が苦しい。耐えるのに十分なだけの酸素が足りない。
縛られた手も足も自由を求めて暴れるほど食い込み、じんじんとした痺れのような熱を持っている。いっそ崩れ落ちてしまえたらラクなのかもしれない。高鳴るままに果ててしまえたら、与えられるもどかしささえ、愛しい感覚に変わるかもしれない。
それでも出来ない。
斎磨がそれをさせてくれない。
「俺の質問には、はいかいいえで答えろ」
「っ…はっはい」
「やればできるじゃないか」
朦朧としかけていた頭が覚醒したのも無理はない。圧迫するほど埋まっていた指が引き抜かれ、いつの間にめくられたのか、むき出しになった乃亜の尻は斎磨の手の形を残していた。
「世から消えることを望まれるほど元から残虐な性質を持っている俺たちに、不死の肉体を与えるなんて悪いことだとは思わなかったのか?」
「え…っ…な…なにッぁ…ヤァッ」
「はい、か、いいえ、で答えろ」
「ヒッぅ…ぃ…い…いいえ」
甘い刺激に溶かされていた感覚が、叩かれることで違う感覚を植え付けてくる。
縛られ、叩かれ、耐えるはずの神経が震えるほどに興奮していく。
「萌樹にここを触らせたか?」
「っ…ぁ…はっはい」
「三織にも触らせたか?」
「ぁッ…は…ぃ」
視界に映るのは壁に反射した黒い影だけ。斎磨を象った影は、か細く息を荒げる乃亜を支配するように同じ場所に重なっている。
「俺に叩かれて喜んでいるのか?」
「ふぁッ…ァ…はい…ッ違うっ」
「悪い子だ」
「はいッ…ぁ…ヤッ」
「悪い子には本来、俺の奴隷である焼き印を押すんだがな」
「だめッ…は…い…ぁ…ッ」
「今日は特別に俺自身の印をやろう」
右足に全神経を集中させて、ずり落ちてしまわないことだけを考えていた自分を呪いたい。
耳をかすめていた音に、斎磨がどう行動するかわかっていたはずなのに、防ぐこともせずに淫らな形でじっとしていた理由を考えたくない。知りたくない。彼らのいう加虐性愛者の餌食になることを悦んでいる自分がいることを認めたくない。
「ヒッ…っ…ぅ…ァアァ…ぁ」
それでもこれは、感じるかどうかという問題ではない。欲しかったものが与えらる喜びに全身の痙攣が収まらない。
「あぁァっ…さぃ…ま…ッァ…はぁ」
「刺すぞ」
「ッ!?」
声すらままならない絶頂をどう伝えればいいのか、痙攣する内部に埋まりきった斎磨の方が良く分かっているに違いない。苦しいほど膨張した張型を奥までねじ込まれ、同時に背中に通じる首筋に牙を差し込まれる感覚。ぶつりと張りつめた肌に食い込んだ牙は、熱を吸い上げるように全身の神経を泡立たせる。
自分でもわかるほど高く果てた快感が、最高だと斎磨に告げている。
「乃亜の血はうまいな」
痛みと痺れの二重奏は、快楽を伴って乃亜の全身を犯していた。
「どうした。俺が許す、もっと声を出せ」
わかっていて煽る声の響きに、斎磨を感じる筋肉が収縮を繰り返す。
喘ぐことしか出来ない。
求めることも逃げることも許されない体は、与えられるものだけを貪欲に感じて乱れていく。
「ぁッメッ~~っイクッっあぁヤッ」
乃亜の体重を支えるように体勢を変えた斎磨の顔がなぜか上に見える。
「いやぁ…ッ…あぁああぁっ」
うつ伏せから仰向けに変わった体が、酸素の供給を始めたせいで、戻ってきた感覚が鋭利な刺激を与えてくる。
「俺を煽る声、瞳、くわえて死なない身体。最高の女を見つけたと思ったら、独占出来ないのは納得がいかない」
「ッ…斎磨ぁ…っ…さぃ…ぁ」
「これが永遠だろう?」
何度も腰を揺り動かしながら覗き込んでくる瞳に侵食される。血に染まるほど赤い瞳。褐色の肌、黒い髪。なぜこんな場所で、服を着たまま犯される羽目になったのだろう。
どうして犯されているのに、満たされるほどの気持ちに喘いでいるのか、悶えているのか。わからないから混乱していく。
「も、やっッィ…ひっ…アッ、イヤァッ」
「冗談じゃない」
「っん…ぁ~~…イッ、ぅ…んッンンン」
苛立ちの感情をぶつけるように斎磨の腰に力がこもる。
机の脚が悲鳴をあげて軋みを上げるほど、ランプが倒れ、影が大きく交わりを深めるほど、その刺激は乃亜の内部をえぐり、与えられるだけの快楽を打ち付けてくる。
「ぁ…ッ…ふァ…~~~ッ」
ついに、口付けを落とすと共に内部に放たれた白濁の液体は、乃亜の意識までも白濁に染めていく。引き抜かれ、支えを失った体は机からずり落ち、体からその証拠を垂れ流しても乃亜の痙攣は止まらなかった。
スカートの内側に秘められた行為。
まだ余韻が体を支配するのか、斎磨に拘束を解かれているときも乃亜は赤い顔で瞳を潤ませていた。
「お前は俺のものだ」
「っ…ぁ…はい」
今度は甘く唇に触れ、キスを贈った斎磨の腕に抱きあげられる。
素直にその腕の中に納まった乃亜は、書斎を出て、どこに運ばれるのだろうかと考えることを放棄した顔で斎磨をじっと見つめ続けていた。
「まあいい」
乃亜の視線に耐えかねたのか、斎磨はわざとらしく息を落として困ったように微笑んだ。
「お前の働きに免じて、あいつらと顔を合わせてやる」
どうやら乃亜のお願いは叶うらしい。
随分と気が遠くなるほどの長い時間を過ごしたが、これでようやく食事という死活問題が解決できるのだと、乃亜は部屋に運ぶ斎磨の腕の中で瞳を閉じた。
To be continued...
「ァ…ぁぅ…あぁ…~っ」
自分の胸に圧迫された肺が苦しい。耐えるのに十分なだけの酸素が足りない。
縛られた手も足も自由を求めて暴れるほど食い込み、じんじんとした痺れのような熱を持っている。いっそ崩れ落ちてしまえたらラクなのかもしれない。高鳴るままに果ててしまえたら、与えられるもどかしささえ、愛しい感覚に変わるかもしれない。
それでも出来ない。
斎磨がそれをさせてくれない。
「俺の質問には、はいかいいえで答えろ」
「っ…はっはい」
「やればできるじゃないか」
朦朧としかけていた頭が覚醒したのも無理はない。圧迫するほど埋まっていた指が引き抜かれ、いつの間にめくられたのか、むき出しになった乃亜の尻は斎磨の手の形を残していた。
「世から消えることを望まれるほど元から残虐な性質を持っている俺たちに、不死の肉体を与えるなんて悪いことだとは思わなかったのか?」
「え…っ…な…なにッぁ…ヤァッ」
「はい、か、いいえ、で答えろ」
「ヒッぅ…ぃ…い…いいえ」
甘い刺激に溶かされていた感覚が、叩かれることで違う感覚を植え付けてくる。
縛られ、叩かれ、耐えるはずの神経が震えるほどに興奮していく。
「萌樹にここを触らせたか?」
「っ…ぁ…はっはい」
「三織にも触らせたか?」
「ぁッ…は…ぃ」
視界に映るのは壁に反射した黒い影だけ。斎磨を象った影は、か細く息を荒げる乃亜を支配するように同じ場所に重なっている。
「俺に叩かれて喜んでいるのか?」
「ふぁッ…ァ…はい…ッ違うっ」
「悪い子だ」
「はいッ…ぁ…ヤッ」
「悪い子には本来、俺の奴隷である焼き印を押すんだがな」
「だめッ…は…い…ぁ…ッ」
「今日は特別に俺自身の印をやろう」
右足に全神経を集中させて、ずり落ちてしまわないことだけを考えていた自分を呪いたい。
耳をかすめていた音に、斎磨がどう行動するかわかっていたはずなのに、防ぐこともせずに淫らな形でじっとしていた理由を考えたくない。知りたくない。彼らのいう加虐性愛者の餌食になることを悦んでいる自分がいることを認めたくない。
「ヒッ…っ…ぅ…ァアァ…ぁ」
それでもこれは、感じるかどうかという問題ではない。欲しかったものが与えらる喜びに全身の痙攣が収まらない。
「あぁァっ…さぃ…ま…ッァ…はぁ」
「刺すぞ」
「ッ!?」
声すらままならない絶頂をどう伝えればいいのか、痙攣する内部に埋まりきった斎磨の方が良く分かっているに違いない。苦しいほど膨張した張型を奥までねじ込まれ、同時に背中に通じる首筋に牙を差し込まれる感覚。ぶつりと張りつめた肌に食い込んだ牙は、熱を吸い上げるように全身の神経を泡立たせる。
自分でもわかるほど高く果てた快感が、最高だと斎磨に告げている。
「乃亜の血はうまいな」
痛みと痺れの二重奏は、快楽を伴って乃亜の全身を犯していた。
「どうした。俺が許す、もっと声を出せ」
わかっていて煽る声の響きに、斎磨を感じる筋肉が収縮を繰り返す。
喘ぐことしか出来ない。
求めることも逃げることも許されない体は、与えられるものだけを貪欲に感じて乱れていく。
「ぁッメッ~~っイクッっあぁヤッ」
乃亜の体重を支えるように体勢を変えた斎磨の顔がなぜか上に見える。
「いやぁ…ッ…あぁああぁっ」
うつ伏せから仰向けに変わった体が、酸素の供給を始めたせいで、戻ってきた感覚が鋭利な刺激を与えてくる。
「俺を煽る声、瞳、くわえて死なない身体。最高の女を見つけたと思ったら、独占出来ないのは納得がいかない」
「ッ…斎磨ぁ…っ…さぃ…ぁ」
「これが永遠だろう?」
何度も腰を揺り動かしながら覗き込んでくる瞳に侵食される。血に染まるほど赤い瞳。褐色の肌、黒い髪。なぜこんな場所で、服を着たまま犯される羽目になったのだろう。
どうして犯されているのに、満たされるほどの気持ちに喘いでいるのか、悶えているのか。わからないから混乱していく。
「も、やっッィ…ひっ…アッ、イヤァッ」
「冗談じゃない」
「っん…ぁ~~…イッ、ぅ…んッンンン」
苛立ちの感情をぶつけるように斎磨の腰に力がこもる。
机の脚が悲鳴をあげて軋みを上げるほど、ランプが倒れ、影が大きく交わりを深めるほど、その刺激は乃亜の内部をえぐり、与えられるだけの快楽を打ち付けてくる。
「ぁ…ッ…ふァ…~~~ッ」
ついに、口付けを落とすと共に内部に放たれた白濁の液体は、乃亜の意識までも白濁に染めていく。引き抜かれ、支えを失った体は机からずり落ち、体からその証拠を垂れ流しても乃亜の痙攣は止まらなかった。
スカートの内側に秘められた行為。
まだ余韻が体を支配するのか、斎磨に拘束を解かれているときも乃亜は赤い顔で瞳を潤ませていた。
「お前は俺のものだ」
「っ…ぁ…はい」
今度は甘く唇に触れ、キスを贈った斎磨の腕に抱きあげられる。
素直にその腕の中に納まった乃亜は、書斎を出て、どこに運ばれるのだろうかと考えることを放棄した顔で斎磨をじっと見つめ続けていた。
「まあいい」
乃亜の視線に耐えかねたのか、斎磨はわざとらしく息を落として困ったように微笑んだ。
「お前の働きに免じて、あいつらと顔を合わせてやる」
どうやら乃亜のお願いは叶うらしい。
随分と気が遠くなるほどの長い時間を過ごしたが、これでようやく食事という死活問題が解決できるのだと、乃亜は部屋に運ぶ斎磨の腕の中で瞳を閉じた。
To be continued...
0
あなたにおすすめの小説
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写と他もすべて架空です。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる